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稲葉友の「話はかわるけど」

髪型×肌感覚×正答【前編】

毎週連載

第124回

髪型をしょっちゅう変えるのも、お仕事のひとつと話す稲葉さん。自分の好きなスタイルというより、役柄によって変えざるを得ないとか。そんな限られた状況での、こだわりとは?

なんの気ない話がしたい。ということでなんの気なく髪の毛の話をしていく。

僕は仕事柄髪型が安定しない。役に合わせてしか髪を切らないし、役が終わってちょっと整えたりはあるけど「あの髪型にしたい!」と美容院に駆け込むことはまずない。そんな生活が長すぎてやりたい髪型を考えることなんてなくなってきた。

この仕事を始めるまではずっと短めヘアー。前髪が目にかかるのも嫌だったけど、今はある程度の長さがある時はホッとする。眉毛もそう、手入れをすることがない。目に見える部分は作品に備えておくのが当たり前になっている。役によって染めたり切るというのは即座にできるけど、伸ばすのはどうしたって時間がかかるから。とにかく作品と作品の間は極力放っておく。

短髪でいるのは今でも好きなのでバッサリ切れたときは嬉しいし気持ちいい。が、この後で長さの欲しい役が来たら…とソワソワもする。襟足なんかはだいたい切ってくださいと言われるのだが、そこすらもある程度ありなしが出来る長さのほうが安心してしまう。

仕事じゃなきゃ出来なかったであろう髪型というのもある。僕は24歳のときに作品の為に坊主にしたんだけど、それは自発的にするには勇気のいる髪型だったから新鮮だった。楽でよかったなー。ただ坊主の後に髪を伸ばす期間の扱いが難しかったので一長一短。そんなときに宣材写真の髪の長さを想定された仕事が来ると対応が難しくなるのでドキドキしていた。

自分の髪を普通に生きていたら試さなかったであろう色、形、長さにする機会があるのは面白い。髪を切ったとき、現場でセットしてもらったときに入るスイッチもある。お芝居の助けになる。

みんながどの髪型の稲葉が平均的な稲葉だと思っているのか分からないが、自分自身はそこから外れた少しクセのある髪型のほうが楽だったり好きな傾向がある。坊主にした時は本当にずっと坊主でもいいかもしれない思ったくらい気に入った。清潔を保つのが簡単なのもよかった。髪が長いといつもの単純な作業、シャンプーしてリンスして乾かしてみたいなそれまで当たり前だったことが伸びてからしばらくは手間に感じた。「帽子はファンションを選びませんか?」と聞かれるが、プライベートにおいては帽子被りがちなのであまり問題もない。

スパイラルパーマをかけたこともあった、それは19歳のとき。横と後ろを刈り上げて、残っている上の部分に強いパーマを当ててグリグリに。濡らすとパーマが強く出るから、それにムースつけてジェルつけて。僕は地毛が超ストレートだから、圧倒的に逆の髪質になったのがこれまた新鮮で好きだった。

自分の髪の色では黒が一番好き。単純に地毛の色だし。金髪も好きなんだけど、自分的に“金髪の呪い”というものがある。高校時代、校則が緩めだったので金髪やら銀髪にしていたんだけど、父親に「金髪はバカに見えるぞ」と言われたのがじんわりと心に残っている。当時は「別にいいっしょ」と思ったが、残っているということは実際刺さっていたということなんだろう。頭ごなしにやめろ!とかじゃなかったのも大きいんだろうな。言い方も優しかったし。最後に金髪にしたのは2年前だ。この連載のバックナンバーにも写真は残っているので見てみて欲しい。仕事で染めているので恥ずかしさなんてないけど。そういえば当時、ちょうど身内のお葬式に出なきゃいけなくなった。もう見た目ドラ息子感が半端なくて、「仕事なんです」といちいち説明してたな。そんなこともあるから金髪はハードル高いけど、なんやかんやたまにやれると楽しい。

ナチュラルな黒髪も、過激な金髪も好きな僕だけど、なぜか茶髪はあまりグッとこない。中途半端に感じるからかな。役に必要で茶髪にすることはよくあったが、人間にしっくり来ないというか。あまり好きじゃないけど、明確に嫌いな理由もないみたいな。役に徹するための必要なビジュアルとしての茶髪はいいけど、プライベートだとなんとなく相性が悪い気がしている。これはもう肌感覚。

次回も引き続き髪の毛の話になる予定。この話どう転がるんだろうか。それではまた。

次回の更新は5月26日(水)です。お楽しみに!

プロフィール

稲葉友(いなばゆう)

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14~’15 EX)、『MARS~ただ、君を愛してる~』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30~16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

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