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自分の“主権”を取り戻す物語、gekidanUの回遊公演「リアの跡地」南千住で開幕

ナタリー

弔EXPO'21 gekidanU 回遊公演「リアの跡地」より。(撮影:佐々木啓太)

gekidanUの“回遊公演”「リアの跡地」が、本日7月31日に東京・南千住で開幕する。

gekidanUは、2012年の結成以来、野外劇や住宅を使用した公演を中心に活動している団体。近年は毎年夏に野外演劇フェス「弔EXPO」を開催している。今回は南千住の街と東京・南千住gekidanU野外劇場を使った“回遊公演”。観客は東京・南千住駅の南口に集合し、俳優やスタッフと共に移動しながら観劇する。

「リアの跡地」では脚本・演出をヒガシナオキ、葭本未織が担当し、荒川区南千住を舞台にシェイクスピア「リア王」をモチーフとした物語が展開。1960年に上京してきた少年は、橋向こうの足立市場の商店で小僧として働き始める。養子として先代の後を継いだ彼は、小さな商店街と住宅街が交わる一角に、立派な3階建ての一軒家を建てた。三姉妹は、売れば1億円はくだらない家と土地を父親から引き継ぐことになり……。

葭本は本作について「この演劇は、自分の体、つまり身心の選択と生存に対する『主権』を取り戻す物語です」と語り、「むつかしい世の中ですが、この作品がわたしにとって、そして皆さんにとって自己決定権を取り戻す一端になれば。夏の南千住を舞台に巻き起こる『家族』の物語を、どうぞお楽しみください!」とメッセージを送った。

上演時間は約1時間20分から30分程度を予定している。公演は本日7月31日と明日8月1日、7日から9日にかけて行われる。なお映像鑑賞券も用意されており、視聴料金は税込1000円。購入者には8月下旬に、別日に収録された映像作品が送付される予定だ。

葭本未織 コメント

この演劇は、自分の体、つまり身心の選択と生存に対する「主権」を取り戻す物語です。「リア王」を読んだ時、「なぜリアは娘たちに美辞麗句を求めたのか」疑問に思いました。考えた末に生まれた仮説は、「リアは老いて自分の体がうまく動かなくなったからこそ娘たちを、自分の体の一部である娘たちを、まだ自分の思う通りに動かせるかどうか試したんじゃないだろうか」。

今、似たようなことが起こっているなとテレビを見ながら思います。むつかしい世の中ですが、この作品がわたしにとって、そして皆さんにとって自己決定権を取り戻す一端になれば。

夏の南千住を舞台に巻き起こる「家族」の物語を、どうぞお楽しみください!

弔EXPO'21 gekidanU 回遊公演「リアの跡地」

2021年7月31日(土)・8月1日(日)、 7日(土)~9日(月)
東京都 南千住gekidanU野外劇場 ほか

脚本・演出:ヒガシナオキ、葭本未織
出演:市川賢太郎、市原ユウイチ、大城雪姫、鏡原すず、小泉眞琴、高山五月、森谷美月 / 森下凜央、ヒガシナオキ

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