Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

新しい地図 稲垣吾郎&草なぎ剛&香取慎吾の3人と森且行選手、ついに果たされた約束ーー心の奥底を温める“繋がり”を見つめて

リアルサウンド

20/11/9(月) 6:00

 11月3日、オートレーサーの森且行選手が、デビュー24年目にして念願の日本一に輝いた。好調なスタートダッシュで後半まで2位につけていた森。その後3位になるも先を走る2選手がまさかの転倒。そのまま落ち着きのある走りを見せ、積年の夢を叶えた。会場からは大きな歓声が沸き、かつてSMAPとして共に活動した稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾は新しい地図として、そして中居正広と木村拓哉もそれぞれの事務所を通じて祝福のコメントを出し、多くのファンが感動に包まれた。

森且行選手が悲願の日本一に!! 「オッズパーク杯 SG第52回日本選手権オートレース」優勝戦 記者囲み取材も一部公開!!

 24年、あれから24年だ。それだけの長い時間をかけて夢を追ったことがある人は、世の中にどれほどいるだろうか。森は、1996年にSMAPを脱退し、オートレーサーへの道を歩み出した。国民的アイドルとしてますます人気を高めていくタイミングでの転身。このまま6人で夢を突き進むはずだった。でもそれ以上に諦めきれない人生を見つけてしまった。メンバーに必ず叶えると約束した夢。それが「絶対にSG日本選手権オートレースで日本一になる」だったのだ。

 稲垣、草なぎ、香取は、2017年11月『72時間ホンネテレビ』で21年ぶりにメディアで再会を果たした。今年と同じく、あのときも森はオートレース場で日本一を目指していた。耳を貫く爆音、傍らには救急車がスタンバイしている。「こんなところで毎日やってるんだね」「命懸けだ」と、3人は改めて厳しい勝負の世界に身を置いた森の覚悟を噛みしめる。

 「今日のレース、1位を取れば賞金72万円だって!」『72時間ホンネテレビ』ということもあり、“72”という奇跡的な数字に思わずテンションが上がる3人。さらに番組として世界トレンド1位を目指していた中で、「森くん」が1位を初めて獲得するというドラマチックな展開もあり、期待は高まる一方だった。そして3人が見つめる中でスタートしたレース。固唾を呑んで見守ったが、残念ながら結果は8位に。奇跡は、そう簡単には起きない。

 「お疲れー! 来たよー!」ーーレースを終えて走ってくる森を迎え、思わず抱きつくのは末っ子の香取だ。思わず「デカいな!」と笑う森に、「イヒヒヒ」と横いっぱいに口を広げてハニカむ香取。

 「焦った? 焦ったでしょ?」とちょっかいを出すようにツッコむのは草なぎだ。森が「焦ったよ!」とまっすぐに返すと、草なぎは瞳をキラキラとさせて「超カッコ良かったよ!」と誇らしげな表情に。

 そして稲垣は、森と同い年であるからか、2人に比べると少しぎこちない様子で森に近づく。照れくささゆえについ「森さん」と口走ってしまい、香取から「なんで森さんって言ったの? おかしいよー!」と茶化されて、笑いを誘っていた。

 1996年の森の脱退から、彼らが再会したのはSMAP20周年のコンサート、グループが解散した2016年の年末、そしてこの『72時間ホンネテレビ』の計3回だという。「本当は日本一になってから会いたかった」という森の言葉が印象的だった。

 「3~4年、長くかかっても5~6年で(日本一が)とれると思ってた。でも20年経ってもとれない」もちろん経験を積めば、その日のコンディションに応じて、エンジンの調整などはうまくなっていく。だが次々と年下の有能な選手たちがデビューしてくる焦りもある。

 「でも諦めるわけにはいかない。日本選手権で勝ちたいって思ってオートレーサーになったから」その言葉に、「目標ができていいよ。頑張れるよね」と鼓舞する3人。その姿に、イチ視聴者として筆者もぜひ日本一になってほしいと願った。だが今振り返ってみると、どこかで“もう十分に頑張ってる”という思いがあったかもしれない。夢を諦めない姿を見せてくれただけでも、素晴らしいと。

 しかし森は、そこで満足せず努力を続けてきたのだ。しかも、これだけいろいろと混乱のあった2020年に、日本一になってみせる森且行はやはりスターなのだと痛感した。夢は諦めない限り、手に届くチャンスがきっと巡ってくること。その機会を逃さないように、鍛錬を続けること。それが、10年、20年とかかったとしても……。

 そして、どんなに久しぶりの再会であっても、心通う人とはいつだってその当時の感覚に戻れることも彼らから教わった。香取は、まだ森がオートレーサーになる前に、バイクに乗せてもらい観客の入っていないオートレース場に連れて行ってもらった時の様子を昨日のことのように話す。森は「このオイルのニオイ、最高だろ」と語りかけ「別に? わかんない」と返した香取のやりとりが、容易に想像できる。

 草なぎは「地下鉄のホームでバック転をさせられた」「靴をくれればいいのに売ってきた」と文句を言いながらも、「森くんってすっげー面白いよね、最高だよ、森くんは! 本当にテレビで言えないこと、たっくさん教えてもらった(笑)! 森くんってすごく男らしいし、僕の中ではお兄ちゃん的な存在で憧れてる」と、すっかり弟の顔になっていた。

 そして、再会したときにはドギマギとしていて、「2人きりでは話せないかも」と言っていた稲垣と森だが、実は連絡先を交換していたことが発覚する。「吾郎ちゃんの(連絡先が)わかってれば、あとはみんなと連絡とれるからさ」と、SMAP6人の中間管理職的ポジションだった2人ならではのつながりがあるのだ。

 頻繁に連絡を取らなくても、顔を合わせなくても、それぞれが別の道を歩むことになっても……繋がりというのは、わかりやすく形に見えなかったとしても、たしかにあって、私たちの心の奥底を温め続けてくれている。

 人との距離感が試される今。そして、先が見えず夢をなかなか見られない今だからこそ、彼らのリアル人生ドラマにまた勇気づけられる。

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む