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KID FRESINO、BIM、T-Pablow…『大豆田とわ子と三人の元夫』にみるラッパーの存在感 音楽で紐解く人気急上昇ドラマの秘密

ぴあ

『大豆田とわ子と三人の元夫』メインビジュアル

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現在放送中のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(カンテレ・フジテレビ系)に世間の耳目が集まっている。

脚本を手がけたのは、今年1月の公開からロングヒットを記録した映画『花束みたいな恋をした』や、放送終了後も視聴者からのラブコールが止まない人気ドラマ『最高の離婚』『カルテット』『スイッチ』などで知られる坂元裕二。また『カルテット』の松たか子と松田龍平が再びタッグを組んだ本作は、放送開始前から“間違いない”作品との呼び声を高めていた。

しかし、この『大豆田とわ子と三人の元夫』において目を引くのは、これまでの人気作における定石を踏襲するのみにとどまらず、作中に新たな試みを打ち出すことでお茶の間から寄せられる高い期待値を超えてみせているところだ。

建設会社の社長で一児の母親でもある大豆田とわ子が、3人の元夫に振り回されながら奮闘する日常をロマンティックコメディーのタッチで描く本作は、先述の通り『カルテット』出演陣の松たか子と松田龍平に加え、ドラマ『太陽と海の教室』(脚本・坂元裕二)に出演の岡田将生、そして今回で坂元作品初参加となるコントトリオ・東京03の角田晃広といった面々がメインキャストを固めている。ユニークで魅力的な豪華出演陣によって繰り広げられる軽妙かつ人間味あふれる会話劇は、これまでにない新たな風を送り込んでいる。

ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』より

そんな『大豆田とわ子と三人の元夫』に表れる斬新なポイントとして、最も特筆すべきは何といってもエンディングシーンだろう。

本作では、毎週異なるラッパーが作中にカメオ出演し、STUTS & 松たか子 with 3exesによるエンディングテーマにも参加している。第一話では、とわ子を演じる松たか子がラッパーのKID FRESINOと楽曲『Presence I (feat. KID FRESINO)』でコラボ。続く第二話では、とわ子の三番目の夫・慎森を演じる岡田将生がラッパー・BIMと共に『Presence II (feat. BIM, 岡田将生)』でラップパートを担当するなど、各話で異なるアーティスト共演が見られることで、毎放送後に大きな反響が寄せられている。

STUTS & 松たか子 with 3exes ©seiji shibuya

エンディングテーマのリリックは、本編にさり気なく登場するラッパーとメインキャストによる共演で、各話の内容をイメージさせる含みがあるという演出。そしてラップや歌唱のパフォーマンスをみせる登場人物たちの姿がドラマティックに映し出されるエンディング映像では、役者本人とキャラクター、物語と音楽、暮らしとカルチャー、現実性と非現実性の輪郭が緩やかに混ざり合い、まるでミュージカルを見ているような感覚へと導く。

見る者に高揚感と没入感を与えるこの演出には、本作プロデューサーの佐野亜裕美氏が「コロナ禍だからこそ、思いっきりステキな楽しいドラマを作りたいと思った」と語るように、制作側による現在の時流をくんだクリエイティビティとチャレンジ精神が反映されているのではないだろうか。

「Presence II (feat. BIM, 岡田将生)」Offcial Audio

ドラマを機にさらに存在感を増した次世代ラッパー達

また、それぞれのエンディングテーマに参加するラッパーのラインナップも注目すべきポイントとなっている。

リリースごとに絶えず作品性を変化させるフリーフォームな魅力と、そのリリックに織り込まれる日常性が大きな存在感を放つKID FRESINO。“鬼才”とも称される独自のワードセンスできゃりーぱみゅぱみゅ、染谷将太ら著名人のファンを多く抱えるBIMに加え、自由度の高いスタイルでジャパニーズラップの現在と未来を映し出す存在であるNENE(ゆるふわギャング)。HIP HOPやレゲエ、ハウスなど多様な音楽的バックグラウンドで活躍の場を国内外に持つDaichi Yamamoto。そして高校生ラップ選手権で優勝、フリースタイルダンジョンで初代モンスターを務めるなど、その確かなスキルで幅広い層から絶大な支持を受けるT-Pablow(BAD HOP)といったそうそうたる顔ぶれが揃う。長年のHIP HOPフォロワーもさることながら、これまでラップに触れてこなかった層をも魅了しているようで、SNS上では「ストリーミングサイトでチェックしてみよう」という声が散見される。

彼ら次世代の日本音楽シーンをけん引するラッパーの起用は、これまで各時代を映し出す文化的要素を作中へ落とし込みながら強烈なパンチラインのように人々の心を捉える名セリフを生み出し続けてきた坂元裕二作品ならではの魅力とも共鳴するものである。

第二話と第七話のエンディングテーマとなった「Presence II (feat. BIM, 岡田将生)」は2021年5月26日より各ストリーミングサイトにて配信がスタートしているほか、これまでエンディングにてO.A.されたSTUTS & 松たか子 with 3exesによる主題歌など全10曲を収録曲とするCDが6月23日に発売されることが決定した。

「Presence Ⅰ (feat. KID FRESINO)」MV

またクラシックや現代音楽の分野で活躍するとともに、宇多田ヒカル、米津玄師らの作品参加で注目を集める音楽家・坂東祐大による劇伴や、グラミー賞ノミネート歌手グレッチェン・パーラト、METAFIVEやKIMONOSで活躍するLEO今井らトップアーティストの面々が織りなす挿入歌を収録した本作の音楽集「Towako’s Diary – from “大豆田とわ子と三人の元夫”」が6月9日にリリースされることもアナウンスされており、発売前からドラマファンのみならず音楽ファンからも待望の声が上がっている。ドラマ本編の展開はもちろんのこと、その物語にさらなる奥行きをもたらす劇中の音楽、そして各話ごとにサプライズが施されるエンディングによって放送終了まで目の離すことができない『大豆田とわ子と三人の元夫』に、今後よりいっそう夢中にさせられていくことだろう。

文 / 菅原 史稀

『大豆田とわ子と三人の元夫』第七話より

ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』
毎週火曜日21時よりカンテレ・フジテレビ系にて放送中
公式サイト:https://www.ktv.jp/mameo/

<リリース情報>
STUTS & 松たか子 with 3exes「Presence」

「Presence」CDジャケット

6月23日(水) 発売
価格:2750円(税込)

【収録曲】
Presence I (feat. KID FRESINO)
Presence II (feat. BIM, 岡田将生)
Presence III (feat. NENE, 角田晃広)
Presence IV (feat. Daichi Yamamoto, 松田龍平)
Presence V (feat. T-Pablow)
ほか全10曲収録

各CDショップはこちら:
https://va.lnk.to/w2EHwG

Presence II (feat. BIM, 岡田将生) 

5月26日(水) 午前0時より、iTunes、レコチョク他にて配信スタート
ダウンロードはこちら:
https://VA.lnk.to/Iql5yR

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