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大久保佳代子 (オアシズ)の 人生そろばん

私とパコ美の食生活

毎週連載

第95回

20/11/1(日)

私、自炊をするのは、基本夜だけなんです。

朝は「クッキー」など甘いモノとコーヒー程度で済ませることが多く、昼は仕事場で弁当というパターン。なので、夜、晩酌のために自炊をするだけ。基本、休肝日なく毎晩お酒を飲むので、ツマミを数品作るっていう感じです。

コロナ禍で分かったことなんですが、「最優秀食材って何?」と聞かれれば、私は迷うことなく「厚揚げ」を選びます。どうでしょう? 1か月で20枚は食べていたような気がします。厚揚げの素晴らしさを少し語らせてください。

まず、安い。正方形の厚揚げが2枚で100円程度で買えます。しかも、豆腐だからヘルシーなのに、揚げてあるからコクもあって食べ応え充分。あと味そのものは淡泊だから、どんな料理にも合います。焼いて生姜醤油とネギを乗せるだけで充分に美味しいし、小松菜と一緒に煮たりするのも良し。挽肉と一緒に味噌などの濃い目の味付けで炒めるのもボリューム感ある一品に。

厚揚げは、もっと評価されるべきだと思います。厚揚げ万歳! 死んで棺桶に入った際には、棺を厚揚げでぎゅうぎゅうにして欲しいくらい。

あと、ツマミでヒットだったのは、長年通っている美容室の美容師さんからもらったコンビーフで作ったキャベツ炒め。これがまた、有名な高級コンビーフで、調べたら1個3千円(カマボコサイズ)くらいするもので。切ろうと包丁を入れたら、その表面が真っ白になってしまうくらい脂がべったり。これをキャベツと一緒に炒めるだけで、塩コショウを一切せずとも本当に美味しくて。ビールがすすみます。

あとは、もう雑な料理ばかり。ブロッコリーを茹でたり、冷凍食品の焼売や餃子をチンしたりして。基本的にはこの程度のヘルシー晩酌です。

若い頃は、お酒を飲み終えた後に、シメのラーメンだのうどんだのを作って食べたりしていたけど、今はもう、思いもつきません。ただ、年に2度ほどベロベロに酔っ払って理性がパッカーンと外れてしまった時は、記憶がないままカップラーメンをいっちゃってたりしてますけど。家での晩酌では、理性が外れてしまうほど飲まないし、もう飲めないお年頃です。

あと本当に食べ過ぎてしまうと、翌朝、なんか体内がスッキリしてなくモッサリしている感じが不快で。軽いツマミの晩酌程度にしておくと、翌朝、適度にお腹が空いていて、身体が軽く爽快なんです。

でもって、その晩酌の相手は、お馴染みの愛犬パコ美なんですが、この子がまた何でも食べちゃう子で。晩酌時も、横にお座りをして真っ直ぐな目でずっと見てくるので、野菜や豆腐や白米などあげてしまいがちで。だから、丸太みたいに太ってしまっているのですが、間違いなく私の責任です。

たまに、犬を飼っている知り合いから「ドライフードを全然食べてくれない」とか「アレルギーがあって手作りのごはんをあげているの」という話を聞くことがあるけど、パコ美は、ドライフードだろうと道端に落ちている焼き鳥の串だろうと何でもイケる口なので全くその心配はなく。もっとデリケートで食の細い子なら、私もがんばって手作りごはんを作ったりするのだろうけど。まぁ、今のところ食欲旺盛で元気で助かります。毎食、野良犬のごとく「ガガガガガッ」とほぼ噛まずに食べている姿は、若干引いてしまうけど。

それでもたまに時間がある時は、ささみ肉やブロッコリーを茹でたりして、いつものドライフードに付け足ししてあげてます。でも、それさえも味が分からないであろう速さで「ガガガガガッ」と秒で完食するから、作り甲斐がないと言うか。

飼主に似ると言うけど、もう少し上品で繊細な子になって欲しいと思います。



構成・文:松田義人(deco)

プロフィール

大久保佳代子おおくぼ・かよこ

1971年、愛知県生まれ。相方・光浦靖子とともに、1992年にオアシズを結成。OLと並行してお笑い芸人として活動をし、2010年以降はお笑い一本に。数多くのレギュラー、連載を持つ。
http://www.p-jinriki.com/talent/oasiz/

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