Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

破格の若手バンド、HAPPY登場「結成した時から世界一のバンドになろうと思ってやってる」

リアルサウンド

14/8/1(金) 11:00

20140801-happy.JPG8月6日にアルバム『HELLO』をリリースするHAPPY。

 業界内外で今、注目を集めている若手ロックバンドHAPPY。Ric(Vo. Syn.)が「これまでの自分たちのベストであって、ここから始まっていく作品」と語るアルバム『HELLO』が完成したとのことで、リアルサウンドでは今回、インタビュー取材を行った。彼らはどのように音楽に触れ、バンドを組み、シーンで存在感を示そうとしているのか。その野心あふれるメッセージを感じてほしい。(編集部)

「サイケデリックでアングラな感じの、完全に1969年を生きているバンドでしたね(笑)」(Alec)

――自分は、ここ数年間に出てきた日本バンドの中で、HAPPYはダントツにカッコいいバンドだと思っています。これまでのシングルを追っかけてきて、ライブも見てきましたが、遂にアルバムが完成して、今日こうしてようやく話ができて、すごく嬉しい。

全員:ありがとうございます!

――まず、ファーストアルバムのタイミングだし、リアルサウンドにも初登場ということなので、バンドの成り立ちから訊いていきますね。プロフィールには「幼馴染みだった」とありますが、これは本当に?

Alec:本当です。みんな同じ地元で。京都の北部にある、綾部っていう小さな町。山と田んぼばっかりのメチャクチャ田舎で、遊ぶところもあんまりないから、部活やるか、バンドやるかくらいしかやることがない(笑)。小学校の頃から俺とRicとBobは一緒で、Bobだけ一学年上だったんですけど。で、中学に入ってSyuに出会って。初ライブは中2の時の地元のクリスマスパレードでしたね。

――クリスマスパレード? 洒落た感じの名前ですが……。

Ric:毎年クリスマスに、電飾をつけたトラクターとか軽トラの上に乗って、町中をパレードするっていう地元の催しがあるんですよ。オーディエンスも地元のおじいちゃんとかおばあちゃんとかで(笑)。

Alec:で、俺らバスケ部だったんですけど、バスケ部の活動が忙しくなってバンドは一旦中断したんです。それからしばらくして、BobとSyuで3ピースのバンドをまた始めて。その頃にドアーズにメッチャはまって、それでまたRicにキーボードをやってもらうようになって。そっからどんどんサイケにはまっていって、ヴェルヴェット(・アンダーグラウンド)とか、ピンク・フロイドの1st(アルバム)とか、ザ・フリーク・シーンとか。

――マニアックすぎる(笑)。それがいつ頃?

Alec:高2とか、高3とか。で、その頃に下さん(踊ってばかりの国の下津光史。バンドの名付け親の一人でもある)と仲良くなって、いろいろ新しい音楽のことも教えてもらったりして。当時、2011年だったんですけど、ジャスティスとかゴリラズとかの作品にも影響を受けて、それでようやく1969年じゃなくて2011年のバンドになった感じでしたね(笑)。それまではサイケデリックでアングラな感じの、完全に1969年を生きているバンドでしたね(笑)。

――えっと、Chewくんはどのタイミングで入ったんですか?

Chew:俺は他校のバスケ部だったんですよ。で、最初はバスケの試合会場で出会って、そこから仲良くなって。高校を卒業した後、4人はまだ地元にいたんだけど、俺は大阪で一人暮らしするようになって。その部屋に、神戸や大阪でライブがある時にみんなが泊ったりするようになって。それでいつの間にか俺もバンドに入ってた(笑)。

「あまり音楽オタクみたいなところはない。直感で鳴らしてる」(Ric)

――なんか、アンダーグラウンドなエピソードと健康的なエピソードの落差がすごいよね(笑)。ズバリ訊きますが、地元では結構ヤンキー的な感じだった?

20140801-happy3.JPGAlec(Vo&Gt)

Alec:いや(笑)、ただのパンク好きなノリのいいヤツらって感じでしたね。

Syu:ヤンキーとかではなかった。

Ric:ヤンキーとも、普通のヤツらとも、地元の連中とはみんなと仲が良かったな。

――どうしてそういう背景が気になるかというと、日本に、HAPPYみたいなバンドってこれまであまりいなかったんですよ。マニアックな洋楽が好きで、センスが良くて、英語で歌っててっていう、そういうバンドはこれまでにもいたけど、そういうバンドにありがちな頭でっかちなところがHAPPYには全然なくて。ごく自然にサイケデリックを体得していて、それを楽しそうに体現している。なんか「コイツら普通じゃないぞ」感がすごくて(笑)。

Alec:あんまり洋楽志向とか、そういうことは意識してないですね。

Bob:何かを狙ってとか、そういうことは全然考えてない。自然に好きな音楽をやってるだけで。

Ric:シンセとかもたくさん使ってるけど、あまり音楽オタクみたいなところはないよな。直感で鳴らしてるっていうか。

――今回のアルバム『HELLO』を聴いて「これ、もしジョン・レッキーあたりがプロデュースしていたら日本のロック史上に残る世紀のファーストアルバムになったのでは?」と自分がツイートしたのを、実はもう皆さんに見られちゃったんですが(笑)、セルフプロデュースにこだわったのはどういう理由から?

20140801-happy4.JPGRic(Vo&Syn)

Alec:生意気かもしれないけど、少なくとも日本のプロデューサーに、今の俺らの音をいじられちゃったら、絶対にダサくなると思って。一緒にやりたいと思う人の名前が浮かばなかった。

Ric:まだ俺たち、レコーディングのこととか全然わからないから、現場で手取り足取り教えてもらうことになっちゃうじゃないですか。そうすると、プロデューサーの趣向が必要以上に入っちゃうんじゃないかっていう警戒心もあって。

Alec:一緒にやるんだったら対等にやりたいから。宇野さんの言ってたジョン・レッキーって、ピンク・フロイドとかXTCのプロデュースとかしてた人?

――そう、よく知ってるね! ビートルズやピンク・フロイドのレコーディング・アシスタントをやってて、後にXTCやニュー・オーダーやヴァーヴやレディオヘッドとかをプロデュースした人。一番有名なのはストーン・ローゼズのファーストアルバム。

Alec:レディオヘッドもやってるんだ! ナイジェル・ゴッドリッチと出会う前?

――そう。レディオヘッドもファーストだけやってる。

Alec:そっかぁ。自分で思い浮かぶ名前があるとしたら、デイヴ・フリッドマンだったらお願いしてみたいかなぁ。

――ああ、それもハマりそうですね。とにかく、この『HELLO』というアルバムの楽曲は、そういう妄想をかき立てられるくらい、楽曲やサウンドの雰囲気のカッコよさにおいて抜きん出ているロックアルバムだと思うんです。

Alec:嬉しいですね。

――でも、音のカッコいいバンドが、そのカッコよさだけで売れるとは限らないのが世の常で。そこについては、なにか戦略のようなものはあるんですか?

Alec:戦略とかはあまり考えてないけど、結成した時から世界一のバンドになろうと思ってやってるんで、野心はめちゃくちゃありますよ。

Ric:それは絶対にあるな。

――ただ、HAPPYのライブを見ていて思うのは、ステージ上で5人がすごく楽しそうで、そこにあまりフラストレーションのようなものを感じないんですよね。この現状、もっと言えばこの世界に、今の時点でも十分に充足しているように見えるというか。

20140801-happy5.JPGChew(Syn&Gt)

Syu:フラストレーション……。ニルヴァーナみたいな?

Alec:初期の頃はそういう感情も表に出すバンドだったんですよ。でも、最近はそういうのではない方向のヤバさを求めるようになったというか。今、日本で売れてるバンドって、別に音楽だけで売れてるわけじゃないと思うんですよ。なにか流行みたいなものがあって、その流行に合致してるかどうかみたいな。俺らは、そういう売れ方をしたいとは思ってなくて。もっと王道のヤバさを追求したくて。

Bob:日本だけを見てるわけでもないしね。

Ric:もちろん理想は、日本でも海外でも売れることだけど。

Chew:野心マックスですよ。

Syu:むしろ野心しかない。

「異端児的な見方はされたくない。ポピュラーなものとして認識してほしい」(Alec)

――5人にとって、この『HELLO』というファーストアルバムはどういう位置付けの作品なのでしょうか?

20140801-happy6.JPGSyu(Ba)

Ric:これまでの自分たちのベストであって、ここから始まっていく作品。

Alec:すごいポップなアルバムだと思う。今の日本のロックの流行とは違うかもしれないけど、俺らはこれが一番ポピュラーな音楽だと思ってる。

――そこがおもしろいところなんですよね。やってること自体はマニアックな部分もあるんだけど、基本的にこれはものすごくポップな音楽だし、HAPPYというバンドが醸し出している空気もすごくポップで。

Alec:はい。音楽的にコアなことをやってるつもりはないし、異端児的な見方はされたくない。ポピュラーなものとして認識してほしいという気持ちはすごくありますね。

――個人的にはあまり好きな言葉じゃないんだけど、敢えてわかりやすく言うなら、HAPPYは「リア充」系バンドですよね(笑)。

全員:(笑)。

Alec:確かに、今を最高に楽しんでますね(笑)。

Chew:「リア充」って言葉は嫌いですけどね。でも、それは否定できないかも(笑)。

――まぁ、リアルが充実しているのなんて当然だろうと、その言葉を聞くたびにいつも僕も思いますよ(笑)。ただ、敢えてその言葉をつかったのは、HAPPYというバンドがこの国のロックシーンに提示する新しい価値観は何かって考えた時に、そこにヒントがあるのかなって思ったんです。

Alec:あー、なるほど。

――ロックって本来は問答無用にカッコいいものだったじゃないですか。HAPPYは、この5人が楽しそうに音楽をやっているだけで、そのカッコよさをなんの言い訳もなくこの日本で体現できる可能性があるバンドだと思うんですよね。

Alec:俺らが今を最高に楽しんでいること。それ自体が一つの今の日本に対するプロテストであり、カウンターになるんじゃないかっていう思いがあるんですよね。別に歌でそういうことを直接的に歌うつもりはないけれど、そこが伝わったらいいなとは思いますね。

――そこまでリスナーが読み取ってくれるといいんですけどね。

20140801-happy7.JPGBob(Vo&Dr)

Alec:人間って、本来はすごく暇がある生き物だと思うんですよ。寝て、夢を見て、綺麗な日の出を見て、綺麗な夕焼けを見て、いろんな考えごとをして。俺は、それ自体がすごく素敵なことだと思っていて。嫌なこともたくさんあるけど、世の中にはそれ以上にいいことがいっぱい溢れていると思うから。

――それはヒッピー的な現実逃避とはどう違うの?

Alec:それをヒッピー的と言われれば、そうなのかもしれないけど。俺ら、いつか自分たちでフェスをしたいんですよ。でっかい公園みたいなところで、チケットとかも売るんだけど、最終的にみんながフェンスとかを突き破って、結局フリーになっちゃうみたいな。そういうピースな感じのフェスをやってみたくて。

――完全にウッドストックじゃないですか(笑)。

Alec:そういうメチャクチャなことをできるようになるためにも、でっかくなりたいんです(笑)。

(取材・文=宇野維正/撮影=竹内洋平)

■リリース情報
『HELLO』
発売:2014年08月6日(水)
価格:¥2,000(本体)+税

<収録曲>
01:Magic
02:Run Run Run
03:Time Will Go On
04:Lucy
05:Wake Up
06:Pity Xmas
07:Lift This Weight
08:Cycle of Life
09:Color
10:Win Key Gun

■イベント情報
HAPPY 1st Album『HELLO』リリース記念フリーライブ「Free HAPPY “HELLO”」
8月6日(水)OPEN:18:00/START:19:00 
会場:ラフォーレミュージアム原宿(※ラフォーレ原宿6F)
入場無料!!
※入場は先着順となります。入場規制を行う場合もございますので、ご了承ください。
※当日、アルバム『HELLO』を持ってきてくれた方、全員に、その場で撮影する“メンバー5人との6ショットポラ”+“サイン入りUSフォトカード”をプレゼント。

アプリで読む