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『同期のサクラ』は高畑充希を中心とした5人が“主役”の物語に 夢を持ちつづける大切さを伝えた最終回

リアルサウンド

19/12/19(木) 6:00

 高畑充希が主演を務めるドラマ『同期のサクラ』(日本テレビ系)が、12月18日に最終回を迎えた。

参考:『同期のサクラ』高畑充希と椎名桔平がクランクアップ 「絶対倒れるかと思った」

 「花村建設へ戻って来い」。副社長となった黒川(椎名桔平)からの誘いで、サクラ(高畑充希)は花村建設に復帰を果たす。新しいプロジェクトチームのリーダーとしてサクラを抜擢する黒川は、その目的を「花村建設を生まれ変わらせたいから」と話す。黒川の横で力、権力を持ったサクラは、黒川の求める「今までにない発想と熱い情熱」で会議でもズバズバと意見を言い、未来に誇れるような建築物のアイデアを生み出していく。仕事に高揚感を覚えるサクラは、その代償に自分を誤魔化し、周りからの信頼もすり減らしていた。

 結果的に、サクラの目を覚まさせたのは、夢と希望を持って花村建設に入社してきた新入社員の姿。2009年、サクラも瞳を輝かせて花村建設のエントランスを歩いていた。合併の噂が流れる花村建設を心配する新入社員にサクラは、「大丈夫です。きっといい仲間と出会うから」と過去の自分に言い聞かせるように声をかける。

 副社長から社長へとのし上がった黒川。彼は、サクラに8歳の若さで亡くなった娘の姿を重ねていた。サクラが出した答えは、会社とは社員一人ひとりの力で作られているということ。彼女が作った未来に残したい建物のアイデアは、同期の4人、菊夫(竜星涼)、百合(橋本愛)、蓮太郎(岡山天音)、葵(新田真剣佑)の協力なくしては完成しなかった企画書。それに気づくには、すみれ(相武紗季)の「仲間を大切にすること」というアドバイスも必要不可欠であった。「優秀な仲間さえいれば素晴らしい仕事ができます。どんなにつらくても自分は決して1人じゃないと勇気が出ます。それが私の力です」。そう言って、サクラは黒川に退職願を渡す。

「私には夢があります」

 サクラが第1話から言い続けてきたセリフ。「ふるさとの島に橋を架けること」をはじめ、その多くは叶うことはなかった。けれど、一つだけ叶えることのできた夢が、「一生信じ合える仲間をつくること」だ。

 2020年4月、縁あって再就職を決めたサクラは、満開のサクラの木の下で同期たちと再会する。サクラの投げかけた言葉一つひとつは同期たちの土台を作り、各々がそれぞれの夢へと歩き出そうとしていた。

「私には夢があります。1人でも多くの人が私のように信じ合える仲間を持つことです」
「私には夢があります。毎年この桜に負けないように花を咲かせることです」
「私には夢があります。私たちが造った建物を見て未来の人たちが、私たちが生きていたということを思い出してくれることです。私がいつも素晴らしい建物を見て感動するように、生きる希望や勇気を持ってくれることです」

 サクラは新たに3つの夢、使命を掲げる。人はいつだって夢を見ていい。本当のどん底から這い上がり、来年は見ることができないかもしれないと思っていた桜の下で夢を誓うサクラの姿は、そんな至極シンプルなメッセージを胸に抱かせる。いつもの集合写真を撮り、「じゃあ、またいつか」と散り散りになる5人。潔い別れ、ドラマの幕切れは、サクラをはじめ、同期たちの歩く先に広がる未来を想像させた。

 最終話にして、サクラだけではない、サクラを含めた同期一人ひとりが主人公だったんだと気づかされる。当初は『過保護のカホコ』(日本テレビ系)に続く、「主演・高畑充希×脚本・遊川和彦」の再タッグ作品として話題を呼んだ『同期のサクラ』だが、前作を凌ぐほどのチーム、絆が生まれたドラマに成長したのではないだろうか。

〈さらば友よまたこの場所で会おう〉〈さくら舞い散る道の上で〉

 ドラマの一端を担った主題歌、森山直太朗「さくら(二〇一九)」の終わり。またいつか、この桜の木の下から、5人の夢を叶える新たな物語が始まることを願って。(渡辺彰浩)

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