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坂田藤十郎ら名優たちとのエピソードも。雷蔵の歌舞伎役者時代にスポットをあてた『歌舞伎役者 市川雷蔵』が発売中

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大島幸久著『歌舞伎役者 市川雷蔵 のらりくらりと生きて』(中央公論新社)

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『眠狂四郎』シリーズを始めとする大映時代劇の花形スター、市川雷蔵。その歌舞伎役者時代にスポットをあてた『歌舞伎役者 市川雷蔵』が、このほど、中央公論新社から出版された。著者は演劇ジャーナリスト、大島幸久さん。

1969年に逝去してから50年以上過ぎても”雷様”と慕うファンは多い。大映映画は毎年のように、大規模な回顧上映が行われていて、雷蔵出演作品は人気プログラムだ。そこで観てファンになった若い人も相当数いるという。

映画俳優としての雷蔵については、多くの著作や写真集が出版されているが、歌舞伎役者の雷蔵は著作が見当たらない。関西歌舞伎の名門、市川寿海の芸養子となり、八代目市川雷蔵を襲名してまもなくの映画界への転身、その理由など、まだ知られていない謎を探ろうという企画だ。著者の大島さん自身は、歌舞伎時代の生の舞台は観ていない世代だが、文献資料だけでなく、当時を知る先輩ジャーナリストや演劇評論家、関係者に取材し、まとめた。

映画俳優時代も、オープンしたばかりの日生劇場で歌舞伎公演を行うなど、舞台に立って活躍していたが、その頃の写真も多く収録されている。これが実に二枚目。歌舞伎役者時代はほんの8年間だが、さぞかし雰囲気のある役者だったと想像される。同じように、歌舞伎界から転身し、映画スターになった萬屋錦之介は、雷蔵とも親しく、交流があった。「きれいでしたからね。何ともいえぬ色気があって……ことに歌舞伎の白塗りなんかのとき……」と後年コメントを残している。その錦之介を始め、歌舞伎時代の仲間でもあった坂田藤十郎ら、名優たちとのエピソードは、とても興味深い。

『歌舞伎役者 市川雷蔵 のらりくらりと生きて』
大島幸久著 / 中央公論新社 / 2,200円(税込)

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