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欅坂46 渡辺梨加、特別な瞬間に見せる凛とした姿が魅力に 『けやかけ』フィーチャー企画を機に考える人物像

リアルサウンド

20/4/22(水) 6:00

 先日放送された『欅って、書けない?』(テレビ東京)は渡辺梨加のフィーチャー企画。「パン屋修業の道」と題して、彼女がかねてより希望していたパン作りを習うロケとなった。今回は、そんなパン好きとして知られる渡辺に注目してみたい。

(関連:欅坂46 渡辺梨加、口下手発揮で厳しいツッコミ受ける 今田耕司「なんで来たんや!」

 1995年生まれ、茨城県出身、身長166.5cmの渡辺は、“ぺーちゃん”の愛称で親しまれる。一期生の彼女は初期から注目されたメンバーだった。デビュー曲「サイレントマジョリティー」ではフロントメンバーに選出。続く2ndシングル『世界には愛しかない』でもフロントに選ばれると、早くもグループの人気を牽引する存在に。2017年7月にファッション誌『LARME』のレギュラーモデルとして起用されると、同年11月には同じくファッション誌『Ray』の専属モデルにも決定。その抜群のプロポーションは男性のみならず、多くの女性たちからも支持を得る。

 同年12月にはグループに先駆けて個人写真集を発売。そのタイトルが彼女のキャラクターを端的に表現していて面白い。付けられたタイトルは『饒舌な眼差し』。プロデューサーの秋元康による帯文にはこうある。

「渡辺梨加は女優だと思う。何も話していないのに、眼差しがすべてを語っている」

 彼女は非常におとなしい性格で、番組の収録中もほとんど言葉を発しない。あまりにも喋らないため、雑誌のインタビュー等での彼女の発言は「……。」と表記されることが恒例となっている(むしろ普通に答えていると「これは本当に本人の発言なのか」とファンが怪しむ)ほどだ。そのため、同写真集に収録されたインタビューも、取材に要した時間はなんと合計14時間だった(3回に分けて行われた)という。

 しかしそんな彼女にも、演技が得意という意外な一面がある。もともと女優の新垣結衣が好きで、セリフを覚えてしまうほど何度も出演作品を見ていた渡辺は、テレビドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか?』(テレビ東京)で迫真の演技を見せ、ファンから絶賛されたことがあった。普段あまり自分から発信しない彼女は、そうした特別な瞬間に見せる凛とした姿にこそ魅力があるような気がする。

 渡辺は、キャプテンの菅井友香とともにグループ最年長。菅井もいわゆる一般的なキャプテンのようにリーダーシップをバリバリ発揮していくタイプではないため、この年上の2人のある種の控え目な性格が、グループの空気感の土台になったように思う。物静かで淑やかな人柄は、どこか”大和撫子”的で、清楚な坂道グループのイメージをまさに象徴するものだ。

 今回の「パン屋修業の道」のロケは、渡辺と仲の良い長沢菜々香も参加し、2人がパン作り職人の廣瀬満雄氏にパン作りの指導を受けた。パン作りをしているときの真剣な眼差しはパン好きそのもの。しかし職人による厳しい言葉を浴びせられると2人は萎縮してしまい、徐々に返事がなくなっていく。見かねた職人が激怒し、収録は一時中断。その後、2人が直接謝りにいったことでパン作りが再開する。

 パン作りに対する廣瀬の熱い思いを聞いたことで心を入れ替えた2人は、率先して洗い物をするなど積極的な姿勢を見せ始める。最終的に出来上がったパンは高評価を獲得。自分で作ったパンを食べる彼女たちは、パン作りに対する満足感以上に、どこか社会人として一皮剥けた表情を浮かべていた。2人の成長を見たスタジオのメンバーのなかには涙を流す者も現れ、結果的にグループ全体で今後の成長を誓ったような回となる。

 欅坂46のオーディションに受かる前、「就職活動で50社くらい落ちた」というエピソードがあるが(参照:https://hustlepress.co.jp/keyakizaka46_03/)、たとえ“社会”でやっていけなくともアイドルとして活躍している様子は、彼女を応援したくなる理由のひとつだった。今回のロケで直面した“社会”の厳しさ。それは、これまでの彼女にとって無縁の存在だったのかもしれない。しかし、こうした壁をひとつずつ乗り越えていくことで、ステージに立つ者としても、ひと回り大きな存在へと成長していくのだと思う。(荻原 梓)

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