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BOYSぴあSelection 第30回 瀬戸利樹

瀬戸利樹 Part2「僕が自殺ゲームに巻き込まれたら絶対最後まで生き残れない」

全2回

PART2

20/1/28(火)

前編では楽しいトークをいっぱいしてくれた瀬戸利樹くん。後編では最新出演映画『シグナル100』についてのお話を聞かせてもらいました。

ある日突然担任教師からかけられた自殺催眠。催眠が解ける方法は、自分以外の全員が死ぬこと。生徒36人VS担任教師が繰り広げる、全員参加の自殺(デス)ゲームで、瀬戸くんが演じるのは、孤高の存在感を放つ和田 隼 役。

これまでのイメージを覆す衝撃の問題作に挑んだ瀬戸くん。どんな想いで撮影に臨んだのでしょうか。

── あらすじを読むだけでものすごくショッキングな映画ですね。

今までこういう作品に出たことがなかったので、僕にとっても挑戦だなと思いました。オーディションのときから絶対に和田がやりたいと思っていたから、選んでもらえてすごくうれしかったです。

── 和田がやりたいと思ったのは、どんなところに惹かれたからですか?

正統派の正義の役も好きなんですけど、どこか悪の中に正義があるというか、悪そうに見えるんだけど、その中にその人なりの理由がちゃんとあるキャラクターが好きで。和田自身も、そういう二面性を持った役。そこに魅力を感じました。

── 確かに、そういう複雑さがある方が演じ手としてはやりがいがありますよね。

そうですね。だからこそ、繊細に演じないといけないなという気持ちもすごくあって。ぱっと見は冷たそうなんだけど、決して単なる悪役じゃないんだなというふうに見えればいいなと思いながら演じました。

── 瀬戸さんというとすごくフレンドリーな印象が強くて、和田とは正反対だなと思ったんですけど、どうですか? もしや近い部分も?

近くないと思います。個人的には、自分と対比している方が演じやすいです。そっちの方が役に入りやすいところはあるかもしれないです。

── 今回はどうですか? 和田という役に入る上で何かヒントにしたことは?

まずは『バトル・ロワイアル』とか『悪の教典』のような近いジャンルの映画を観て。その中でも『バトル・ロワイアル』で安藤政信さんが演じた桐山和雄という役は和田に近いところがあるなと感じて、イメージのひとつとして参考にさせてもらいました。

── 監督からはどんなオーダーを?

まず言われたのが、「カッコよく美しくいてください」と。

── そんなの立っているだけでOKじゃないですか(笑)。

いやいや、そんなことないです(笑)。監督が美しさにこだわったのは、和田の持つ冷たさを表現したかったからで。言動のひとつひとつで、和田のカッコよさや美しさを出してくださいとよく言われました。

── 瀬戸さんが特にこだわったのは?

目です。和田自身、何を考えているのかよくわからない役。和田の心の闇をわかりやすく表現しようと考えたときに、まずは見えるところから工夫をしたいなと思って、死んだ目にしたいって監督に提案したんです。

── そういった役づくりに対して周りの人から言われてうれしかったこととかありますか?

撮影が中盤に入ったぐらいに、(藤春 昴 役の)中尾暢樹くんから「和田だね」と言ってもらえたのはうれしかったです。今回、撮影がほぼ順撮りに近かったので、和田が動き出す中盤あたりから自分でも仕掛けていこうと考えていて。ちょうどそのタイミングで身近な共演者から認めてもらえたのは励みになりました。

── 孤高の役を演じるときは、現場でも共演者となるべく話をしないという人もいますが、瀬戸さんはどうでした?

クランクインする前までは和田らしくひとりでいようと思っていたんです。でも入ったら小関(裕太)くんとかいろんな人に声をかけてもらって。サッカー部のメンバーは前に共演したことのある人もいたりして、結局サッカー部のみんなとワイワイしていることが多かったです(笑)。

── よく周りからイジられているイメージですが、今回も誰かにイジられたり?

イジられてました(笑)。自分ではボケてるつもりはないんですけど、何があるたびによく橋本環奈さんにツッコまれていました。

── 本編は緊迫した場面が続きますが、撮影の現場は和気あいあいとした雰囲気だったんですね。

みんな仲良かったです。作品自体がシリアスな分、休憩時間は36人みんな本当のクラスメイトみたいな感じで。撮影がすごく寒い時期で、控え室にストーブが3つ置いてあったんですけど、そのうちの1つが消えたら、残りの2つにみんながわーっと集まったりして(笑)。僕自身、こういう役は初めてだったので、インしたてのころは多少なりとも緊張があったんですけど、みんなのおかげで自然と気持ちに余裕ができました。

── ちなみに自殺(デス)ゲームに巻き込まれたら、瀬戸さんは生き残れるタイプ?

間違いなく無理ですね(笑)。36人いるとしたら、本当どっちかだと思います、ひとり目で死ぬか。微妙な18人目あたりで死ぬか(笑)。

── 最後までは生き残れない?

生き残れないです。たぶん、僕が同じような状況になったら、絶対仲の良い友達とか庇っちゃう気がするんです。だから、生き残るのは無理じゃないかと。

── 瀬戸さんと言えば、高校時代の思い出がないというのはよく聞く話ですが(笑)。

そうなんです……(笑)。

── そこをあえて聞きますが、高校時代の自分のポジションを劇中のクラスで例えるなら誰がいちばん近いですか?

そこは和田かもしれないです。変な心の闇を抱えたりはしていないですよ(笑)。けど、ひとり行動が多かったんで。中学校のときはサッカー部みたいなグループにいたんですけど、高校はわりかし和田みたいなポジションというか。そこは唯一僕と和田の似ているところかもしれないです。

── じゃあ、学園祭の思い出は?

学園祭ですか……。あ、他の学校に行くのが楽しかったです!

── 他の学校に行ってたんですね(笑)。

すごく仲良い友達たちが隣の高校だったんで、連絡を取り合って、一緒に別の学校に遊びに行ってました。

── 制服は学ランでした? ブレザーでした?

ブレザーです。今回のこの制服がすごくかわいくて。衣装さんの手づくりなんですけど、白いラインが入っていたり、凝っているんですよ。撮影中もみんなで言ってました、可愛いって。

── 今回は担任教師VS36人の生徒ですが、瀬戸さん自身の先生との思い出と言えば?

小学5〜6年生のときの先生にはすごく思い入れがあります。23歳ぐらいの若い男の先生だったんですけど、すごくフレンドリーな方で、休みの日はクラスの男の子何人か連れてボウリングに行ったり、人気のゲームで一緒に遊んだりしてもらいました。卒業した後も、毎年、年賀状も送ってくださったりして。

── じゃあ、今の瀬戸さんの活躍を喜んでらっしゃるんじゃないですか?

実は自分が芸能活動をやっていることは先生には一切言ってないんですよ。だから、先生が僕がこの仕事をしていることを気づいてくれているかはわからないんですけど、自分の中でいちばん思い出に残っている先生です。

── 2019年はいろんな作品で瀬戸さんの活躍を見ることができた1年だったかなと思います。瀬戸さん自身はどう振り返りますか?

自分の新たな一面を広げられた年だったかなと思います。だからこそ、2020年はもっとたくさん新しいところを見せたいし、そのために今からたくさん準備をしなくちゃなって。

── 新しいことに挑戦することで、課題にぶつかることもありましたか?

もちろんあります。俳優の仕事を始めて6年目なんですけど、お芝居の難しさというか深さに改めて気づいた1年でもあって。考えることもやることもまだまだいっぱいだなって思います。それがこの仕事のやりがいでもあるんですけど。

── 改めて気づいたお芝居の難しさや深さというのは、具体的には?

たとえば、役を大きく2つに分類するとしたら、明るい役かクールな役の2つがあって。そこから細かくいろんな性格や特徴に分かれていくと思うんですけど、僕はまだまだその線引きが少ない。もっと細かく演じ分けることができたら、ひとつひとつの役をより繊細に表現できるのになって。

── より複雑で多層的な表現ができるようになりたい、と。

そうですね。同じクールなキャラクターであったとしても、もっといろんなクールさが表現できるようになりたいし、明るい役も単に明るいだけじゃなく、いろんな側面を見せられるようになりたい。何をやっても同じだねって言われるのが、この仕事をしていていちばん嫌だなって思うから。いろんな役ができるねって言われるようになりたいし、それがいちばん役者冥利に尽きること。2020年の1年でそれが100%できるようになるのは難しいかもしれないけど、その片鱗をちょっとでも垣間見せることのできる1年にしたいです!

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(撮影/高橋那月、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘアメイク/窪田健吾、スタイリング/山田莉樹)

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