Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

解散宣言したBiSの“お騒がせ”の軌跡 「素人以下」と言われた少女たちはどう奮闘したか

リアルサウンド

14/2/13(木) 14:57

 アイドルグループのBiSが2月12日、新宿ステーションスクエアで行ったフリーライブ「伝えたいことがあるんだ」にて、7月8日に横浜アリーナで解散ライブを行うことを発表し、大きな話題となっている。BiSはかねてより日本武道館での解散ライブを目標に掲げてきたが、これまでの活動内容ゆえに主催者側との折り合いがつかず、実現を断念。よりキャパシティの大きい横浜アリーナにて「BiS解散LIVE『BiSなりの武道館』」を開催することになったという。

 これまでも物議を醸すような活動を展開してきたBiS。2011年7月に全裸でダッシュするMVを公開したのを始め、世界的ノイズバンドである非常階段とのコラボを展開、さらにはファッションデザイナー・コシノジュンコを加入させるなど、通常のアイドルグループとは一線を画する活動を展開して話題を集めてきた。BiSのマネージャーであるジュンジュンこと渡辺淳之介氏は、その活動方針について次のように語る。

「BiSが結成された2011年頃はアイドルグループが乱立している時期だったので、明確に差別化しないと振り向いてもらえないと思ったんです。それで普通のアイドルがやらないことを、どんどんやっていこうということになりました。とくに注目を集めたのは、やはり『My Ixxx』での全裸MVですね。あれはメンバー共々ほとんど勢いでやっちゃったような感じなんですが、結果的に『あの全裸のヤツだよね』という感じで、じわじわと認知が広がっていきました」

 BiSのライブ特有の雰囲気も「自然にできあがっていった」と同氏は続ける。

「初期のライブは踊りもぜんぜんダメで、素人以下みたいな感じだったんですけど、それがかえってファンに『助けてあげなきゃ』という気持ちを抱いてもらえたみたいで、独特のルールが自然に発生していきました。僕自身、なにかを制約されるのが嫌なので、おたがいに楽しければ全部自由にやっていいっていう方針でやっていたのも、結果的には良かったみたいです。ファンの方にこれはダメ、あれはダメっていうことをひらすら言わなかったら、いつのまにか個性的なステージになっていました。また、2012年にavexからメジャーデビューしたのですが、その瞬間、これまで色物的な扱いだったのが、急にアート的な評価をされるようになったのも驚きましたね。世間的に堂々と『好き』だと言えるグループに変わっていったのが、この時期だと思います」

 メジャーデビュー後も、Yahooオークションにメンバー自身が「3時間あなたの家で家政婦します」と出品されたり、AV風のMV「DiE」を発表するなど、そのスタンスがブレなかったBiS。だが、音楽業界での評価は着実に高まっていった。BiSの映像コンテンツに携わる、スペースシャワーTVの映像プロデューサー・高根順次氏は、BiSの魅力を次のように語っている。

「BiSの活動はただセンセーショナルなだけではなく、批評性を帯びている部分が面白いと思います。たとえばファースト・アルバムの題名は『IDOL is DEAD』で、彼女たちの活動を象徴的に表しており『そもそもアイドルってなんなんだろう』と考えさせられるものがあります。いっぽうで楽曲の歌詞には、たとえ笑われても自分たちが革命を起こすんだ、といった、今どきロックバンドにもないようなメッセージ性が込められていたりします。私自身はBiSが主人公の下ネタアニメ『バックステージ・アイドルストーリー』のあたりから彼女たちに関わり、その内情を垣間みたのですが、彼女たちの活動には『自分たちでもどうなるかわからない』というある種のリアリティがありました。運営側もまた、すべてをコントロールしているわけではなく、予定調和というものがないグループでもありました。だからこそ、多くのひとが引き込まれていったのではないでしょうか」

 BiS階段のアルバム『BiS階段』は2013年の12月、アメリカの大手音楽雑誌、SPIN誌が選ぶ2013年度アヴァンギャルドベストアルバム7位に選ばれるなど、日本のアイドルグループとしては快挙と呼べる結果を残した。現在のBiSの状況には、マネージャーの渡辺氏も驚きを隠せない。

「正直、メジャーデビューすら考えていなかったグループなので、こんな規模になるとは思いませんでした。きっと多くのひとが同じように思っているのではないでしょうか。ただ、横浜アリーナに関しては、多くのファンが応援してくれていると思いますが、実際に埋まるとは考えていないと思います。以前に国技館でライブをやったときも、2階は全部空席でした。でも、今度の横浜アリーナは頑張って客席を埋めたいと思います。大人数で最後のお祭りができたら良いですね」

 解散ライブで、あえて無謀ともいえるキャパシティの会場を選んだBiS。その攻めの姿勢は、最後まで続くようだ。
(文=編集部)

アプリで読む