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齋藤飛鳥×山下美月×梅澤美波が三者三様の魅力を発揮 『映像研』でのチームワークの良さ

リアルサウンド

20/4/14(火) 10:00

 人気アイドルグループ・乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波の3人の共演で話題の、大童澄瞳氏の人気コミックの実写版『映像研には手を出すな!』(以下、映像研)。先週ドラマ版の第1話が放送され、齋藤演じる浅草氏の可愛さや、深夜ドラマとは思えないVFXの素晴らしさに多くの反響を呼んでいるが、その面白さを引き出しているのは、乃木坂トリオのチームワークの良さ。第1話を通して、それぞれが十二分に発揮した3人の魅力を考察したい。

参考:【ほか場面写真】齋藤飛鳥×山下美月×梅澤美波がアニメの世界へ

 第1話の放送で、何と言っても驚かされたのが、これまでのイメージを断ち切った全く新しい齋藤飛鳥の演技。これまで齋藤が演じてきたキャラクターは、乃木坂での自然体キャラの延長線上にある、クールビューティーな齋藤そのままの味を活かした役柄が多かった。しかし、今回演じる浅草みどりは、アニメ好きで人並みはずれた想像力を持ち、極度の人見知りという役柄で、今まで“ドS”のイメージがあった齋藤が、小動物のようにオドオドしていて、喋り方はべらんめえ口調、まるでアニメのおじゃる丸のように、語尾に「~じゃよ」がつくなどファンからしてもかなり新鮮だ。

 そうした特徴的なキャラクターに加えて、自分の好きなもの=アニメに対し、興奮してマシンガントークになる台詞回しの多さと速さも、今まで齋藤のイメージにはない演出だ。そして想像の世界を創造するときの、嬉しさが心の底から溢れ出す喜びとキラキラした目。このオタク特有の2つのギャップが浅草の魅力であることを理解し、普段の自分とは違う人格を演じきる齋藤の役の入れ込みように目を惹かれる。ただでさえ原作とアニメがあるだけにどうしても比較される難しさはある中、決してコピーにはならずに齋藤なりの浅草像をしっかりと築いているのだ。第2話では、これまたいつもの齋藤の姿からは想像がつかない、体を張ったシーンがあるようなので注目したい。

 山下美月演じる映像研メンバー・水崎ツバメは、実家はお金持ちでカリスマ読者モデルとして活躍し、校内でも有名人。アニメ好きでアニメーター志望だが、両親が俳優でツバメにも女優になることを期待されアニメ研入部を反対される中、志が同じ浅草と意気投合する。乃木坂3期生である山下は、『神酒クリニックで乾杯を』(BSテレ東)のヒロインの看護師や、『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』(テレビ東京系)で主演を務めるなど、確かな演技力で乃木坂の中でも女優枠として期待されている1人。

 今回演じるツバメ役は、表向きはこれまでの山下のイメージ通りだが、ただアニメに関しては、感情や行動がストレートで、アニメに対する情熱や、妄想を創造をするときの好奇心あふれる目は浅草と一緒なのが面白い。第1話では頬を膨らませる可愛いリアクション、浅草と無邪気にはしゃぐなどコメディ要素の高い演技や、橋から川に飛び込む体当たりのシーンなどを披露し、今まで見せてこなかった山下の魅力がツバメ役として発揮されており、ある意味本作で最も飛躍するのは彼女かもしれない。

 そして映像研の面白さの一番のキーとなっているのが、梅澤美波演じる金森さやか。浅草と同じ中学校からの同級生でいつもつるみ、アニメの知識や興味はないが、浅草とツバメの才能に金の匂いを感じ映像研を立ち上げる。妄想に勤しむ2人とは違い現実主義者で、プロデューサー的な役割を担い、原作では厳しい生徒会側と見事な交渉を見せていく。

 この役の一番の特徴と言えば、やはり高身長で頼れる存在だということ。原作の180cmはないものの、梅澤は乃木坂一番の高身長の170cm。齋藤の背が低いのでその差が際立ち、浅草からお金をしっかりせしめたり、浅草を片腕で首を絞め逃げられないようにするなど、浅草をそのクレバーさでコントロールしており、2人の凸凹な関係がとても面白い。

 梅澤は乃木坂3期生のまとめ役として知られ、ライブや舞台で見せる高身長を生かした美しく大胆パフォーマンスは、圧倒的なステージ映えを見せる格好良さだ。演技においても、『ザンビ』の記者会見の時には、共演した欅坂46の菅井友香が「自然と涙があふれてくるような、一緒に出ているのに感情移入しちゃうような演技」(引用:ステージナタリー|「ザンビ」開幕に“三坂道”メンバーが意気込み、齋藤飛鳥の映像出演も発表)と絶賛するほど。齋藤と山下という1期と3期のエースをまとめるには圧倒的な存在感がないと説得力に欠けるが、梅澤は見事にその高身長と演技力を活かし、2人をうまいこと泳がせながら時に突っ込んでいく。乃木坂ファンにとっては、大先輩である齋藤を人形のように振り回す、普段では絶対ありえない姿が面白いのだが、実際は齋藤の頭を叩くシーンには苦戦したそうで「これはすごく苦労しましたね。飛鳥さんが『気にせずやって』と言ってくださったのもありがたかったです」(引用:ザテレビジョン|乃木坂46 齋藤飛鳥、白石麻衣卒業も「乃木坂の“最強の世界”はまだまだこれから」<「映像研には手を出すな!」インタビュー>)と語っている。結局何度も先輩の頭を叩くことになったというが、そうした先輩と後輩の垣根を越えていくことで、3人ならではのチームワークが生まれてくるのだろう。

 一見真逆のタイプに見える浅草とツバメが、セッションのように最強の世界を創造していくそのワクワク感。それを暖かく見守る金森というこの構図が、本当に観ていて嬉しい気持ちにさせてくれる。女優としても三者三様の新たな魅力が見事に調和しているからこそ、『映像研』が面白いのである。 (文=本 手)

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