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「ある日本の絵描き少年」川尻将由の初長編作が始動、2022年の完成目指す

ナタリー

21/4/27(火) 12:00

「CHERRY AND VIRGIN」イメージポスタービジュアル

短編アニメーション「ある日本の絵描き少年」で知られる川尻将由の商業デビューとなる初長編作「CHERRY AND VIRGIN」が2022年に全国公開される。

川尻が2018年に発表した自主制作の短編アニメ「ある日本の絵描き少年」は、第40回ぴあフィルムフェスティバル準グランプリ、第23回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞など数多の受賞で注目を集めた。新たに川尻が挑む「CHERRY AND VIRGIN」は普遍的なラブストーリー。女性に免疫がないエロマンガ家の遼と、腐女子で現実の男性にいい印象を持たない亜美が偶然出会い、他者と交わって生きることの苦しさや愛おしさを知っていくさまを描く。

本作では「ある日本の絵描き少年」と同様に、実写映像素材をベースにしてアニメーションを制作する手法“ロトスコープ”が採用される。ロトスコープ用の撮影に参加した大門嵩が遼、清瀬やえこが亜美の声をそれぞれ担当。「百円の恋」「アンダードッグ」のプロデューサー・佐藤現が川尻とともに企画を立ち上げた。

川尻は「主人公たちは可能性を秘めたキラキラしている10代の男女ではなく、疲れたアラサーであり、遅れてきた青春をつかもうとする姿は痛々しく滑稽で、同情と批判のいりまじる少し居心地の悪いドラマが続く作品です。しかしその物語に内在する『男女の性差』『夢と現実』『自己実現と自己探求』といったテーマを語るための映像表現は、とても新鮮で豊かなものになっております」と本作の完成に向けて意気込みを伝えた。

MotionGalleryでは、2022年春の完成を目指す「CHERRY AND VIRGIN」のクラウドファンディングが本日4月27日にスタート。集まった資金は公開に向けて国内外での宣伝などに費やされる。またイメージポスターとイメージボードビジュアル集も解禁に。YouTubeでは文化庁の支援に際して作られた本作のPVや、「ある日本の絵描き少年」の本編も無料公開中だ。

さらに川尻の才能に注目する国内外の映画人からの応援コメントも到着。同様にクラウドファンディングを通してアニメーション映画「音楽」を制作した岩井澤健治は「川尻監督作品からは商業ベースで作家主義を貫ける可能性を感じます。新作が新しいアニメーション表現による映画体験になることを期待しています!」と述べている。

岩井澤健治(アニメーション映画「音楽」監督)コメント

川尻監督作品からは商業ベースで作家主義を貫ける可能性を感じます。
新作が新しいアニメーション表現による映画体験になることを期待しています!

大九明子(映画監督)コメント

(「ある日本の絵描き少年」を観て)
しんじ君が公園で覆面を剥がした瞬間、私はとても悲しくなった。あの二人には幸福だらけでいてほしかったんだと思う。泣いたり笑ったりしっかりエンターテイメント。
それはまさに、映画でした。

足立紳(脚本家・映画監督・小説家)コメント

川尻将由監督の「ある日本の絵描き少年」を観たのは、昨年春の最初の緊急事態宣言のときだった。
好きな映画さえも見る気になれない、重い気持ちの日々だったから、20分という短い時間ならと思って見た。
一瞬のようにも、とてつもなく長くも感じた濃厚なその20分の間、現実を忘れ、終わった時には現実に立ち向かう力が漲っていた。家族全員に無理やり見せた。
その川尻監督が初めての長編映画を制作されるということで、きっと「ある日本の絵描き少年」を観た人たちは全員が楽しみにしていると思う。ご覧になっていないかたはユーチューブですぐ見られるので是非観て頂きたい。川尻監督の長編映画を絶対に観たくなると思います。

カズ・ワタナベ(JAPAN CUTS ~ジャパン・カッツ!副ディレクター)コメント

川尻将由さんが新しいプロジェクトを準備していることを知り、とてもワクワクしています。私は、彼の短編映画「ある日本の絵描き少年」をとても好きです。アニメーション、映画制作、ストーリーテリングに対する彼の計り知れない創造性と才能を示している作品です。2019年にジャパン・カッツでこの作品を上映できたことをとても誇りに思います。彼が次に何をするのか、楽しみです。

ルパート・ボッテンベルク(ファンタジア国際映画祭アクシス部門ディレクター)コメント

川尻将由監督の思慮深く革新的な短編映画「日本のある絵描き少年」を選んだことは、プログラマーとして最も満足のいく選択でした。この作品では、語り手の人間的な成長と主人公の創作が成熟していく様子が、非常に卓越した説得力のあるやり方で並行して描かれ、観客を予想外の感動的な結末へと導いてくれます。この有望な才能からもっともっと作品が生まれることを期待するばかりです。

アリエル・エステバン・ケイヤー(ファンタジア国際映画祭アジア・プログラミング共同ディレクター)コメント

コンセプチュアルな短編作品「ある日本の絵描き少年」の万華鏡のような多面的なアニメーション・スタイルを通してわかることは、川尻将由監督が、多様なスタイルや様々な時代のアニメをよく勉強していること、そして一人のアーティストの進化をよく見ていることです。そして彼自身が最も有望な若手作家の一人であることを証明しました。彼の今後の作品に期待したいと思います。その作品は、スタイル的にも、感情的にも、知的にも、野心的なものであるべきです。

(c)2022東映ビデオ

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