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斎藤工と奥山大史がロイ・アンダーソン愛を語る「美術館で絵画を見ているよう」

ナタリー

20/9/4(金) 12:00

奥山大史(左)、斎藤工(中央のモニター)、PFFディレクターの荒木啓子(右)。

第42回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)で行われる特集上映「ロイ・アンダーソン・コンプリート特集」を記念して、斎藤工と奥山大史が対談を実施。その一部が到着した。

この特集では、ロイ・アンダーソンの長編デビュー作「スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」や、「ギリアップ」「散歩する惑星」「愛おしき隣人」「さよなら、人類」、11月に公開予定の「ホモ・サピエンスの涙」を上映。さらに学生時代の作品を含む初期短編5本がラインナップに並んだ。

長編デビュー作「僕はイエス様が嫌い」を携えてストックホルム国際映画祭に赴いた際に、アンダーソン本人とも対面を果たしたという奥山。まず斎藤から、自身にとってのアンダーソンという存在について尋ねられると「独特の空気感を持っている監督が好きで、そういった意味でジャック・タチとかも好きなんですけど。その空気の濃度が一番高いのがロイ・アンダーソンなのかなと。なんていうか……昼に二度寝した時に見ちゃう夢みたいな、なんとも言えない感じがあって。あとは、まるで美術館で絵画を見ているように1シーン1シーンをじっくり見ていけるところも好きなんです」と回答する。

「まさに美術館で見る芸術に近いですね」と同意した斎藤は「『永遠性』みたいなものを感じます。夢の中で夢と気付いても、奇妙でも滑稽でも、なぜかその世界に準じてしまう自分の意識みたいなものがあると思うんですが、まさにこのフィルムメーカーは、そういう世界を意図的に描いてるんですよね」と分析。そして「わりと悲劇を描いているんですが、必ずしもハッピーではない『負の遺産』を、美しさと一緒に未来へとバトンをつないでいくということをもっともしているのがロイ・アンダーソンなんじゃないかと思います」と続けた。

「僕は奥山作品にロイ・アンダーソンの“におい”を感じる部分がすごくあるんです」と伝えた斎藤。それに奥山は「直接的なロイ・アンダーソンからの影響という点では、ワンシーン・ワンカットであまりアップを使わないというのは影響を受けていると思います」と返答する。また「ロイ・アンダーソンの描く世界って、本当に“コロナ後”の世界だなと感じるんですよね」と語った奥山は、「とにかく世の中がよくない方向に進んでいるという感じがどこか“今”っぽいし、不気味さを感じたんです。そういった現代を風刺したり未来を予見したかのような“におい”には憧れますね」とアンダーソンへ敬意を示した。対談の全文は、第42回PFFの公式サイトに掲載。なお、特集の「ギリアップ」と短編プログラムはオンラインで限定配信される。詳細は9月7日に公式サイトで発表予定だ。

第42回ぴあフィルムフェスティバルは東京・国立映画アーカイブで9月12日から26日にかけて開催。チケットはチケットぴあで販売されており、当日券の販売はないのでご注意を。

第42回ぴあフィルムフェスティバル

2020年9月12日(土)~26日(土) 東京都 国立映画アーカイブ ※月曜休館

ロイ・アンダーソン・コンプリート特集

「スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー」※35mmフィルム上映
「ギリアップ」※日本初上映 
「散歩する惑星」※35mmフィルム上映
「愛おしき隣人」※35mmフィルム上映
「さよなら、人類」
「ホモ・サピエンスの涙」※特別上映
短編プログラム(学生時代の作品を含む初期短編5本を日英字幕で上映)※日本初上映 

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