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日向坂46、オードリー若林を魅了した“伝説の舞台”『あゆみ』とは? 今もなお語り継がれるグループの原点

リアルサウンド

21/2/28(日) 6:00

 日向坂46にとって“伝説の舞台”と呼ばれる公演がある。それが2018年4月、けやき坂46時代に上演された初の舞台公演『あゆみ』である。

 なぜ、この『あゆみ』が伝説の舞台とされているのか。それは、後に『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)のエピソードトークで『あゆみ』が何度も登場しているからだ。次々と事件や裏話が明かされていくにも関わらず、なかなか全貌が見えてこないことにオードリーの若林正恭は「舞台『あゆみ』どうなってんだよ!」とツッコミを入れ、これが番組だけにとどまらず、日向坂46を代表する名言の一つに。ラジオ番組『日向坂46の「ひ」』(文化放送)のコーナー「ワザトカワイイ」でも、小坂菜緒が「舞台『あゆみ』どうなってんだよ」を“ワザトカワイ”く披露しているほど、ファンには浸透しているセリフの一つとなっている。

 このツッコミはここで終わりなわけではない。若林はさらに「素材持ってきてくれ! DVDに焼いて! フルで1回観せてくれ!」と続けているのだ。そんな舞台『あゆみ』が約3年の時を経て、現在Huluで配信を開始している。

 『あゆみ』は、メンバー20名が「チームハーモニカ」「チームカスタネット」の2チームに分かれ、10人全員であゆみ1役を演じるという個性的なスタイルの演劇。舞台に登場してからは出入りもなく10人全員が舞台上に立ち続け、歌も煌びやかな衣装チェンジもないシンプルなステージに挑んでいる。

 この『あゆみ』が上演された頃のグループの状況はというと、同月に『日向坂で会いましょう』の前身番組である『ひらがな推し』と『KEYABINGO!4 ひらがなけやきって何?』(日本テレビ系)がスタート。その後、6月に影山優佳が学業専念のため一時活動を休止、佐々木久美がキャプテンに就任、全国ツアー『『走り出す瞬間』ツアー2018』をスタートといった、苦節の日々を過ごしてきたけやき坂46が徐々に坂道を登り始めた時期。後になって『あゆみ』のエピソードが湯水の如く湧いて出てくるのは、まだ番組が始まって間もない頃だったからだ。

 数あるエピソードの中でも、今では佐々木美玲を代表するイメージの一つとなっている劇中クライマックスでのおじいちゃん役、富田鈴花による山登りのシーンでのアドリブ、潮紗理奈の動かない触覚、ドラマ『Re:Mind』(テレビ東京)でも一際異彩を放っていた影山の演技力などが、Huluの配信でも堪能することができる。当時のインタビューによれば、ダブルキャストということで、互いのチームの演技を参考にしたというが、「チームハーモニカ」と「チームカスタネット」を見比べるといった贅沢な見方も出来るだろう。

 そして、今、『あゆみ』を観て感じるのは、メンバーがすでに今の日向坂46に繋がる“ハッピーオーラ”を強く纏っていることだ。自由度が高いからこそ滲み出るメンバーの仲の良さ、ラストを飾るしなやかなコンテンポラリーダンスから、10人が声を揃えて叫ぶ長ゼリフはどこかアルバム『ひなたざか』のCMを彷彿とさせるものがある。佐々木美玲が時折見せる儚げな表情は、「期待していない自分」でセンターを飾る姿とそっくりだ。

 再演の声も多い『あゆみ』だが、多忙な日向坂46が、もう一度メンバー全員で舞台に挑むことは極めて難しいだろう。そういった意味でも、伝説であり、日向座46にとって原点とも言える舞台『あゆみ』は、彼女たちが走り出す始めの一歩であった。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter:https://twitter.com/AKI_W_

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