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本作が描く“最大の問題”は? 製作者が語る映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

ぴあ

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

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トム・ホランドが主演を務める映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が明日から公開になる。スパイダーマンはこれまで様々なかたちで映像化されてきたが、本シリーズの最大の特徴は、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)にスパイダーマンが参入したことだろう。製作を務めたケヴィン・ファイギとエイミー・パスカルは長い時間をかけて、これまでにないスパイダーマン映画を作り上げてきた。

サム・ライミ監督が三部作を発表し、その後にマーク・ウェブ監督が2作品を公開した後、スパイダーマンはアイアンマンやキャプテン・アメリカらが活躍するMCUに参入することになった。2015年にソニー・ピクチャーズ エンタテインメントとマーベル・スタジオがパートナーシップを結ぶことが発表になると大きな話題になったが、マーベル・スタジオを束ねるケヴィン・ファイギはその際に“ふたつのアイデア”を提案したと振り返る。

「ひとつはスパイダーマンの年齢をもっと若くして、高校生活に入ったばかりで、パワーを持っていることに対処しながら高校生活を楽しんでいる物語を描くこと。もうひとつは、より広いマーベル・ユニバースを舞台にすることで、そこに他のヒーローがいることでした」

新生スパイダーマンは、ヒーロー集団アベンジャーズに分裂の危機が訪れた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に登場し、2017年に『スパイダーマン: ホームカミング』で主演デビュー。製作陣は新鋭のジョン・ワッツ監督を抜擢し、これまでにないスパイダーマン映画を目指した。

「ジョンが参加した時、彼はジョン・ヒューズの映画のようにやりたいと言ったの」とエイミー・パスカルは説明する。ジョン・ヒューズは『ブレックファスト・クラブ』や『フェリスはある朝突然に』など数々の青春コメディを手がけた監督だ。

「それが最初から一貫したアイデアだった。ジョンは地に足のついた感性をもたらしてくれる。私たちがセットを検討していると、彼はいつも“だめだよ、もっと落として”って言うの。それは大きすぎる。贅沢すぎる。それはピーターの世界ではない。もし君がピーター・パーカーだとしたら、そんな風ではないだろう、と。彼は常に世界が地に足の着いたものであることを確認しているの。映画の舞台をMCUの周辺に設定するというのは、すべてジョンの感性によるものよ」

これまでも主人公ピーター・パーカーは良き隣人だったが、本シリーズになってさらに身近な存在になった。彼はスパイダーマンとして活動しているのに、クラスに好きな子がいると集中できなくなるし、親友に正体が早々にバレるし、ついにはスパイダーマンであることを放棄して旅行に出掛けてしまったりもする。しかし、2本の映画が公開され、その結末ではピーター・パーカーがスパイダーマンであることが全世界に知れ渡ってしまう。シリーズ最大のピンチだ。

「脚本家のエリック・ソマーズ、クリス・マッケナ、監督のジョン・ワッツ、そしてエイミー・パスカルと一緒に座って、ブレインストーミングを始めた。次に何が起こるのか? 『ファー・フロム・ホーム』で彼の正体が明らかになったという事実から逃げたくないと思っていたし、それが常に出発点だった。ピーターはMCUの中でこの問題をなかったことにするために何ができるのか? そこで僕らは、彼がドクター・ストレンジのことを知っていると気がついた。

ドクター・ストレンジに頼めば、魔法のようにすべてを解決してくれたり、時間を戻してくれたり、呪文を唱えて人生が元通りになるようなことをしてくれるかもしれない。ドクター・ストレンジは確かに忘却の魔術を持っているが、ピーターは全員には忘れて欲しくはないのだと言う。メイおばさんにも、ハッピーにも、MJにも、ネッドにも知っていてもらいたい。我々のユニバースでは、ピーターはひとりではない。彼には心強い仲間がいて、それを失いたくはないんだ」(ファイギ)

ピーターが迷う中、あるトラブルが発生し、多次元(マルチバース)の扉が開かれ、みんながピーターことを忘れるどころか、逆に様々な世界からスパイダーマンを知る悪役たちが出現してしまう。

「みんながスパイダーマンの正体を知ってしまった時に見せる反応は、アイアンマンの時とは正反対なのよ」とパスカルは言う。「正体がわかったら、みんながもっと自分のことを愛してくれるだろうと思い描いていた夢は、ピーターにとっては正反対になってしまう。ピーターの場合、すべてがうまくいかなくなる。つまり、彼はいつもそうであるように、世界で最も悪い運を持っているのよ。そして、彼の立場は逆転してしまう。この映画は、最悪の悪夢が起こってしまったことに対して、必死に持ち堪えようとする彼の姿を描いているの」

この状況にピーターがどう立ち向かうのかは観てのお楽しみだが、本作はアクションやサプライズをたっぷりと描きながら、同時に誰もが経験する人生の岐路や、観客の胸をうつ感動のドラマも描かれる。

ファイギは「ピーターが本当に望んでいるのは、高校生最後の年になって普通の子のような経験をすること。それがヒーローであることと普通の子であることの葛藤になるんだ」と言い、パスカルは「この映画で見られるのは、スパイダーマンのすべてに対するセレブレーションとなるもので、ある意味で私にとって信じられないほど感動的なものになると思う。観客のみなさんもきっと同じように感じてくれると思うわ」と語る。

劇中では様々なことが起こるが、今回の騒動は、ファイギ曰く「ピーターはひとりではない。彼には心強い仲間がいて、それを失いたくはない」ことから発生する。これまでのスパイダーマンの映画やアニメーションでは多くの場合、スパイダーマンは単独で行動していた。誰もその正体を知らなかった。しかし、本作では彼には仲間がいる。その正体を全世界が知っている。だからこそピーターは、正体を知られたことで起こった騒動と、仲間を失いたくない気持ちの間で引き裂かれてしまう。

シリーズ最大の、最難の問題にピーター・パーカーはどんな決断を下すのか? 衝撃的で、感動必至のドラマが明日、ついに解禁になる。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
1月7日(金)公開

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