「2020年 第94回キネマ旬報ベスト・テン」の表彰式が本日2月4日、東京・Bunkamura オーチャードホールで開催され、助演女優賞を受賞した蒔田彩珠と、助演男優賞を獲得した宇野祥平が登壇した。

河瀬直美の監督作「朝が来る」で、実の子を育てることができなかった少女・片倉ひかりを演じた蒔田。トロフィーを手にし「撮影をしていたときは、まさかこんなに評価していただけるとは思っていなかったので、今とても幸せです。これから先ももっとたくさんの作品に携わって、人としても俳優としても成長していけたらと思います」とコメントした。河瀬組では、登場人物たちが経験したであろうことを役者に体験させる“役積み”という機会が設けられており、蒔田も川瀬の母校である中学校に実際に通ったという。蒔田は「実際に中学生として友達や家族との時間を過ごし、役を積む時間があったからこそ、ひかりの身に起きた出来事の重みを感じることができました」と述べた。

МCの笠井信輔が河瀬の印象を問うと、蒔田は「つらい撮影ではあったんですが、監督の厳しさが人としても俳優としても成長させてくれたと思いました。（河瀬は）作品に対してもキャストに対しても愛情深いのでみんなついていこうと思う方です」と説明した。

宇野は冒頭、自身が出演した「罪の声」「本気のしるし 劇場版」「恋するけだもの」「37セカンズ」「星の子」 のタイトルを1つずつ挙げ「この5作品で受賞できたことを大変光栄に思います」と話し、各作品の監督や関係者たちへの感謝を口にする。「うまく言えないんですが、映画があったから大人になれた気がするし、映画によってこの仕事をすることができています。本当に支えてもらっている方々と出会えたので、映画のおかげで救われて、今ここに立たせてもらっているという思いです」としみじみ語った。

「もう100本以上の映画にご出演されていらっしゃると思いますが、まだこれをやってみたい、こんな役を演じてみたいという希望はありますか？」という笠井の質問に、宇野は「こういう役がやりたい！というのはなかなか思い付かないんですが、お話をいただいて発見することが多いです。自分にこういう一面があるんだと気付くことが楽しいですね」と答えた。

「キネマ旬報ベスト・テン」は、1924年度に当時の編集同人の投票によってベストテンを選定したことを発端とする映画賞。なお映画ナタリーでは表彰式の模様を引き続きレポートする。

※河瀬直美の瀬は旧字体が正式表記