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Roseliaに聞く、5人の“選択”が導いた結束と成長の軌跡 現体制での再出発から最新作『Wahl』までを振り返る

リアルサウンド

20/7/23(木) 12:00

 今年に入ってアニメ3期に当たる『BanG Dream! 3rd Season』が放送され、3月にはスマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』内に新たなバンド・Morfonicaが登場するなど、ますます個性豊かなバンドが集う大ガールズバンド時代としての魅力を増している『BanG Dream!』プロジェクト。中でも、Poppin’Partyらとともにシリーズのリアルライブも盛り上げてきたRoseliaが、2年ぶりの2ndアルバム『Wahl』を完成させた。

 このアルバムは、2018年を通してメンバー交代があったバンドにとって、今の5人で初めてリリースするオリジナルアルバム。現在のメンバーでリリースしてきた楽曲や新規楽曲に加えて、過去の楽曲も現メンバーのコーラスで再録され、これまでのRoseliaの歩みと、これからに向けたRoseliaの歩みとがどちらも感じられるような作品に仕上がっている。

 メンバー5人に、この2年間の歩みや、アルバムの内容について聞いた。(杉山仁)【最終ページに読者プレゼントあり】

色々なことがあったけど、何かがすごく変わったという感覚はない(工藤)

【試聴動画】Roselia 2nd Album「Wahl」(7/15発売!!)

ーーまずは2018年の1stアルバム『Anfang』リリース後から、現在までの活動を振り返ってもらえると嬉しいです。Roseliaはこの2年の間にメンバー交代を経験し、今の5人が揃うことになりました。あの当時、みなさんはどんなことを感じていましたか?

相羽あいな(以下、相羽):たとえば、中島さんが初めてステージに出た『BanG Dream! 5th☆LIVE Day2:Roselia -Ewigkeit-』(2018年5月)のときは、あの場だからこそのステージができたと思いますし、ファンの方もリアクションを返してくれたことが、すごく嬉しかったです。不安がなかったといったら嘘になるんですけど、でも、「絶対に何とかしてみせる!」という結束力も強かったステージだったのかな、と思います。

ーーバンドは人が集まって成り立つものなので、メンバーが変わると、変化することも出てきますよね。

工藤晴香(以下、工藤):ただ、ありがたいことに、私たちの場合は「キャラクターありき」で声優としてバンドをしているので、メンバーが変わっても今井リサは今井リサだし、白金燐子は白金燐子のままなんです。なので、そこまで何かが大きく変わったような感覚って、実はなかったりもして。中島さんも志崎さんも役者としてリサと燐子に大切に向き合ってくれているので、この3年で色々なことがあったとはいっても、何かがすごく変わったということはないんです。「相変わらずRoseliaのままだな」というのが、一番感じていることだったりするんですよ。

櫻川めぐ(以下、櫻川):キャラクターとしての5人も、私たち声優5人の関係性も最初から変わっていません。5人でいることが楽しくて、みんなが大好きで。演奏していても、お互いに何を考えているかがすぐに分かりますし、私が疲れていたら、みんながこっちを見て心配してくれたりもするんです(笑)。

ーー演奏で会話ができるような関係性なんですね。

櫻川:普段から当たり前のようにみんなで一緒にいますし、ステージでは成長していきたいと思っていますけど、その関係性は全然変わっていないというか。

相羽&工藤:うん、全然変わってない。

ーー中島さんと志崎さんは、はじめたばかりの頃は大変だったんじゃないですか?

中島由貴(以下、中島):でも、私たち2人が溶け込めるように、3人が空気感をつくってくださっていたんです。最初は、年齢も少し離れているので、「仲良くできるかな」と、周りの方が心配してくれていたんですけど、私たちは何も心配することなく溶け込むことができました。

櫻川:それは2人が最高だからじゃない? うちらは何もしてないよ!

工藤:それ!!

相羽:本当に何もしてないんですよ(笑)。

ーーいいチームですね(笑)。

相羽:2人は覚えなければいけない曲数も多くて、大変だったと思います。でも、日本武道館のワンマンも迫る中で必死に頑張る姿を見て、「すごいな」と思って。本当に感謝しています。

櫻川:それを見て、うちらの気持ちも高まったよね。(2018年11月、最後にバンドに加入した)のんちゃん(志崎)も、本当に死ぬ気で頑張っていたと思いますし……。

工藤:もともとメンバーが代わるときに、スタッフの方からは「すぐにライブはできないかもしれない」と言われていたんです。まずは小さいファンミーティングのようなイベントからはじめて、しばらく時間をかけてワンマンライブかな、という話になっていて。でも、2人が頑張ってくれたおかげで、すぐにライブができた感覚でした。2019年2月のTOKYO MX presents「BanG Dream! 7th☆LIVE」DAY1:Roselia「Hitze」で日本武道館に立てたのは、2人も本当にそうですし、メンバーみんなが頑張ってくれたおかげだな、と思います。

ーーRoseliaの場合は楽曲がテクニカルなので、演奏を形にするのもきっと大変ですよね。

志崎樺音(以下、志崎):でも、本当にみなさんが支えてくれて。フルメンバーでの初ライブになった日本武道館のときも、すごく緊張していたんですけど、「こんなふうに盛り上げていくんだよ」と教えてくださったり、個別にスタジオに入って教えてくださったりしたんです。そういう支えがあったからこそやって来れたんだな、と思います。

ーーみなさんで個人練習をしていたんですか?

相羽:結構やっていましたね。

櫻川:コソ練をたくさん、ね(笑)。普段はテックさんをはじめ色んな人たちがいる中でスタジオに入っているんですけど、やっぱり、全体の練習だけでは時間が足らなかったので、メンバーだけでスタジオを予約して、そのときに入れるメンバーだけで集まっていました。とは言っても、終わってから行く焼肉の時間の方が長かったんですけど……(笑)。

工藤:休憩時間にお店を予約して、「これで頑張れる!」って(笑)。

『BanG Dream!』は全部が円になっている(工藤)

【公式ライブ映像】Roselia「R」/TOKYO MX presents「BanG Dream! 7th☆LIVE」

ーー(笑)。中島さんと志崎さんは、Roseliaの活動をはじめて以降、『BanG Dream!』シリーズの魅力を実感する瞬間も多かったんじゃないですか?

中島:かかわる前は、ゲームもアニメもあって、「ライブでは本当に楽器を弾いているんだ!」という驚きがあったんですけど、実際にかかわっていく中で、バンドのカラーがはっきりと分かれているのが本当に魅力的だと思いました。色んなバンドのイベントストーリーを読んだり、曲を聴いたりしていても、バンドの魅力がそれぞれに個性的で。誰しも推しのグループができる、好きになれるバンドができるのが、すごくいいな、と思います。

志崎:リアルライブと、アニメやゲームの流れやストーリーがお互いに紐づいているのも、新鮮でした。そこを面白く感じてくれているからこそ、『BanG Dream!』にみなさんがついてきてくださっているのかな、と、ライブをするにつれてどんどん実感しています。

ーー実際、アニメの『BanG Dream! 3rd Season』の武道館でのライブシーンは、日本武道館で行なわれたリアルライブのTOKYO MX presents「BanG Dream! 7th☆LIVE」を思わせる雰囲気でした。

相羽:あのシーンに関しては、アニメのスタッフさんがリアルライブの映像をよく観てくださっていたみたいで、『7th☆LIVE』と同じセンターステージを表現してくださったり、私は(湊)友希那の動きをモーションキャプチャーでやらせていただいたりもして。「リアルに近づけたい」というこだわりを感じて、「私たちもさらに頑張らなきゃ!」と思いました。

櫻川:『BanG Dream!』という大きなプロジェクトみんなでつくっているんだな、と改めて感じられるような映像でしたよね。

相羽:逆に、アニメでやっていることをリアルライブで取り入れることもあって、たとえば「BRAVE JEWEL」のサビで背中合わせでギターとベースを弾いているのは、『BanG Dream! 2nd Season』OPの「BRAVE JEWEL」で、(氷川)紗夜とリサが背中を合わせて演奏しているのを再現したものでした。

【公式】Roselia「BRAVE JEWEL」ライブFull映像【Poppin’Party×SILENT SIREN 「NO GIRL NO CRY」DAY1】

工藤:結成当初は、私たち自身もキャラクターについて知っている情報が少なかったんですけど、セリフなどを通して、「ああ、この子はこういう性格なんだ。だからこんなこと言うんだ」と色々なことを吸収して。私たちがステージでもそれを見せていくと、それをまたアニメサイドの方々が参考にして、生かしてくれるんです。なので、色んなことがシリーズの中で循環している、それがひとつの円になっているようなプロジェクトだな、と思います。声優の仕事は演じることなので、作品によっては頂いた内容をそのまま表現することもあって、それももちろんエンターテインメントとして間違っていないと思うんですけど、『BanG Dream!』は「全部が円になっているんだな」と、すごく感じますね。

(アメリカの)ステーキハウスで私が携帯電話を落としたんだ……!(相羽)

ーーでは、これまで活動してきた中で、みなさんそれぞれに印象的な思い出というと?

相羽:ライブだと、ひとつを選ぶのはすごく難しいです。初めて尽くしを乗り越えたという意味では、初の富士急ハイランドでのワンマンライブで、初の野外公演で、初の2DAYSだった『「Flamme」/「Wasser」』がありましたけど、それぞれのライブに課題があって、達成感ではひとつを選べないんです。なので、ライブ以外のことにしようと思うんですけど……。

櫻川:分かった! 私は前乗りのときや、ライブ滞在中のホテルですね。昨年末の『Roselia×RAISE A SUILEN合同ライブ「Rausch und/and Craziness」』のDAY1とDAY2の間も、次の日も公演があるのに、メンバーで集まって夜遅くまで語り合いました。

相羽&工藤&中島&志崎:あー!!

相羽:花火を見たのもそのときだっけ?

工藤:いや、あれはアメリカ(『CharaExpo USA 2019』出演時)!

櫻川:私たち、アメリカでもお肉を食べようとしていたんですけど(笑)、お店を予約してから時間があったので、「めぐちぃの部屋に招待しまーす!」って、みんなを私の部屋に呼んだんです。そしたら、ちょうどそのときにカリフォルニア ディズニーランド・リゾートの花火が上がって、ホテルの部屋からみんなで観た、という最高の思い出があるんですよ。

工藤:ちなみに、そのあと向かったステーキハウスでは、近くの席の人がプロポーズをしてました。成功して、周りのお客さんたちも「フー!!」って盛り上がっていて。

櫻川:あった! 周りの席の子どもたちもめちゃくちゃ盛り上がっていたよね。

相羽:そして、そのステーキハウスで、私が携帯電話を落としたんだ……!

中島:(笑)。急に「携帯がない!」という話になって。

相羽:「アメリカなのにどうしよう!!」って(笑)。

工藤:それで、のんちゃんがあいあいの携帯に電話をかけてみたんですけどーー。

志崎:「Hello, Hello……?」って、現地の方が出たんです(笑)。

工藤:それで、「こいつが盗んだんだー!!!!」って。

ーー拾ってくれたのに(笑)。

工藤:(笑)。あいあいが受け取りに行って、その方と握手して帰ってきました。

志崎:それは確かに、一番印象に残っていることかも(笑)。

中島:打ち上げでディズニーランドに行ったり、みんなでUSJに行ったりもしましたね。

相羽:そういえば、初めて、大阪のUSJでセットリストを決めました。確か、USJの手前にあるハードロックカフェで。

櫻川:そうそう。でもそのとき、私たちは書くものを持っていなくて……。

志崎:最初、ティッシュに書こうとしていたんです(笑)。

櫻川:それを見たウェイトレスのお姉さんが、紙とペンを貸してくれました(笑)。

櫻川さんのドラムが目に見える形で進化している(志崎)

志崎:私は、富士急ハイランド・コニファーフォレストで開催したライブの幕間映像の撮影で『戦慄迷宮』に入ったことも印象的でした。私がくどはるさんと2人で入って、他の3人が一緒に入ったんですけど、別々に入っていて時差もあるはずなのに、3人の声がすごく聞こえてきて。それが一番怖かったです(笑)。あいあいさんが叫んでいて、めぐちぃさんが大笑いする声が聞こえてきて、カオスでした(この模様は、2nd Album『Wahl』のBlu-ray付限定生産盤『「Flamme」/「Wasser」』ライブ映像に収録)。

ーーそういうことなどを通しても、結束が深まっていったと(笑)。

相羽:そうですね。お化け屋敷で精神的に追い詰められたことによって、結束力がーー。

工藤:何?(笑)。

相羽:結束力が強まりました。

中島:(『戦慄迷宮』で)下しか見てなかったじゃん!!(笑)。

ーー面白い話をたくさんしてもらったので、真面目な話も聞かせてもらいたいんですが、お互いにプレイヤー/声優として、成長や進化を感じるような瞬間はありますか?

工藤:それはたくさんありますね。

志崎:櫻川さんのドラムが、目に見える形でどんどん進化していっているのもそうですよね。

相羽:「ボリュームのつまみを思いきり上げたのかな?」と思うほど、以前よりもドラムの迫力がすごく上がっているんですよ。

工藤:分かる。音圧がめちゃくちゃ上がっていて。

ーー実際にライブを観させてもらっても、Roseliaの演奏はどんどんどっしりとしてきている印象があるんですが、そこには櫻川さんの進化も関係しているのかもしれないですね。

工藤:そう思います。ドラムの音が上がると、みんなの音も自然とが上がっていきますし。あとは、アルバムには収録されていないですけど、「Blessing Chord」(『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』で配信中のオリジナル曲)も印象的でした。「FIRE BIRD」や「BRAVE JEWEL」でも、楽器隊もメインメロディで参加して、みんなキャラクターを意識して歌っていますけど、「Blessing Chord」はーー。

相羽:歌詞割りも新しかったですし、Roseliaの表現力が爆発した曲だと思っているんです。

櫻川:今までは、「サビだけ」「一部だけ」という雰囲気だった楽器隊の歌が、この曲ではAメロからずっとみんなで歌っていて、サビの友希那さんに繋げる形になっていて。初めて聴いたときに感動して、「Roseliaって表現力おばけじゃない?!」とみんなに言ったんですけど……。誰も聞いてませんでした(笑)。

相羽:いや、聞いてたよ!(笑)。

工藤:(笑)。よりそういう存在になれたのかな、と思えた曲ですね。

中島:レコーディングのときはいつも、各々がキャラクターをイメージしながらひとりずつ歌っていくので、今までは、全員の曲に対するイメージが合致していないこともあったんです。でも、「Blessing Chord」はゲーム内のお話でもウエディングイベントの歌、という分かりやすいテーマがあって、みんなのイメージがさらにマッチしたような気がしました。

相羽:あとは、みんなそれぞれ知識がついてきたりもしていて、工藤さんだったら、機材にもどんどん詳しくなっていますし、タッピング奏法をするような曲が増えているのも、その成長を作曲チームのみなさんが反映してくださっているからなんだろうな、と思います。実際、ギターソロもどんどん難しくなっていると思うんですよ。

工藤:確かに、曲はどんどん難しくなってきていますね。いつも曲をつくってくださる方々が毎回ライブを観てくださっていて、「成長したね。じゃあ、次はこんな感じのフレーズも弾けるんじゃない?」と、曲ごとに試練を与えてくれていて。これは全員そうだよね?

櫻川:うん。ライブ後は毎回その話になります。

工藤:「それをみんなで乗り越えていく」というのは、いつも感じることですね。

(キャラクターは)家族、魂、運命共同体(櫻川)

ーーもともとテクニカルな楽曲が、さらにテクニカルになっていく、と。

櫻川:でも、そうやって練習していくのが楽しいんです。時間がかかる曲があっても、出来ると嬉しいし、メンバーもそれに気づいてくれますし。だから頑張る、という感覚ですね。

中島:さっき話していた焼肉のときにも、みんなで「あれをしたい」「これをしたい」という話になることがあって、そこで各々のモチベーションが上がったりもしています。

ーー今のRoseliaの活動の中で、みなさんが大切にしているのはどんなことですか?

工藤:何でしょうね……? でもやっぱり、我々はリアルバンドのRoseliaとして演奏していますけど、Roseliaには2次元のキャラクターもいて、その5人のことは本当に大切です。

相羽:それはそうね。リスペクトもしていますし……。

工藤:神でもあって、最高の親友でもあって。

櫻川:家族、魂、運命共同体でもあって。

工藤:そんなふうに、上手く言葉にはできないんですけど、すごく大切な存在ですね。

ーーその部分が最初からブレていない、ということですね。

工藤:そうですね。そこはスタートからずっとブレてないのかな、と。

櫻川:でも、だからといって、キャラクターへの気持ちだけで私たちが繋がっているかというと、それも違って、メンバー全員が大切で。声優をやっていると、『BanG Dream!』以外でも、自分が演じるキャラクターに対しては同じように親友だったり、分身だったりするような気持ちを感じるんです。Roseliaも声優がやるバンドならではの感覚で、自分たち5人だけではなく、キャラクターたちも乗っかった心で演奏できているのかな、と思います。

それぞれの曲にストーリーがあって、それぞれに想いが詰まっている(相羽)

【CM】Roselia 2nd Album「Wahl」LIVE ver.

ーーそして今回、今のメンバーになって初めてのアルバム『Wahl』がリリースされますね。この作品についても、色々とお話を聞かせてもらえると嬉しいです。

相羽:『Wahl』という言葉には、ドイツ語で「選択」という意味があるんですけどーー。

中島:(洗濯物を洗うジェスチャーをしながら)……洗濯ですか?(笑)。

相羽:そっちじゃなくて、選ぶ方の「選択」ね(笑)。今回のセットリストもそうですけど、「自分たちが選んできたものがあるから、今の私たちがある」という作品になったんじゃないかと思います。それぞれの曲にストーリーがあって、それぞれに想いが詰まっていますし、テンポ感もハードなものからミドルなものまで、すごく幅広い作品になった気がします。

工藤:それに、今の5人になる前にリリースされていた曲も、新メンバーでコーラスを録り直しているので、色んな意味でほとんど新曲と言えるかもしれません。

ーー中でも、今回の収録曲でみなさんがお気に入りの曲というと?

Roselia「Avant-garde HISTORY」

工藤:私は、「Avant-garde HISTORY」ですね。今までRoseliaのほとんどの曲は友希那ちゃんがつくっていましたけど、この曲は私が演じる氷川紗夜ちゃんが初めて作曲した、色んな葛藤を乗り越えてRoseliaとして進む覚悟が詰まった曲で。これまで紗夜を演じてきて、スタッフさんとも「紗夜って何でギターをはじめたんですか?」「紗夜って、どんな音楽が好きなんですか?」と、まだ答えは出ていないんですけど、色々とお話をしてきた中で、この曲を聴いたとき、「ああ、この子はこういうものが好きなんだな」と、その片鱗が見えたような気がしました。

ーーこれまでの楽曲以上に、ライブで演奏するのが難しそうな曲ですね。

工藤:確かに、すごく難しそうですよね。

相羽:ね! 本当に難しそう。

Roselia「約束」

中島:私の場合は「約束」です。この曲は、ゲームをやってくださっている方には直球の曲だと思うんですけど、やっぱり、「選択」という意味でこの楽曲が出来上がっていると思うと、すごくエモいな、と思うんです。ゲームの中で、初めてリサと友希那の子供の頃の回想シーンが出てきますけど、2人の絆のようなものが入っている曲というか。リサが作詞をした曲でもありますし、その言葉の選び方も、2人の思い出に突き刺さっている選び方がされているので、もちろんどの曲も大切ですけど、キャラクター的に最も大切な曲なのかな、と思います。2月のRoselia「Rausch」で演奏したときも、演奏しながら友希那とリサの映像が見られて、一体感があった曲でした。

Roselia「FIRE BIRD」

櫻川:私は「FIRE BIRD」ですね。この曲は今回映像作品がついてくる富士急ハイランド・コニファーフォレストでのライブで初めて披露させていただいた曲ですけど、当時の私にとって一番難易度の高い曲で、ものすごく練習しました。ドラムをはじめた当時の「LOUDER」(Roseliaの最初期の楽曲のひとつ)に出会った時と似ていますね。1曲叩いたら、休憩をもらわないと何もできないような、命がけで叩くような曲でした。みんなにとっても技術的に難しい曲だったと思うので、最初は上手く合わせられなかったりもして。練習していく中でそれが徐々に合っていって、3~4mもある火柱と一緒に披露できたことも、5人で演奏しきれた経験も、格別でした。

「Song I am.」は、みんなネタバレなしで聴いてくれ……!(中島)

志崎:私は、やっぱり「R」ですね。

櫻川:出た!のんちゃんの「R」好き(笑)。

Roselia「R」

志崎:私にとっての「R」は、Roseliaの「R」のイメージで、〈未来永劫/咲き誇るのよ〉という歌詞も含めて、Roseliaの強さや美しさが凝縮されていると思うんです。メンバーのソロ回しもありますし、演奏していても、みんなの個性やよさが伝わる曲だな、と思います。

Roselia「Song I am.」

相羽:私は「Song I am.」ですね。『Wahl』というアルバムの中でも、Roseliaの「選択」という雰囲気もある、Roseliaの色んな想いが詰まっている曲。このアルバムの最後に相応しい曲なのかなと思います。

中島:「Song I am.」は、みんなネタバレなしで聴いてくれ……!(笑)。最後まで聴いてから、歌詞を見てもらえると、「うわぁ!!」という気持ちになるんじゃないかと思います。

ーーフル尺の最後の部分ですね。これはファンの方にとってもたまらないんじゃないかと思いました。

相羽:私もフル尺の歌詞をいただいたときに「ああ……!」という気持ちになりました。2次元のキャラクターとしてのRoseliaのストーリーがある中で、この1曲にその大切なものが詰まっているな、って。新曲でありつつも、懐かしいところもあったりするんですよね。

中島:それ以上はダメですよ!(笑)

ーー5月のメットライフドームでのライブがコロナ禍を受けて延期になるなど、今は時勢柄自由に活動ができない部分もあるかもしれませんが、こうしてアルバムがリリースされる今、みなさんはRoseliaの今後の活動について、どんな気持ちでいますか? 

相羽:今はとにかく、Roseliaとしてできること、表現できることを、今できる形でお届けしたい、と思っています。ライブ会場でライブをすることはなかなか難しい状況になってきていますけど、それができる日がいつ来てもいいように、心は通わせておこう、と思っていて。行けるようになったら、「色んな場所にライブをしに行きたい!」って思います。

工藤:みんなに会いにいきたいよね!

相羽:ね! 今回、その気持ちがさらに強くなりました。みなさんが待ってくれている限り、私たちもそこに行きたいですし、お互いに「会いたい!」と思っているのに会えない中でも、今回のアルバムを手に取ってもらえれば、私たちはそこにいるので。今回限定生産盤に収録されている富士急ハイランド・コニファーフォレストでのライブは、私たちにとってとてもターニングポイントになったライブですし、会えなくて寂しいと思ってくださる方は、過去の映像も含めて、色んな私たちを観てくれると嬉しいです。それに、私たちの分身はスマホ(ゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』)で毎日会えるので。会ってくれたら嬉しいです。私自身、辛いときにこそエンタメが近くにありましたし、みんなもきっとそうじゃないかな、と思っているので……。そのときが来たら、みなさんに会いに行きたいですし、みなさんもぜひ会いに来てください!

Roselia『Wahl』

■リリース情報
2ndアルバム『Wahl』
発売日:2020年7月15日(水)
<定価・品番>
Blu-ray 付生産限定盤:¥10,000+税
通常盤:¥3,200+税
収録内容等そのほかの詳細はこちら

BanG Dream!(バンドリ!)公式サイト

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