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いま、最高の一本に出会える

「帰れない二人」記者会見の様子。

ジャ・ジャンクー来日、過去作映像を差し込んだ理由は“人間の顔つきの違い”

ナタリー

19/7/25(木) 15:28

「帰れない二人」の記者会見が本日7月25日に東京・Bunkamuraで行われ、監督のジャ・ジャンクー、キャストのチャオ・タオ、プロデューサーの市山尚三が出席した。

21世紀の中国を舞台とする本作は、ヤクザ者の男ビンとその恋人チャオの17年にわたる愛を描き出すラブストーリー。「山河ノスタルジア」「罪の手ざわり」のチャオ・タオがチャオを演じた。

2001年から2017年までの長い時間軸で描かれた本作。その理由を聞かれたジャ・ジャンクーは「経済や政治の変化は人々に直接的に影響を及ぼします。自分が今どのような状況に置かれ、どのような問題に直面しているのか考えるときに、長いスパンで人間を観察することが大事です」と説く。「つまり、歴史の中で人間を理解するということ。そのうえでマクロな視点から人を見て、映画で語るということを選びました」と述懐する。

物語の起点を2001年としたことにも意味が。「中国がWTO(世界貿易機関)に加盟し、北京オリンピックの開催も決定、インターネットが社会に入ってきた年でもある。シンボリックな事象が現れ、中国に生きる人々にライフスタイルの変化をもたらしていったんです」と背景を説明する。また、「主人公2人は古い社会の処世術、やり方を心得ていた。しかし新しい社会に入っていったとき、新しいものに対処する方法がそれぞれ違います。そこでラブストーリーに変化が生まれてくるんです」と2人の心情との関係も話す。

「青の稲妻」の映像を今作で引用した理由を尋ねる声も上がった。それに対しジャ・ジャンクーは「当時の車やバイク、道も今と全然違いますが、なんといっても人間の顔つきが違います。それが非常に重要でした」と前置きをする。続けて、「2001年の中国は今のように豊かではなかったので、人々は痩せていて黒っぽい感じです。現代の人の顔では2001年の空気は表現しづらい。それで、2001年を描く部分に以前撮った素材を持ってくるべきじゃないかという話になったんです。それで昔の素材を使い編集することになりました」と経緯を明かした。「チャオが文化センターのようなところで舞台を観るシーンでは、舞台のカットは2006年に撮った素材、舞台を観ているチャオチャオのカットは2018年に撮った素材を使っています」というエピソードも披露する。

チャオを演じたチャオ・タオは役について「17年の変化を想像力を持って演じていった」と述べ、「20代から40代まで幅広い年齢を演じたことはチャレンジングで面白い経験でした」と振り返った。市山は本作がすでに世界各地で上映されていることを話しつつ、「中国では、ジャ・ジャンクー作品の中でも一番お客さんが入った映画になった。驚いてるのは、アメリカでかなり多くの人に観られていること。画期的な数字となったが、なぜアメリカで受けているのかはわからない」と予想外の反応に面食らった様子を見せていた。

「帰れない二人」は東京のBunkamura ル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国で9月6日より順次公開。

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