Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

すでにスタートダッシュを切っている! 杉咲花、北村匠海ら、2021年も期待の丑年生まれ俳優陣

リアルサウンド

21/1/1(金) 6:00

 毎年この時期になると、筆者にとって恒例となっている“年男・年女”の俳優たちに注目する本企画。さて、2021年は「丑年」である。すでにスタートダッシュを切っている杉咲花、北村匠海、松本穂香たちなど、おもに“若手”の演技者たちに注目したい。

 朝ドラ・ヒロインという大役を務める『おちょやん』(NHK総合)が、激動の2020年の終盤にスタートした杉咲花。彼女にとっても大変な年だったのではないかと思うが、出演した『弥生、三月-君を愛した30年-』や主演作『青くて痛くて脆い』も無事に公開され、有終の美を飾るかたちになったのではないかと思う。彼女の名にふさわしく、花を咲かせたわけだ。しかしまだ咲きはじめたばかり。彼女が『おちょやん』で演じるのは、日本が誇る名女優・浪花千栄子をモデルとした存在。映画史に名を残す演技者を、若き演技者である杉咲がどのように体現していくのか注目だ。

 北村匠海には、ここしばらく驚かされっぱなしである。2020年は『サヨナラまでの30分』『思い、思われ、ふり、ふられ』『とんかつDJアゲ太郎』『さくら』と、毛色のまったく異なる主演作が公開。それらでの北村を目にするたびに、彼の器用さと表現力の高さに“パンチ”をもらったものだった。そして、とどめを刺してきたのが前・後編から成る大作『アンダードッグ』でのボクサー役だ。北村演じるボクサーが自身の尊厳を賭けて闘う姿には、彼もまた主役の一人だと思えた。完全に“ノックアウト”された方も多いことだろう。この勢いに乗って、さっそく1月からは『にじいろカルテ』(テレビ朝日系)でお茶の間に顔を見せる。『砕け散るところを見せてあげる』や、公開延期となっていた主演作『東京リベンジャーズ』も満を持してお目見え。次はどんなパンチが飛んでくるのだろう。

 近年、その存在感を一気に増している松本穂香は、『his』『青くて痛くて脆い』に、『酔うと化け物になる父がつらい』『君が世界のはじまり』『みをつくし料理帖』と、主演を務めた映画が3作も公開。それに加え、アニメ映画『君は彼方』でも主演声優を担当している。松本は作品の規模、ジャンル、自身の演じる役どころを問わず各作品にフィット。いずれの作品、あるいは役を見ていても、彼女にしか演じられないものなのだと素直に思わされる。「この役を演じるのは、松本穂香でなければならない」ーーと、ときおり関係者から聞かされるのだが、納得である。彼女にとってそんな作品や配役の情報が、これからまた明かされていくのではないだろうか。

 2020年はスクリーンでその姿を見ることは叶わなかったものの、テレビドラマでお茶の間をにぎわせた平野紫耀と小芝風花。平野の俳優活動に関しては、中島健人とダブル主演を務めた『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)のみだったが、彼が演じた天然でひたむきな人物像は平野自身とも重なり、ハマリ役であった。『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)のヒロイン役でコメディエンヌぶりを発揮した小芝は、『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)で民放の連ドラ初主演。『書類を男にしただけで』(TBS系)でも主演を務めた。彼らの快活さは見る者に元気を与えるーーテレビモニター越しに見た二人の快活な姿を振り返ってみれば、これに頷く方は多いはず。今年はその姿をスクリーン越しにも見られることを願いたい。

 この2021年にかぎらず、これからの俳優人生における、重要な布石を打った芋生悠と萩原みのりも丑年だ。思い返せば両者ともに、『37セカンズ』で重要な役どころを担った存在。この二人のことをまだきちんと認識できていない方は、いますぐに過去の出演作に触れて欲しい。2020年に芋生は『ソワレ』で主演を務め、多くの観客に驚きを与えた。彼女の声や仕草、表情からは、演じる人物の“痛み”までもが伝わってくる。

 萩原は主演の一人を務めた『転がるビー玉』をはじめとし、『僕の好きな女の子』『アンダードッグ』『佐々木、イン、マイマイン』などいくつもの作品で、映画ファンを虜にした俳優の一人だろう。芋生もそうだが、両者とも映画を観る者に幸福感を与える(それがどんなタイプの作品であれだ!)。今年の芋生は大作『HOKUSAI』などの公開が控え、萩原は『街の上で』で魅力的なヒロイン・カルテットの一人を務め上げている。のんびりしていると彼女たちのスピードに置いていかれるだろう。追いつけなくなる前に、確実に押さえておかねばならない存在である。

 徐々に存在感を増す甲斐翔真、2021年は大きな動きを見せてくれそうな堀家一希も丑年生まれだ。甲斐は『シグナル100』『君が世界のはじまり』『#ハンド全力』の映画3作でしっかりと自身の存在をアピールし、堀家は出演した『東京リベンジャーズ』が延期になってしまったため、楽しみを先延ばしにされることとなったが、いよいよ『泣くな赤鬼』(2019年)ぶりにスクリーンに帰ってくる。両者ともに応援したい。

 そして、映画、ドラマ、舞台にと、どこにいても素晴らしい村上虹郎も丑年だが、まだその年齢だったのかと驚きだ。しかし、もう何も言うまい。デビュー作『2つ目の窓』(2014年)の頃からみなが彼を見守り、追いかけ、その功績を目の当たりにしてきた。今年もそれを続けるだけのことである。この世代は、ここに名前を挙げた者たちだけでなく、桜井日奈子や芳根京子、福地桃子など、期待をかけてしまう俳優は枚挙にいとまがない。ちなみにこの一回り上の世代だと、蒼井優に満島ひかり、松田翔太らがいる。彼らがどのような1年を歩むのか、注目だ。

■折田侑駿
1990年生まれ。文筆家。主な守備範囲は、映画、演劇、俳優、服飾、酒場など。最も好きな監督は増村保造。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おちょやん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45
※土曜は1週間を振り返り
出演:杉咲花、成田凌、篠原涼子、トータス松本、井川遥、中村鴈治郎、名倉潤、板尾創路、 星田英利、いしのようこ、宮田圭子、西川忠志、東野絢香、若葉竜也、西村和彦、映美くらら、渋谷天外、若村麻由美ほか
語り:桂吉弥
脚本:八津弘幸
制作統括:櫻井壮一、熊野律時
音楽:サキタハヂメ
演出:椰川善郎、盆子原誠ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/ochoyan/

『にじいろカルテ』
テレビ朝日系にて、2021年1月21日(木)スタート 毎週木曜21:00〜21:54放送
※初回拡大スペシャル
出演:高畑充希、井浦新、北村匠海、安達祐実、眞島秀和、光石研、西田尚美、泉谷しげる、水野美紀、モト冬樹、半海一晃、池田良、水野久美
脚本:岡田惠和
演出:深川栄洋
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサ:貴島彩理(テレビ朝日)、松野千鶴子(アズバーズ)、岡美鶴(アズバーズ)
制作:テレビ朝日、アズバーズ
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/nijiiro/

『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』
テレビ朝日系にて、2021年1月スタート 毎週土曜23:00~23:30放送
出演:小芝風花ほか
脚本:橋部敦子
演出:竹園元(テレビ朝日)、常廣丈太(テレビ朝日)、鎌田敏明
音楽プロデュース:S.E.N.S. Company
音楽:森英治
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:竹園元、中込卓也(テレビ朝日)、布施等(MMJ)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:メディアミックス・ジャパン(MMJ)
企画協力:オスカープロモーション
(c)テレビ朝日

『連続ドラマW 華麗なる一族』
WOWOWプライムにて、2021年4月18日(日)スタート 毎週日曜22:00〜放送(全12話)
出演:中井貴一、向井理、藤ヶ谷太輔、吉岡里帆、松本穂香、要潤、美村里江、笹本玲奈、福本莉子、麻生祐未、内田有紀ほか
原作:山崎豊子『華麗なる一族』(新潮文庫刊)
脚本:前川洋一
監督:西浦正記、池澤辰也ほか
チーフプロデューサー:青木泰憲
制作協力:角川大映スタジオ
製作著作:WOWOW
公式サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/ichizoku/

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む