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2年目の“実験”を見届けて、KEX2021秋のキーワードは「もしもし?!」

ナタリー

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」記者会見より。(Photo by Takuya Matsumi)

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」の記者会見が、昨日7月28日に京都・京都芸術センター フリースペースおよびオンラインで行われた。

「KYOTO EXPERIMENT」は、2010年から開催されている京都発の国際舞台芸術祭。多彩なアーティストを迎え、演劇、ダンス、美術、音楽、デザイン、建築といった、ジャンルを横断した実験的な表現を紹介するフェスティバルとなっている。毎年秋に開催されているが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、会期が変更になり、今年2月から3月まで「2021 SPRING」として行われた。

会見には、京都国際舞台芸術祭実行委員会実行委員長の天野文雄、KYOTO EXPERIMENT共同ディレクターの川崎陽子、塚原悠也、ジュリエット・礼子・ナップに加え、参加アーティストからdot architectsの土井亘、筒井潤、関かおり、チーム・チープロの松本奈々子と西本健吾、そして和田ながらとやんツーが登壇した。

ナップは、まずフェスティバルのキーワードである「もしもし?!」に触れ、「『もしもし』は、日本語では、電話応対で用いる言葉ですが、他者への呼びかけや、身体の存在を示すものでもあります。また、声は個人的なものであり、個人のアイデンティティとも結びついています。今回のフェスティバルでは、“聞かれなかった声”や、内なる声、過去と未来の声、人間のものではない声、そして声と身体の関係性、あるいは集合的な声と身体の関係性に注目した作品を上演します。このキーワードが、プログラムをより深く体験するヒントになれば」と語る。

今回のプログラムは、前回の「2021 SPRING」と同様に、「Kansai Studies」「Shows」「Super Knowledge for the Future(SKF)」の3本柱で構成される。リサーチプログラムの「Kansai Studies」には、ディレクターの3名に加え、dot architects、和田、今村達紀、小島寛大が参加。“関西の独自の食文化”をテーマに、お好み焼きについてリサーチし、フェスティバルの最終週に、京都・京都芸術センターにてパブリックイベントを実施する。

上演プログラム「Shows」のラインナップには、ホー・ツーニェン「ヴォイス・オブ・ヴォイド─虚無の声」、チェン・ティエンジュオの新作「牧羊人(ムーヤンレン)」、荒木優光の新作「サウンドトラックフォーミッドナイト屯」、ベギュム・エルジヤス「Voicing Pieces」、ルリー・シャバラの新作「ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声」、和田ながら×やんツー「擬娩」、フィリップ・ケーヌ「もぐらたち&上映会『Crash Park: The Life of an Island』」、チーム・チープロによる新作「京都イマジナリー・ワルツ」、鉄割アルバトロスケット「鉄都割京です」、関かおり PUNCTUMUN「むくめく む」、「Moshimoshi City ~街を歩き、耳で聴く、架空のパフォーマンス・プログラム~」が並んだ。

「Moshimoshi City ~街を歩き、耳で聴く、架空のパフォーマンス・プログラム~」は、京都市内の各所を舞台に、アーティストが構想した架空のパフォーマンス作品を、“声”を通して観客が“観劇”するプログラム。参加アーティストには、岡田利規、神里雄大、中間アヤカ、ヒスロム、増田美佳、村川拓也が名を連ねている。また、「ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声」は、シャバラがリモートで筒井と共に創作。ゲストミュージシャンとしてテニスコーツが登場するほか、現在、出演者が募集されている。“等身大の巨大モグラ”によるパフォーマンス「もぐらたち」は、ケーヌの希望により、contact Gonzoとの協働作品となる。

「Super Knowledge for the Future(SKF)」では、上演プログラムにまつわる企画が行われる。さらに、“ミーティングポイント”として、ロームシアター京都 ローム・スクエアに会期中、オランダの美術家、オスカー・ピータースによる巨大な木製ローラーコースター「The Moving Mountain」が設置される。ローラーコースターでは、“作品”を載せたライダーが滑走。本芸術祭の特設ウェブサイトでは、ライダーに載せる作品が募集されているほか、ライダーを創作するワークショップも実施される。

記者から、コロナ禍で2度目の開催となる「KYOTO EXPERIMENT」への意気込みを求められると、ディレクターの川崎は「前回は、ディレクターが3人体制になって最初の回でしたが、今まで経験したことのないことがたくさん起こり、学ぶことが多くありました」と振り返り、「コロナ禍で移動の制限がある中で、国際的な要素をフェスティバルの中にどう残していくのか、今までのやり方だと難しいと感じました」と課題を語る。さらに「“プランAの代替となるプランB”を用意するのではなく、“2つのプランA”を同時に用意し成立させる、という方向に意識が向くようになり、そういった課題をアーティストの方とも一緒に考えていく姿勢に切り替わりました。そのことによって、今までにない思考の変化がありましたね」とアピールした。

塚原は、コロナ禍における国際プロジェクトについて「(アーティストが)来日できないことを想定して進んでいるものが多いのですが、パンデミックが続いているからか、アーティスト側の意識も変わってきていて。『オンラインでもできることをやりたい』と、ポジティブな気持ちで、クリエイティブに発想してくれるので、その姿勢に我々も勇気づけられています。新しいことをやるという、『KYOTO EXPERIMENT』の“EXPERIMENT(実験)”の部分を、これからどのように体現していくのか。2年目はちょっと先に進めるんじゃないかなと思っています。この“実験”がどうなるかというところを、見届けていただけたら」と言葉に力を込めた。

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」は、10月1日から24日まで、京都市内で行われる。チケットの販売は、8月10日11:00にスタート。

「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021 AUTUMN」

2021年10月1日(金)~24日(日)
京都府 ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、THEATRE E9 KYOTO ほか

「Kansai Studies」(リサーチプログラム)

リサーチメンバー:dot architects、和田ながら、今村達紀、小島寛大、川崎陽子、塚原悠也、ジュリエット・礼子・ナップ

「Shows」(上演プログラム)

ホー・ツーニェン「ヴォイス・オブ・ヴォイド-虚無の声」YCAMとのコラボレーション

2021年10月1日(金)~24日(日)
京都府 京都芸術センター ギャラリー南、大広間、和室「明倫」、制作室4 ほか

チェン・ティエンジュオ「牧羊人(ムーヤンレン)」

京都府 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

[展示]
2021年10月1日(金)、10月5日(火)~24日(日)
※1日はニュイ・ブランシュ特別プレビュー。

[ライブパフォーマンス]
201年10月2日(土)・3日(日)

荒木優光「サウンドトラックフォーミッドナイト屯」

2021年10月1日(金)~3日(日)
京都府 比叡山ドライブウェイ 山頂駐車場

ベギュム・エルジヤス「Voicing Pieces」

2021年10月7日(木)~11日(月)
京都府 ロームシアター京都 ノースホール

※ビジュアル画像のキャプションに記載されたBegum Erciyasは、「e」にウムラウト付きが正式表記。

ルリー・シャバラ「ラウン・ジャガッ:極彩色に連なる声」

2021年10月9日(土)・10日(日)
京都府 ロームシアター京都 サウスホール

参加アーティスト:ルリー・シャバラ、筒井潤、テニスコーツ

和田ながら×やんツー「擬娩」

2021年10月16日(土)・17日(日)
京都府 京都芸術センター 講堂

フィリップ・ケーヌ「もぐらたち&上映会『Crash Park: The Life of an Island』」

2021年10月16日(土)・17日(日)
京都府 京都芸術劇場 春秋座

松本奈々子、西本健吾 / チーム・チープロ「京都イマジナリー・ワルツ」

2021年10月22日(金)~24日(日)
京都府 京都芸術劇場 春秋座

鉄割アルバトロスケット「鉄都割京です」

2021年10月22日(金)~24日(日)
京都府 京都芸術センター フリースペース

関かおり PUNCTUMUN「むくめく む」

2021年10月22日(金)~24日(日)
京都府 ロームシアター京都 ノースホール

「Moshimoshi City ~街を歩き、耳で聴く、架空のパフォーマンス・プログラム~」

2021年10月8日(金)~10日(日)、15日(金)~17日(日)
京都府 京都市内各所

参加アーティスト:岡田利規、神里雄大、中間アヤカ、ヒスロム、増田美佳、村川拓也

「Super Knowledge for the Future(SKF)」

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