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最果タヒがX・ドラン『マティアス&マキシム』に寄せて新作を書き下ろし

CINRA.NET

20/8/28(金) 17:00

最果タヒ『傷痕』

最果タヒが、グザヴィエ・ドラン監督の映画『マティアス&マキシム』の公開に寄せて書き下ろした新作『傷痕』が発表された。

『第72回カンヌ国際映画祭』コンペティション部門に出品された同作は、ドラン監督が『君の名前で僕を呼んで』に感銘を受けてメガホンを取ったという作品。30歳で幼なじみのマティアスとマキシムが、友人が撮る短編映画で男性同士のキスシーンを演じたことをきっかけに、秘めていた互いへの気持ちに気づき始めるというあらすじだ。『トム・アット・ザ・ファーム』以来、約6年ぶりにドラン監督が役者として自身の作品に出演しているほか、ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス、ピア・リュック・ファンク、ハリス・ディキンソン、アンヌ・ドルヴァルらが出演。9月25日から公開される。

最果タヒは同作について「わたしはこの映画が好きです。大好き。でもこの映画が素晴らしいとか、良い作品だとかそういうことは言いたくなくて、そういう『評価をする』という行為がこの映画を見終わったときのわたしの気持ちをぐちゃぐちゃに踏みつけてしまうと感じている。ドランの表情は、人間の顔が、決して何かを伝えるためだけにあるのではないことを教えてくれる。その奥にあるものがなんなのか、はっきりと知ることができないそうした表情が、唯一、感情そのものとして映像の中に残ることができる。きっと。そう思う。わたしはこの作品に宛てて詩を書くことになっていて、映画を見終わったときにそれが嬉しくて、でも、とても困りもした。二人について詩を書く時間は、けれど、やはり幸福でした。繰り返し二人を思い出しながら書くことで、自分も傷ついたし、それでいて自然と祈るような心地がしました。それは多分、映画の中にすでにあった祈りなのだと思います。こんなにも好きな映画に出会えてよかったです。上映を心から楽しみにしています」とコメント。

最果タヒの詩『傷痕』は、本日8月28日から東京・渋谷PARCOのO by New Jewelryで展示。デザインは佐々木俊が手掛けた。店頭では商品の全購入者に『傷痕』をあしらったポストカードをプレゼントする。
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