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稲葉友の「話はかわるけど」

目的×障害×ドラマチック【前編】

毎週連載

第111回

21/2/17(水)

いよいよ舞台本番が近づいてきて、気合が入る稲葉さん。資料として渡された本、最近見たドラマを元に、人生の目的や物語の成り立ちなどを、俳優ならではの目線で語ります。

先月「グータンヌーボ2」の収録時の話をしたが、そのオンエアを見たときの話をしよう。スタジオレギュラーの田中みな実さんが僕のことを褒めてくれたのが凄く嬉しかったから。その褒めどころが「突っ込めるね、いいね稲葉くん」というような僕の発言についてだった。嬉しかったのよ。もちろんあちら側のお仕事の中でのお言葉なのなけど、そこピックアップしてもらえると喜んじゃうというところをピンポイントでいくつか言われたのでね、編集してくださった方にも感謝ですこれは。

そして気づいたのは自分で自分のことを褒めるというのを、少しはした方がいいのかもしれない。「今の良かったな」と自分に言うのをやってみようかと。自分から様々な発信して振り返ったときは反省してへこむことが多い。上手くいったと思うことより、良くなかったと思う割合の方が圧倒的に多いのだ。それはハッピーな事柄よりもそうでないことの方が刻み込まれやすいんだと思う。だからこそ「良かった」という実感を大切にして、その理由を考えるのは意識していきたいなと。

ただ自分で良かったと思うところは周りにはそんなに刺さってなかったりもする。対外的な評価と自分の評価はイコールではないことも多々ある。

そんなことを踏まえて考えると、この「褒められたい」という願望はどう扱ったらいいのかという疑問が浮かぶ。褒めてくれと頼んで褒めてもらうこともまずない。やはり褒めはサプライズであって欲しい。そしてここまで言っておいてなんだが褒められようと思って何かをやっているワケでもない。褒められようと思ってやることなんて、たいてい褒められるもんじゃない。そのまんま「褒められようとしてやったな」という感想で終わりがち。だから「褒められたい」という欲求の満たし方は「褒められたい」を目指すべきではない。自分で褒めたとて満たされるかと言えば「良かったことが良かったと思えて、そりゃ良かったね」と、自己満足で終わる。

話しは変わって今月末から始まる舞台の台本をもらったときに参考資料として、児童養護施設を取材された方の本も頂いた。その本は目次のタイトルが子どもたちの名前、全部仮名だけど、で、内容がそれぞれの人物のお話になっている。こういう施設にこういう子がいてということが、取材した人の目線からだったり、子供の発言だったりで書いてある。その本がなんというか、内容が内容だから単に「面白かった」と言うのもはばかれるんだけど、とても興味深かく面白かった。

ざっくり言うと、そこにいる子どもたちは愛されたいんだと感じた。大人に構ってほしいし、その場にいる大人を独占したがる子もいる。大人が他の子と遊んでいると「こっちを見て!」とごねたり。言い方は難しいが、足りない何かを埋めようとしているような感じ。愛なのか構ってくれる気持ちなのか、曖昧だけど確かにあるものを必死に求めている。人間の褒められたい、認められたいという欲求は、その先にある何かを獲得したいということなのかもしれないと思った。

話は戻り、僕の褒められたいという欲求では深刻度が低いし、それだけでは人を惹きつけるエネルギーが足りない。次回はその辺りをいろいろ絡めながら書いていく、はず。それでは。

次回の更新は2月24日(水)、人生の目的って? 深堀していきます。お楽しみに!

プロフィール

稲葉友(いなばゆう)

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14~’15 EX)、『MARS~ただ、君を愛してる~』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30~16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影/奥田耕平、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴、ヘアメイク/速水昭仁、スタイリング/添田和宏
衣装協力/ジャケット¥42,000、ニットガウン¥25,000/ともにアタッチメント
リボンシャツ¥25,000、パンツ¥28,500/ともにクルニ(すべてシアン PR TEL:03-6662-5525)
シューズ¥25,000/クラークス オリジナルズ(クラークスジャパン TEL:03-5411-3055)
その他スタイリスト私物
※すべて税抜き価格

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