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WANIMA、10カ月ぶりの有観客ライブで大切な一歩踏み出す「そこにおってくれればいい」

ナタリー

20/12/18(金) 17:08

WANIMA「Boil Down 2020」の様子。(撮影:瀧本JON…行秀)

WANIMAが昨日12月17日に東京・東京ガーデンシアターにて有観客ワンマンライブ「Boil Down 2020」を開催した。

新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を受け、過去最大規模となる25万人を動員予定だったライブツアー「COMINATCHA!!TOUR 2019-2020」の中断を余儀なくされ、全30公演中アリーナ16公演を中止したWANIMA。9月にはそのツアーのファイナル公演として、雨が降りしきる千葉・ZOZOマリンスタジアムにて無観客ライブを行い、その模様を全国286の映画館と12のライブハウスおよびライブ映像配信サービス・PIA LIVE STREAMにて生配信した。

彼らが観客を入れたライブを開催するのは約10カ月ぶり。観客同士のソーシャルディスタンスを確保し、現状を鑑みたガイドラインに沿った公演の模様は、ライブ配信プラットフォームを通じて生配信された。開演時刻になると観客が一斉に立ち上がり、手拍子をしながらWANIMAの登場を待ちわびる。会場が暗転し、このライブのために制作された新曲「Boil down」がSEとして流れる中でWANIMAは登場した。スタンドからマイクを掴み取ったKENTA(Vo, B)は「『Boil Down 2020』開催しまーす!」と叫び、それを合図に3人はライブの鉄板曲「エル」で演奏をスタート。KO-SHIN(G, Cho)は白い歯を見せながらギターを高らかに鳴らし、FUJI(Dr, Cho)は満開の笑顔で軽快なリズムを刻む。そしてKENTAは骨太なベースラインを奏でながら力強い歌声を会場いっぱいに届けた。

「ヤバい! ヤバい! ヤバいって! みんな来てくれてる! やっと開催できました!」とKENTAは客席を見渡し、「ZOZOマリンスタジアムで配信ライブをして、あのとき改めてみんなの大切さがわかった。そのうえで皆さんがいる中でのライブですから。皆さん、この場所におってくれてありがとうございます。この日を待ち望んでいました」とオーディエンスとのひさしぶりの再会を喜ぶ。そして「皆さんと少しでも新しい一歩を踏み出せたらと思います。声を出したい、ダイブしたい、モッシュしたいという気持ちはビシビシ伝わってきていますから」と大きな身振り手振りでWANIMAの演奏に応える観客の思いを受け止めた。

「Boil Down」は今回を皮切りに今後は12月恒例のライブとして行われる予定。KENTAは「このライブでは懐かしい曲もやろうと思います」と“煮詰める”というタイトルである本ライブの企画趣旨を説明し、早速ひさしぶりに披露する「いつもの流れ」を歌唱。ひさしぶりの演奏であるがゆえに歌詞が飛んでしまうというハプニングもあったが、3人は笑顔で乗り切った。気持ちよく韻を踏んでいく「ララバイ」でWANIMAは曲中に「Boil Down」というコールを入れ、観客に新しいライブタイトルを観客に強く印象付ける。そのまま「昨日の歌」へとなだれ込むと、力強いバンドアンサンブルに乗せて前向きなメッセージを観客に届けた。

楽曲リクエストのコーナーでは、KENTAがマスクを装着し、消毒液とアクリル板を持って客席へ。最前列の観客にバインダーを渡し、聴きたい楽曲をそこに書いてもらった。その間、FUJIは視聴者から届いたリクエストを確認。KENTAは観客からのリクエストを受け取ってステージに戻ると「渚の泡沫」「1CHANCE」の2曲のタイトルが書かれたバインダーを客席に向かって見せる。2曲書かれている理由をKENTAは「『いつもの流れ』ぐらい自信がなくて、ほかの曲にしてもらいました。僕が小声で『1CHANCEがいい』と言ったんですけど……」と説明。そして3人は配信視聴者からのリクエストにも挙がっていた「1CHANCE」を演奏すると宣言したあと、「渚の泡沫」をワンフレーズ歌ってから「1CHANCE」を披露した。

終盤ではこの季節にぴったりな「SNOW」も演奏された。鈴とウィンドチャイムの音色が会場に響くと、観客たちはスマートフォンのバックライトを点灯させ、その中でKENTAは今にも泣き出しそうなほど切ない歌声を会場いっぱいに響かせた。コロナ禍に制作された「大切な人たちとの大事な時間」を歌った楽曲「Milk」を熱唱したあと、KENTAは「タダでは帰さんぞ! 飛び跳ねろ!」と観客を煽り「オドルヨル」を披露。観客たちは彼らが紡ぐビートに乗って笑顔で飛び跳ねた。

KENTAは「みんな、年末の忙しい時期に集まってくれてありがとう。いろいろ生きとったら思うことがあるけれど、俺らもこれから先どんどん楽しみを作っていけるようにするし、なんとかみんなが一歩踏みとどまれるように音楽を作っていくから。苦しいこともあると思うけど、なんとか負けんように。毎日大変な日々が続くと思うけれど、そこにおってくれればいい。何かあったらWANIMAに頼ってください」と真摯に話し、「KO-SHINもおるし、サポートメンバーの藤原くんもおるし……」と冗談もはさみながら「いつでもWANIMAがついとるから、これからもWANIMAとともに生きていてください」と観客にメッセージを送る。そしてKENTAが母代わりだった祖母への思いを込めて書いた「Mom」に「シワの数だけいい女だと笑う顔が焼き付いている」「腕に書いたニコちゃんマーク 握った手は離さないから」と祖母とのエピソードを歌詞に新たに加えて歌い上げた。涙をこらえながら「Mom」を歌ったKENTAは「みんなと大切な一歩を踏み出せた気がするよ! ありがとうございました!」と笑顔を見せ、「Hey Lady」で本編を爽快にフィニッシュ。手拍子を受けて行われたアンコールでは中断されたツアーで披露していた楽曲で、3月に緊急リリースした「春を待って」、傷付いた心を盤石のロックサウンドで癒やす「HOPE」の2曲を披露した。ライブはKO-SHINの一本締めで幕を閉じ、観客たちはWANIMAのタオルを高々と掲げ3人を見送った。

またこの日のライブでは最新作「Cheddar Flavor」を引っさげた新たなツアー「Cheddar Flavor Tour 2021」が春から夏にかけて開催されることが発表された。チケット情報などの詳細は追って発表されるので、続報を楽しみにしておこう。

昨日のライブの模様は各配信サービスで12月20日(日)まで配信中。視聴チケットの購入は同日21:00までとなっているのでご注意を。

WANIMA「Boil Down 2020」2020年12月17日 東京ガーデンシアター セットリスト

SE. Boil down
01. エル
02. 雨あがり
03. いつもの流れ
04. ララバイ
05. 昨日の歌
06. 1CHANCE
07. リベンジ
08. Japanese Pride
09. いいから
10. SNOW
11. Milk
12. オドルヨル
13. Mom
14. Hey Lady
<アンコール>
15. 春を待って
16. HOPE

Cheddar Flavor Tour 2021

2021年4月28日(水)東京都 Zepp Tokyo
2021年5月11日(火)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2021年5月12日(水)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
2021年5月17日(月)熊本県 熊本城ホール シビックホール
2021年5月18日(火)熊本県 熊本城ホール シビックホール
2021年5月25日(火)福岡県 Zepp Fukuoka
2021年5月26日(水)福岡県 Zepp Fukuoka
2021年6月1日(火)愛媛県 松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール
2021年6月2日(水)愛媛県 松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール
2021年6月10日(木)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2021年6月11日(金)宮城県 チームスマイル・仙台PIT
2021年6月16日(水)愛知県 Zepp Nagoya
2021年6月17日(木)愛知県 Zepp Nagoya
2021年6月23日(水)北海道 Zepp Sapporo
2021年6月24日(木)北海道 Zepp Sapporo
2021年6月30日(水)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2021年7月1日(木)大阪府 Zepp Osaka Bayside
2021年7月6日(火)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
2021年7月7日(水)東京都 チームスマイル・豊洲PIT
2021年7月13日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
2021年7月14日(水)東京都 新木場STUDIO COAST

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