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リョウガの唇を奪うのは誰?「コント×超特急」初の有観客公演は虚実入り交じる愛と涙の物語に

ナタリー

雨太郎(左)に愛の告白をする4兄弟。

超特急のコント公演「コント×超特急 其ノ弐 ~初キス大作戦~」が、7月26、27日に東京・ヒューリックホール東京で行われた。

「コント×超特急」は超特急がフジテレビのコント制作チームとタッグを組み、本格的にコントに挑戦する企画。6月に無観客配信という形で初回公演が行われ、超特急の5人は貪欲に笑いに向き合う熱演で8号車(超特急ファンの呼称)に新たな一面を提示した。初の有観客公演として行われた今回の第2弾のサブタイトルは「初キス大作戦」。いったいこれからどのようなコントが繰り広げられるのか、開演前のホールには8号車の期待と緊張が入り交じる熱気が充満していた。2日間にわたって行われた公演のうち、この記事では2日目の模様をレポートする。

2回目の「コント×超特急」は前回と同様、ファミレスにたむろするチャラ男3人組の小気味よい会話劇で幕を開けた。カイ、リョウガ、ユーキが演じるチャラ男たちは「マジンコミジンコ?」など独特の若者言葉を駆使しながら、仲間のタカシの合流を待っている。するとタカシからは「今から映画を観に行くから合流できない」と電話が。タカシが観に行くという映画のタイトルは「五等分の花婿」。この映画タイトルを確認する流れで「後藤くんのお新香?」(リョウガ)、「君の分のカプリコ?」(カイ)、「多摩川のタマっこ?(正しくはタマちゃん)」(ユーキ)とひとしきりボケ合戦を繰り広げつつ、3人も「五等分の花婿」を鑑賞すべく席を立ち上がった。

この日の公演は、この「五等分の花婿」という長編コントを軸に進行していった。物語は、リョウガ演じる動画クリエイター・下柳雨太郎が、YouTuberユニットを組む上野家の5人兄弟の“YouTubeの家庭教師”を請け負うところから始まる。兄弟が所属する事務所の社長から「半年でチャンネル登録者数を10万人に」という依頼を受けて上野家を訪れた雨太郎を待っていたのは、一郎から四郎までの兄弟4人。タカシ演じる生真面目な長男・一郎、タクヤ演じる反抗的な次男・二郎、カイ演じるなまり言葉の三男・三郎、ユーキ演じる天真爛漫な四男・四郎と、見事に個性がバラバラな彼らは初対面から雨太郎を振り回す。“迷惑系YouTuber”だった雨太郎の過去を知る二郎から「誰がこんなヤツを家庭教師に」と反発された雨太郎は即座に土下座して頼み込み、二郎が得意とする動画ジャンルの「全力◯◯」に兄弟と挑戦することに。ここで雨太郎が3度にわたってカメラ目線で披露し、兄弟から「気持ち悪い」と酷評された「全力キス顔」が、物語の伏線となり終盤の展開へとつながっていく。

上野兄弟のポテンシャルを信じ、人気獲得のため全力で家庭教師に取り組む雨太郎は、さまざまなチャレンジを課しながら4人との距離を縮めていく。「爆速動画」という課題では兄弟たちがギャグや歌唱の“爆速パフォーマンス”に挑戦。持ち前のダンススキルを生かしたムーンウォークを織り交ぜつつ、ユーキが爆速のコウメ太夫を披露すると、タクヤは思わず素のテンションで「これはおもろい!」と笑い、カイも「四郎(ユーキ)で初めて笑ったかも(笑)」と続く。タカシも自慢の喉で「きよしのズンドコ節」を爆速歌唱し、彼の歌声に四郎は「目からウロコ!」と瞳を輝かせていた。

初対面から雨太郎に好意的だった四郎、落ち込んだところを雨太郎に優しくフォローされた三郎、「爆速動画」でのがんばりを雨太郎にほめられた一郎……と、兄弟たちが次々に雨太郎に心を許していく中、二郎だけは心を開かず「一郎は雨太郎のことが好きなんだろ! 長男だからって気持ち隠して、三郎や四郎に気持ち譲ってんじゃねえよ!」と声を荒げる。この言葉にショックを受けた一郎は家を飛び出し、雨太郎は慌てて一郎を追いかけて舞台袖へと姿を消した。

「五等分の花婿」の場面転換の際にはVTRのミニコーナーが差し込まれ、物語の本筋とはがらりと異なる瞬発的な笑いで8号車を楽しませた超特急。「THE FIRST TAKE」のパロディコーナーではそれぞれがアントニオ猪木の一発撮りモノマネを披露し、カイは「出る前に負けること考えるバカいるかよ!」とリポーターをビンタした猪木を再現するという、“細かすぎる”モノマネにチャレンジしてみせた。

雨太郎が一郎を追いかけてたどり着いたものまねパブのシーンでは、リョウガ以外の4人が著名人のモノマネに挑戦。カイは「偽原隼人」、タクヤは「阿乃寛」、ユーキは「真似手友梨奈」、タカシは一郎が扮する「似川きよし」としてやりとりを繰り広げた。「ルーキーズ」「ドラゴン桜」の名セリフや「サイレントマジョリティー」の歌詞を引用しながらボケ合戦を繰り広げる4人にタジタジになりながらも、リョウガ扮する雨太郎は鮮やかなツッコミでボケをさばいていく。そして雨太郎は、似川きよしとして自分の道を進もうとする一郎を思い留まらせ、彼の手を引いてものまねパブから上野家へと逃げ帰った。

初回の「コント×超特急」では競馬場を舞台にクセの強いオリジナルキャラを生み出し演じていた超特急だが、独創的なオリジナルキャラを作り出す場面は「五等分の花婿」にも盛り込まれた。それは、雨太郎が二郎との距離を縮めるために渋谷で街頭インタビューの撮影に挑戦するシーン。ユーキ、カイ、タカシの3人は、それぞれがド派手なDJ風のハイテンションガール、2種類の高笑いを駆使しながら呼吸するように嘘をつく野球帽の中年男性、平成からやってきた安室ちゃんリスペクトのパラパラ女子高生に扮し、雨太郎と二郎を笑わせにかかった。謎すぎるキャラ設定と3人の振り切れたテンションに、客席からも思わず笑い声が漏れる。なお、この場面では二郎が手にするムービーカメラの映像が実際にステージ上のビジョンに映し出され、臨場感の際立つ演出でクセの強い通行人たちへのインタビューが観客へと届けられた。

最後まで素直になれなかった二郎がついに雨太郎への好意を認め、兄弟がもれなく雨太郎を慕う“恋のライバル”であることがわかると、物語はいよいよクライマックスへ。偽らざる気持ちを吐露する4人を演じるメンバーの演技にも熱がこもり、「今日からは全員がライバルだ!」と宣言した二郎は「雨太郎の好きなところ、言っていけよ!」と残る3人にけしかける。二郎の言葉に応じ、兄弟たちは「雨太郎の好きなところ」を1人ずつ言い合うことになったが……4人はなぜか、雨太郎の“中の人”の好きなところを喧嘩腰で発表。一郎が「隙あらば自分のゲーム実況チャンネルの告知をするところ!」と口火を切ると、三郎の「普段は身だしなみに気を使わないのに、8号車の前に出るときだけGUCCIの香水をつけるのが好きだ!」という暴露には壇上のみならず客席全体も色めき立ち、二郎も思わず「だから全然(香水が)減らないんだよね(笑)」と補足する。「肘の間の匂い」「おならの匂い(が好き)」と言って周囲を引かせた二郎に続き、一郎は「意外と胸毛が濃いところ」とさらなる“爆弾”を投下して、「それは(言っちゃ)ダメ!(笑)」と残る兄弟を慌てさせる。そして四郎は「コントに本気になったのか、今日のリハ中に熱い思いをぶつけてきたところ。“数十年ぶり”にリョウガが声を荒げてるのを見た」と、この日のリハーサル中に起きた出来事を明かす。するとそれを聞いていたカイは「それは、お前にミスがあったからでしょ(笑)」と、ユーキに原因があったことを明かし、このやりとりに会場は笑いに包まれた。

兄弟4人が雨太郎に思いを伝え、それぞれが雨太郎への誕生日プレゼントにその思いを託して迎えたのは、家庭教師の活動期限を迎えた最終日。チャンネル登録者数は10万人に一歩及ばず、雨太郎は上野家を去ることを決める。兄弟が必死で雨太郎を引き止めようとするラストシーンでは、4人それぞれへの思いとエールを言葉に込める雨太郎の長セリフに、観客が思わず息を呑んだ。リョウガは自然体の演技と流れるような言い回しで兄弟へ向けた雨太郎の思いを表現し、観る者をぐんぐんと物語の世界観へと引き込んでいく。コントライブだということを忘れさせるようなリョウガの熱演に感化されたのか、一郎を演じるタカシも「僕は雨太郎くんのことが好きだ。君が望むならどんなことでもできる!」と涙を流しながらの演技で雨太郎への熱い思いを伝え、メンバーを困惑させてみせた。

一郎に続いて、残る3人も雨太郎に最後の告白。「こんな気持ち、初めてです」といじらしく迫る四郎を横目に、三郎は「俺だって“ハム太郎”のことさ好きだ!」「“すぱじろう”のことが……」「“キャベツ太郎”が……」と最後までボケ続けてシリアスな展開を和らげる。そして、二郎が雨太郎に投げかけたのは「最後に1人選んでキスしてほしい。そうすればほかの3人はあきらめられるから」というリクエスト。「お願いします!」と右手を伸ばす4人の前に立つ雨太郎の一挙手一投足を、8号車は緊張感いっぱいに見守る。会場中の視線が注がれる中、雨太郎がつかんだのは四郎の手。四郎の“中の人”に向けて雨太郎が「“仲直り”のキスだ」と言い放つと、会場はこの日一番の高揚感に包まれた。一郎、二郎、三郎は「おめでとう!」と2人を祝福し、四郎はノリノリで「あつーいキスください! こんな気持初めてです!」とリクエスト。大盛り上がりの客席に「拍手はいらないんだよ!(笑)」とツッコみつつ、雨太郎は「お前、頭小さいんだな」と言いながら四郎を引き寄せ、キスを交わした。

「五等分の花婿」がハッピーエンディングを迎え、コントは架空の音楽番組「MUSIC AIRPORT」のシチュエーションで幕を下ろす。前回のコントで披露された「MUSIC AIRPORT」にも登場したキャラクターである“LINEスタンプで会話する覆面アーティスト”・YORUDANは、実は上野5兄弟の末っ子・五郎だったこともこの日明かされた。1時間半を超える物語での熱演を終え、メンバーは1人ずつ新たな挑戦を終えたばかりの心境を語る。常に朗らかで楽しげなスタンスを保ちながらも積極的に笑いを取りに行ったカイは「ひさしぶりに8号車の笑い声を聞けて安心しましたし、楽しい時間を過ごせたなと思います」と言葉に充実感をにじませ、キレのある演技と時折見せる自然体な笑顔でコントの世界観を形作っていたタクヤは「前回よりもパワーアップしたコントを見せられたと思います。ステップアップを実感できているので、もっと8号車の期待に応えられるように(スキルを)磨いていきたいです」とカイに続いた。

徹底したキャラ作りでコントに向き合い、持ち前の天真爛漫さでも会場を和ませたユーキは「どんどんメンタルが鍛えられてます」と笑いつつ「今日この場の空気感から生まれる笑いがあって。そんなところを楽しんでもらえたら幸せ、本望でございます」とコメント。演技力と歌唱力をフルパワーで発揮し、実際は最年少ながらクールな長男を演じきったタカシは「回数を重ねていくことでいろんな僕らを見せられるのがうれしいです。コントができることを強みとして、グループが進化していけたら」と未来を見据える。そして、膨大なセリフ量の演技に4人のボケを鮮やかにさばくツッコミ役と、八面六臂の活躍を見せたリョウガは「8号車がいると全然空気感が違います」と観客に感謝の思いを伝え「皆さんが笑ってくれたり、(配信視聴で)コメントをくださると緊張やプレッシャーが吹っ飛んで、僕たち自身も楽しめるんです。一流のスタッフとやらせていただいて、求められるものも難しくくじけそうになることもあるんですけど……要約すると、皆さんが笑ってくださるから僕らはいろんなことに挑戦できるんです。これからも、こういったコントで感情を動かしてもらえたらうれしいです」と、5人の挨拶を締めくくった。

本公演は8月2日(月)23:59まで、アーカイブ配信を実施中。視聴に関する詳細は「コント×超特急」のオフィシャルページで確認を。

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