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BOYSぴあSelection 第46回 高杉真宙

高杉真宙 Part1「25歳。ここで1回勝負してみるのもアリだと思った」

全2回

PART1

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火曜22時。それは、恋に憧れを抱く人たちにとって特別な時間だ。

画面の中で広がる恋模様に一緒にドキドキしたりワクワクしたり、時にはヒロインと一緒になって泣いたり怒ったり笑ったりする。この1時間があるから、また1週間頑張れる。火曜22時は、すべての人たちを恋するヒロインに変えるスペシャルな魔法を持っている。

そんな火曜22時の新ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』に高杉真宙が出演する。演じるのは、天然マイペースな愛され男子。きっとこれから3ヶ月間、高杉真宙が私たちの毎日をカラフルにしてくれるはずだ。

── 新ドラマ『ハンオシ』はヒットドラマが数多く生まれている火曜22時枠です。

毎クール、話題になっているって耳にするドラマがその時間帯なので、本当に今、みなさんが注目している枠なんだなと感じています。そこにこうやって出演させていただけるのはやっぱりうれしいですね。

── 原作は、有生青春さんによる人気コミック。読んでみていかがでしたか?

すごく読みやすくて、女性もそうですけど男性も楽しめる漫画だなと思いました。昔は少年漫画は男の子が読むもの、少女漫画は女の子が読むものという枠みたいなものがあったと思うんですけど、今ってそういう括りがどんどんなくなってきている気がするんですね。この作品もそうで。だからドラマも女性だけじゃなく、男性もぜひ観てほしいです。

── 高杉さんが演じるのは、主人公・大加戸明葉にちょっかいをかける動物病院の看護師・牧原唯斗です。

パッと見の印象はわりと軽い子というか、チャラそうに見えるんですけど、察しが良くて気が遣える子だなというのが今のところの印象です。どんなふうに演じていくかは、周りの人次第でいくらでも演じ方を変えていけるキャラクターなのかなと。だから、主演の清野菜名さんや坂口健太郎さんにうまく合わせていければと思います。

── 今まで原作のある作品をたくさん演じていらっしゃいますが、原作の雰囲気はどれくらい意識しますか?

そこは僕主体というよりも作品主体だと思うので。作品をつくるみなさんがどっちに寄っていくかで変わっていくところなのかなと思います。キャラクター重視の作品だったら、原作を100%再現できるように頑張りますし、そうじゃない場合はあえて原作と切り離してつくることもあるので、監督と話し合いながら調整していくという感じです。

ただ、僕自身の考えとしては、どういう方向にせよ大事なのは「人間」に仕上げていくこと。つくりもののキャラクターではなく、ちゃんと血の通った「人間」として命を吹き込めるように演じたいです。

基本的に感情表現が苦手なんです(照)

── 高杉さんといえば漫画好きというイメージがありますが、恋愛漫画は読みますか?

昔はよく共演者の方に「少女漫画でオススメは何ですか?」って聞いて、教えてもらったものを読みあさっていました。最近はもともと読んでいた漫画家さんの新作とか、自分の情報網に自然と入ってくるもの。

── じゃあ、その中で高杉さんのオススメの作品を教えてください。

『僕と君の大切な話』が面白かったです! 主人公ののぞみは同じ学年の東くんという男の子に片想いをしていて、それで駅のホームで告白するんですけど。ひとつもいわゆる少女漫画していないところが面白くて。1巻なんてただひたすらホームで2人が話しているだけ。その内容も、男と女の違いとか取り留めのないものばかりで。なんだか『セトウツミ』みたいな感じで新鮮でした。ここからどうやって話が進んでいくんだろうというところに興味を持って読み進めていったんですけど、その後の展開も面白くて。個人的に好きな漫画なので、ぜひ読んでください!

── ちなみに、高杉さん自身が恋愛ドラマに出るときに意識していることはありますか?

僕、基本的に感情表現が苦手なんですよ(照)。特に人に好意を寄せる演技が得意ではなくて。実生活でも僕自身がそうやって人に気持ちを伝えたり、アピールすることが苦手だから、余計に難しくて……。わかりやすい言葉で言うと、どうやったらキュンとしてくれるかという発想が僕にないから、いつもどう演じていいのかわからない。悩みのひとつなんです(笑)。

── ぜひ視聴者をキュンとさせて、「高杉真宙」でトレンド入りしてほしいです!

頑張らないとですよね。そのためにももっとそういう作品を観なきゃと思ってはいるんですけど。やっぱりあると思うんですよ、ある程度の行動原理が。ここで声のトーンをちょっと変えるとか、ここで一瞬間を置くとか、そうすることによって観ている人たちをドキッとさせるロジックみたいなものがあると思うので、そういうテクニックをいろんな作品を観て吸収して、自分にハマるものを身につけていければなと。

── 視聴者的には、坂口健太郎さんと高杉真宙さん、どっちがいい? とワイワイ言い合えるのを楽しみにしています。

いやいや、恐れ多いです。坂口健太郎さんとはまだお会いしたことがなくて。というか、今回はお会いしたことのない方ばかりの現場なので、どうしようか考え中です。

── 人見知りするタイプですか?

大いに人見知りを発揮するタイプです(笑)。ひとりくらい知り合いが現場にいてくれれば楽なんですけど。

── 完全にアウェーの現場の場合、どうするんですか?

まずはスタッフさんと仲良くなります! どうしても俳優同士だと、今、役のことで大変かな? とかいろいろ考えちゃって……。もちろんスタッフさんはスタッフさんで忙しいだろうし、この次のシーンはどうするかとかいろいろ頭の中で考えてはいると思うんですけど、なぜかスタッフさんの方が話しやすくて。高杉真宙はこういう人です、と解放しやすいところがあります。

僕、スタッフさんとちゃんと話せる時間があるかどうかで、現場のできる度が変わってくるんですよ。

── できる度とは……?

自分の持っているものをどれだけ本番で出し切れるかって、現場の居心地の良さに左右されるところがあるなと思っていて。緊張するかしないかもそうだし、この現場ってこういうテンションだなというものを掴めるかどうかもそうだし。そういうものが全部うまく合わさったときに、納得のいくパフォーマンスが発揮できる。

そのためにもまず大事なことはスタッフさんと話すこと。話すことで、この作品はこういう色だよねということもわかるし、自分の役がどういうふうに動けばいいかも見えてくる。だから、スタッフさんとはよく話すようにしています。

いつか親になるという経験はしてみたい

── 『ハンオシ』は偽装結婚から始まるラブコメディですが、高杉さんは結婚願望はありますか?

僕、結構ある方だと思うんですよね。

── あるんですね。

最近知り合いにお子様が生まれて。おめでとうございますって伝えたら、「やっぱり子どもはすごいよ」って返事がきたんですね。そうはっきり言い切れるのってなんかいいなと思って。僕もいつか結婚したらそんなふうに思えるのかなと興味を持つようになりました。

僕自身、親に育ててもらったからここまで大きくなれたわけで。そう考えると、やっぱり子どもを持つってすごいことだし、親になる経験ってきっと大きいんだろうなって。家庭を持つことでしか得られない感動があるのだとしたら、それを経験するためにもいつかそのときが来たら結婚してみたいです。

みんなが面白がっていないと、面白い作品はつくれない

── では、ここからは高杉さんのこれからの話を。今年4月に独立を発表されたとき、「作品づくりにもっと深く関わりたい」という話をされていました。なぜそう考えるようになったのか聞かせてもらえますか。

僕は作品の中で「俳優部」ですが、それぞれ部署があって、結局は一緒に作品をつくるチーム。僕の中で、人と人とのつながりで作品をつくっていくんだっていうのが意識としてあるんですよ。その意識を、部署の垣根を超えて、色々な角度から経験してみたいなとは思っています。

── そう思うようになったのは、高杉さんがチームで一体となって作品づくりができた経験があったからですか。

そうですね。僕が最初に演技が好きだなと思ったのが、『ぼんとリンちゃん』という映画で。その現場がスタッフさんを入れて10人くらいの規模だったんですよ。その分、みんなでつくり上げていくという気持ちが現場全体にあって。みんながひとつのものを目指して力を出し合って、そして最後にこの作品をやってよかったと思える、そういう現場にいられる俳優でいたいです。

── いずれは企画やプロデュースをしたい気持ちも?

そういう才能が自分にあるなら、いずれはしてみたいなとも思いますけど。でも監督は無理だと思います。クリエイティブ脳っていうものがそんなに僕は養えていなくて。そこに関しては悲観でもなんでもなく、楽観的に絶望しているんです(笑)。

僕がやりたいのは結局演技なんだというのは理解しているので。あるとしてもクリエイティブな面ではなく、裏方として何か関わるかたちになると思います。

── 今年は高杉さんにとって再出発の年。今、楽しいですか。

面白いですね。大変だなとは思いますけど、やっぱり演技をすることが面白いので、今この環境も面白いと言えるんだと思います。

── その若さで、勇気のいる決断だったと思います。

そうですね。いろんな人に見守られている感をひしひしと感じています(笑)。でもまあ25歳くらいで1回バッて勝負してみるのもアリなのかなって。生意気だと思われるかもしれないですけど、そういうふうに見られることも理解はしていたので。ちゃんと考えた上で、やろうと決めたことなので、背中を押してくれた人、今も支えてくれる人たちに感謝しつつ、ここからまた頑張っていこうと思います。

PART2は近日公開! サイン入りポラのプレゼントもあるのでお楽しみに!

撮影/奥田耕平、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/堤紗也香、スタイリング/荒木大輔

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