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片寄涼太と松本穂香に響いた伊藤英明の熱さ 『念唱』が問いかける、“救う”の意味

リアルサウンド

20/2/8(土) 6:00

 児嶋(松本穂香)が救急へ異動することを決意し、田中(片寄涼太)も救急から出ないことを決める。医師としての未来に悩んでいた彼らも、松本(伊藤英明)の影響で改めて人を救うことと向き合うことができた。『病室で念仏を唱えないでください』(TBS系)第4話では、救われた人物の予後と向き合うことについて描かれる。

 スタッフルームの救命救急医たちは、松本のハードな働き方や、全ての患者を救いたいという考え方に反対している。特にさとり先生こと田中は、自身が医者の家系の中で過ごしたことで医療の限界を“悟って”しまっているがゆえ、松本には反発を繰り返していた。そんな中、救急で運ばれてきた長沢功一(本並健治)の緊急オペの際、妻である奈穂(中島ひろ子)が、院内で田中が夫について話しながら歩いているのを偶然聞いてしまう。

【写真】田中役の片寄涼太

 予後が悪いということを話していた田中の言葉にショックを受け、奈穂は手術を拒む。結果的に松本を含めて説得し、手術は決行されたが、奈穂はなかなか功一の見舞いに訪れなかった。命を救ったその先にある、家族の負担を考え本当の意味での“救う”とは何か。田中はそれを救命救急に残ることで答えを見つけようと決意する。

 その一方で、児嶋は濱田(ムロツヨシ)のオペの第一助手を務め、濱田から技術を教えてもらえることになる。交換条件で、救命救急に関わらないことを言い渡された児嶋は、困惑していた。最終的に児嶋は救命に転科することを決める。松本との関わりの中で、患者に丁寧に向き合い、救っていきたいと感じたのだ。だが、肝心の松本は、虐待されている姉弟の小学生の姉・愛羅(石田凛音)が子宮外妊娠で亡くなったことから、父親を殴り問題を起こしてしまった。

 「この手は人を助けるための手なんだ」。この言葉は、松本の医師としての在り方そのものを体現している。そのポリシーは、田中のようなクールな医師にも、児嶋のような一歩が踏み出せない医師にも強く響いた。第4話では田中の抱えたバックボーンが明かされ、松本と対立する理由がはっきりする。片寄は、生意気でクールだが、影では素直で努力家な一面を持つ田中を器用に演じる。2面性のある役ながらも、どちらも愛嬌があり、医療と真剣に向き合う姿はフレッシュな魅力に溢れる。上下関係や体育会系の熱いノリを嫌い、まさに“サトリ世代”らしいスタンスを崩さない田中。しかし、第4話では松本の熱さに胸を打たれ、涙ぐむ瞬間もあった。

 一方で、松本は僧侶でありながら冷静さを欠いてしまうことが多いという欠点がある。その「感情的な」松本の態度は、三宅(中谷美紀)だけでなく今回は澁沢(余貴美子)にまで諭されてしまう。その暑苦しさは、時に周りの医師たちの心の火を灯し、良い影響を及ぼしてもいるが、困った問題を引き起こしてしまう時もある。今回はラストで人を殴ってしまった松本。与えられる罰は大きいだろう。

(Nana Numoto)

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