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「アジアの天使」石井裕也と池松壮亮、ビールと愛で仲深めた現場語る

ナタリー

「アジアの天使」Q&Aイベントにて、左から池松壮亮、石井裕也。

「アジアの天使」のQ&Aイベントが本日6月28日に東京・日本外国特派員協会で行われ、主演の池松壮亮、監督の石井裕也が出席した。

本作は、それぞれ心に傷を持つ日本人と韓国人の家族がソウルで出会い、ともに不思議な旅を繰り広げるロードムービー。妻を病気で亡くしたシングルファーザー・青木剛を池松、元アイドルで売れない歌手ソルをチェ・ヒソ、ソウルでその日暮らしの生活を送る剛の兄・透をオダギリジョーが演じた。

オール韓国ロケが行われた本作。石井とプロデューサーのパク・ジョンボムが知り合い、友情を育む中で企画が進み始めた。石井は「パク・ボンジョムとの出会いは奇跡的でした。つたない英語でコミュニケーションを取り合うんですけど、言語的な理解は6割から7割ほど。でもビールを3杯飲むと120%理解し合えるんです(笑)。そういう関係性で、友情と人生の可能性を互いに探りながらこれまでやって来ました」と振り返る。劇中では登場人物たちが言葉を超えて絆を深めていくが、日韓のスタッフ・キャストが共存する現場と重なったようで、「自分の経験をもとに脚本を書いて撮影に臨んだら、キャストやスタッフも“ビール”と“愛”を介したコミュニケーションを取っていて。すべてリンクしていました」と語った。

池松は久々に海外との共同製作の映画に出演したことに言及。子役時代に「ラスト サムライ」に出演したことが有名だが、「実際にちゃんと俳優をやろうと思ったのは20歳を過ぎてから。上京して大学に通い、10年間は日本映画と向き合おうと決めていました。それから10年経ち、外に目が向き始めた頃にこの映画の企画が立ち上がって。内容も含めて『今だな』と感じました」と明かす。撮影現場については「言葉は通じないし、みんな『乾杯』と言って笑うだけなんですけど、目の前の人とコネクトすることをあきらめないよう全員が自分に課していた気がします」と述べ、キャストやスタッフの志の高さをたたえた。

また石井は、パク・ジョンボムとの友情について「30歳を過ぎてから親友と呼べる人ができるなんて思っていなかったけど、それは自分が勝手に決めつけていただけ。人生はそれぐらい自由」と熱弁し、「コロナウイルスや東日本大震災のように悪いことも起こるけど、いいことだってある。それを奇跡的だと信じ合える人がいることの価値を、どうしても映画にしたいと思いました」と企画経緯に触れる。劇中に登場する“天使”の姿の意外性について質問が及ぶと、「自分が信じるものは自分で決めていい。その姿はなんだっていいし、これが天使だ、これが愛だ、これが奇跡だと信じられること、そしてそれを一緒に信じてくれる人がいることが重要なんです」と力を込めた。

「アジアの天使」は7月2日より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。

※記事初出時、一部事実と異なる記述がありました。お詫びして訂正します。

(c) 2021 The Asian Angel Film Partners

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