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ORESAMAがファンと再確認&共有した音楽を体感する楽しさ 10カ月ぶり有人ワンマン公演を振り返る

リアルサウンド

20/10/27(火) 18:00

 10月18日、Veats SHIBUYAにて、『ORESAMA ONEMAN LIVE “Gimmme!”』が開催された。今回のライブはセットリストを変えた2部制。1部は翌19日にヤマハの提供するライブ再現システムを使った「ディスタンスビューイング」で再演され、2部は有料生配信でオンライン上でも視聴できる公演となっていた。このレポートでは両方を合わせた見どころをお届けする。

 4月に開催予定だったライブが中止になり、有人ワンマンライブは約10カ月ぶりとなるORESAMA。観客はフェイスシールドを着用し、一人分ずつ間隔をあけ、声も出さないという条件下ではあったが、会場は久々のORESAMAとの対面への期待に満ちていた。

ORESAMA

 白系で統一された衣装を纏ってステージに登場したORESAMAの2人とバンドメンバー。特に、ぽん(Vo)と、サポートのMONICO(DJ)はキラキラと光るシルバーの衣装が華やかで、どことなくスペーシィだなと思っていたら、第一部はまさしく「銀河」からスタート。骨を振動させるような迫力ある低音が響きだし、今ライブハウスにいるのだなと実感する。

ORESAMA

 8月には『Z-aN Fest: Over the Limit 0801』に出演し、初の配信ライブを体験したORESAMAだが、配信ライブの可能性とともに難しさも感じたという。ORESAMAが得意とするダンスミュージックは、「現場で聴いてこそ」の側面がある。インタビューで小島英也(Gt)が「耳だけじゃなく体で感じる、体感する音楽を早くみんなと共有したい」語っていたことが思い出された(参考:ORESAMA インタビュー 音楽ナタリー)。音源では軽快なサウンドの印象が強いORESAMAだが、ライブハウスではその音の力強さが顔を出す。

 ぽんのボーカルもそうだ。ポップで可愛らしい声のイメージがあるけれど、「OPEN THE WORLDS」では、会場を突き抜けるような高音のゆるぎない強さに驚かされた。スウィングジャズの「cute cute」ではまた一変。カラフルな照明が縦横無尽に照らすサイケデリックな雰囲気のステージの中、吐息交じりの歌声で会場を魅了する。

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 MCで、「みんな元気だった?」と問いかけたぽん。拍手で応えるファンに対し、「それがわかれば私は充分」「こんな時だからこそ楽しいという気持ちを共有したい」と述べた(2部)。この日のセットリストには、自身の楽曲をセルフカバーしたシリーズ「Dressup cover」の楽曲も含まれており、1部では「迷子のババロア」、2部ではそれに加え「綺麗なものばかり」も披露された。ぽんの「好きに体を揺らしながら楽しんでください」という言葉で始まった「綺麗なものばかり」は、原曲にファンクなアレンジが加わったことで曲の持つ色気のあるけだるさが引き立ち、心地よいグルーヴ感を生む。

 雨音のSEから始まる「夜行ノ雨」は、夜、ふいに忍び寄る孤独を歌ったバラード。円錐形に照らすレーザーの真下で歌うぽんの声の透明感が際立ち、美しい切なさが胸に迫る。かと思えば、続くポップチューン「「ねぇ、神様?」」ではその切なさを一気に拭い去る。ステージ前列に立つぽん、小島、サポートの三浦光義(Ba)の3人が揃って左右にステップを踏む。

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 10月14日に新シングル『Gimmme!』をリリースしたことを発表。ライブタイトルにも冠されている表題曲は、アニメ『魔王城でおやすみ』のエンディングテーマでもある。作品が「魔王城に幽閉されたスヤリス姫が快適な睡眠を求めて城を探索する“睡眠ファンタジーコメディ”」であることにちなみ、楽しい夢の世界をイメージしたファンタジックなナンバー。MVはいくつもの夢を渡り歩くようなストーリーになっており、次々衣装チェンジするぽんの七変化も見どころだ。また、今までのMVではひっそりと登場していた小島が、今回はキーパーソンとして派手に出演していることに触れ、「今回は『小島を探せ』をしなくてもよかったよね」と笑いを誘った。

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 そんなMVの映像をバックに始まった「Gimmme!」。得意のダンスミュージックをベースにしつつ、星の流れるようなSEや、オルゴール風のサウンドなど、細かな音の変化がカラフルに楽曲を彩る。リリースから間もないにも関わらず、会場中が手を振って一体感が生まれていたのが印象的だった。

 人数も制限され、声援も出せないなか、はじめはどのように盛り上がるか、やや戸惑いの見えたファンが、徐々に手を振り、腕を突き上げて「この場」での楽しみ方を見出していっていたのも象徴的だったように思う。音楽を体験する、という感覚を思い出させてくれるORESAMAのライブ。1部は「ワンダードライブ」「流星ダンスフロア」、2部は「流星ダンスフロア」「乙女シック」で、盛り上がりのなか幕を閉じた。

ORESAMA 第一部ライブ写真

ORESAMA 公式サイト

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