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いま、最高の一本に出会える

少女時代とRADWIMPSが競り合うALチャート 「歌唱力自慢」は評価されない時代か

リアルサウンド

13/12/18(水) 15:24

2013年12月09日~2013年12月15日のCDアルバム週間ランキング

1位:LOVE&PEACE(少女時代)
2位:×と○と罪と(RADWIMPS)
3位:A WILL(LUNA SEA)
4位:ベスト・ソングス(シェネル)
5位:WORLD WIDE DEMPA(でんぱ組.inc)
6位:ミッドナイト・メモリーズ(ワン・ダイレクション)
7位:12月の奇跡:ウィンター・スペシャル・アルバム(韓国語ヴァージョン)(EXO)
8位:PORNOGRAFFITTI 15th Anniversary“ALL TIME SINGS”(ポルノグラフィティ)
9位:L album(KinKi Kids)
10位:NEO FANTASIA(茅原実里)

 11日に発売された初登場作品が4作入った5位圏内が面白い。アイドル、ロック、ロック、R&B、アイドル。ジャケもカラフル→黒→真っ黒→ドアップ→カラフルという順番になっていて、とにかく華やかに目立っているアイドルシーンと、影の存在として意地を見せるロックバンドの対比に納得。と同時に、シーンと関係なく我が道をゆき、いついかなるときも大声で愛を、映るなら常にドアップを、というソウルディーバのポジションを思う。

 MISIAや宇多田ヒカルが登場した1998年から2000年代初頭にかけては、シェネルと同様、あるいはそれ以上の歌唱力を誇ったディーバたちが雨後の筍のごとくにデビューしていたわけだが、彼女たちの今は……。とにかく歌が上手い、ソウルフル、本場R&Bのよう、というセールスポイントがほとんどチャートに反映されない時代になっていることを今さら思い知った。

 少女時代だって歌もダンスも上手いじゃないかと言われそうだが、ノイズどころか声質の個性まで消されたようなボーカル処理は、上手いか下手かという議論をしても仕方がないだろう。圧巻の脚線美、そしてキュートもセクシーもキャピキャピも揃ったバランスの良さが魅力。これだけ全方位完璧に整えられたグループだから、AKB商法における「誰々推し」=「俺が応援してやらなきゃダメなんだ」と情緒に訴えてくるものは少ないと思うのだが、売上は129255枚と見事。約13万人は「誰推し」ではなく、ただ「少女時代の完成度が好き」なのだろうか。素朴な疑問。

 売上は一気に落ちるが、5位のでんぱ組.incは完成度云々とは対極の位置にあるアイドルグループ。どこか頼りないルックスと驚くほどコアなオタクぶりは、「俺が推さなきゃ誰が推す!」と男性を奮い立たせるに十分だと思われるが、それでも発売日に購入するのは1万4千人である。アイドル全盛期といっても、マスな完成度を求めるファンと、コアでマニアックな魅力を追いかけるファンには、まったく相容れない世界があるのだろう。

 かつてマスを制したロックバンド、LUNA SEAは13年ぶりのアルバムだ。衰えることのないエネルギー、自分たちにしか出せない完全無欠のLUNA SEA節を叩きつけ、結果が34203枚というのは本人たちにとって相当ショックではないだろうか。活動休止前はミリオンも当然だったバンド。13年の間にCDセールスの常識がどれほど変わったのか、数字が見せる現実はかくも厳しい。

 そして、その約2倍、76780枚を売り上げたRADWIMPSは13年前なら確実にミリオンセラーだった作品だ。今最も人気のあるロックバンドの力作。第一周目で8万枚弱というのは「健闘」なのか「残念」なのか、そのどちらでもあるという気分だ。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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