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「喜劇 愛妻物語」濱田岳が明かす、水川あさみの罵声は“明日への活力”

ナタリー

20/9/3(木) 21:08

「喜劇 愛妻物語」公開直前イベントの様子。左から新津ちせ、濱田岳、水川あさみ、足立紳。

「喜劇 愛妻物語」の公開直前イベントが本日9月3日に東京・スペースFS汐留で行われ、キャストの濱田岳、水川あさみ、新津ちせ、監督の足立紳が登壇した。

本作は結婚10年目にして倦怠期の真っ只中にいるセックスレスの夫婦を描いたコメディ。濱田が売れない脚本家の夫・豪太、水川が鬼嫁のチカ、新津が一人娘のアキを演じている。「百円の恋」の脚本家として知られる足立が自身の夫婦生活を描いた同名小説を自ら映画化した。

最近は毎朝、夫婦そろって近所の神社にヒット祈願をしているという足立。しかし夢では観客が客席の1列目にしか入っていない“悪夢”を見るそう。監督自らのネガティブ発言に、水川は「本当にこの映画が大好き。公開まであと少しで各所で宣伝をやってる中、久しぶりに監督に会ったら、そんなこと言って……(笑)。撮影のときを思い出しました」とチクリ。年収50万円ほどの売れない脚本家で、生活費も妻に頼り切りというキャラクターを演じた濱田は、オファーを「こいつか……やりたくねえなと正直思いました」と笑って振り返る。「ただ足立さんの脚本力は映画界で誰もが認めるもの。そしてキーマンの鬼嫁を演じるのが水川さん。俳優業をやっていて、これだけやりたいと思える映画はない」と出演を決めた理由を明かす。

濱田は「豪太と自分の性格は似ている部分はない」と割り切って撮影に参加したそうだが、「水川さんとは10年以上前にカップル役で共演していて、そのときの心地よさが記憶に残っていたんです。でも、この映画では初日から罵声を浴びせられて『ヤバい。すごい怒るじゃん!』と驚きました(笑)。台本を読んだときの自分の想像力の乏しさを反省しましたね」と語る。一方で「ずっとチカに怒鳴られてる撮影。もっとクサクサした気持ちになるかと思ったら、そうでもなかった。豪太の謎の余裕。その図太さに自分が徐々にシンクロしてきて、僕も案外図太い人間だったんだなと気付きました。罵声が明日への活力というか楽しみに変わって、水川さんが奥さんで本当によかった」と続けた。

水川は「チカはすごくエネルギッシュな女性。沸点も低いし、ずっと怒ってる。豪太にイライラしながら、横にいる同じような表情の監督にもイライラしました(笑)。撮影は楽しくがんばってました」と回想。濱田を俳優として「大信頼している」と述べつつ、「いくら当たりにいってもうまく受け止めてくれる。このシーンはああする? こうする?と相談したことは一度もなかったです。本当に信頼してお芝居できました」と共演を振り返った。

そんな2人の喧嘩を近くで見守るアキ役の新津は「めちゃめちゃやり合ってて『怖いな。早く終わってほしい』と思ってたんですけど、裏だと仲がよくてホッとしました。いっぱい遊んでくれて楽しかったです」とコメント。劇中で2人の喧嘩を止めるためアキが車に酔ったふりをするシーンに「共感した」と話す新津に、足立は「いつもこういう喧嘩を自分の娘にも見せてるんだなと思って申し訳ない気持ちになってきました」と自身の夫婦生活を省みた。濱田が「『子供の前で喧嘩して……』と思う方もいると思うんですが、ちせちゃんが役柄を理解して、2人を反面教師にしてまっすぐ育つ女の子を演じてくれたからこそ、僕らのやり取りが笑えるものになってると思います。本当にちせちゃんのおかげ」と感謝を伝える場面も。

映画における夫婦像について、新津は「2人とも信頼し合ってるし、信頼がないと暴言は吐けない。ある意味、素敵な夫婦。チカには豪太がいてよかったし、豪太にはチカがいてよかったなと思います。夫婦や親子って戸籍上そうだからじゃなくて、信頼が積み重ねって初めて夫婦や親子になる。この映画を観たら家族の概念が変わると思うので、たくさんの人に観てほしいです」と大人顔負けのコメントをし、会場は拍手喝采。また濱田は「豪太がダメなやつすぎて僕から言えることはそんなにない」と笑いつつ「喧嘩ばかりなのにずっと同じ家にいる。2人が『トムとジェリー』の関係に見えなくもない(笑)」とコメントする。水川は「お互いに愛情だったり、尊敬してる部分だったり、もう埋もれちゃってる気持ちはどこかにある。こういう夫婦になれたら、怖いものはない。夫婦って他人同士の2人が寄り添って家族になっていく実はすごいヘンテコなもの。それが素晴らしくて、面白くて、素敵なんだと、この映画を観てくれた人に伝わればうれしい」と語った。

最後に濱田は「監督はこれ以上のネタをごまんと持ってます。皆さんの力をお借りして、2作目、3作目と続けていけたら。理想は『喜劇 愛妻物語』が今年も帰ってきた!と毎年恒例にして。またあの夫婦が戻ってきたのか……と思ってもらえるような作品にしたい」とシリーズ化を熱望し、イベントを締めくくった。

「喜劇 愛妻物語」は、9月11日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。

(c)2020「喜劇 愛妻物語」製作委員会

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