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喜多村みかの写真展『TOPOS』、長崎と広島を撮影した『VOCA展』出展作も

CINRA.NET

19/10/20(日) 21:00

喜多村みかの写真展『TOPOS』が、10月31日から東京・高田馬場のAlt_Mediumで開催される。

喜多村みかは1982年生まれ、福岡出身の写真家。主にスナップショットによって身近でありながら距離感がある世界を表現する。2013年に写真集『Einmal ist Keinmal』を刊行。

同展では、今年3月に東京・上野の森美術館で開催された『VOCA展2019 現代美術の展望―新しい平面の作家たち―』で、水戸芸術館現代美術センターの学芸員である山峰潤也の推薦を受けて出品され、「大原美術館賞」を受賞した作品『TOPOS』を展示する。同作品は喜多村が中学生時代を過ごした長崎と広島を撮影したもの。喜多村が長崎でも広島でもない場所で平和記念式典のテレビ放送の様子を撮影し、「遠くのどこか」を眺める行為について思いを巡らせたことが本作へと繋がったという。

11月2日にはオープニングパーティー、11月3日にはゲストに山峰潤也、ファシリテーターに写真家の篠田優を迎えるトークショーを開催。詳細はAlt_Mediumのオフィシャルサイトをチェックしよう。

喜多村みかのコメント

中学時代を過ごした長崎を訪れて、はじめは自分の痕跡を辿るように、あてもなく写真を撮り始めました。間もなく、それまで直接的には縁のなかった広島にも足を運ぶようになり、それ以来、ふたつの街へ定期的に通って撮影をしてきました。私は、普段写真を撮るときと同じように歩き、写真を撮りためていきました。それが果たしてどこの街なのか、判別のつかないような写真も多くありました。作品にするかどうかをずっと迷いながらも撮影を続け、数年が経ったある年の8月6日と9日、私は広島と長崎のどちらにもおらず、テレビの中継を通して両方の平和記念式典の様子を観ていました。そして、カメラを向け、シャッターを切りました。暗い部屋にぼんやりとテレビの画面が浮かび上がったようなそれらの写真をあとで眺めていると、その場所にいなかったことや、画面を通して“遠くのどこか”を眺めていたことが、とても象徴的な出来事に感じました。自分が今いるところが、だれかにとっての“遠くのどこか”にもなり得ること。以前、自分の写真について「何気ない風景は、それ自体が何気なく振舞っているわけではない」というようなことを書いたことがあります。すべての場所に言えるのは、そこは何かが起こった後であり、何かが起きる前だと。広島と長崎の現在を記録することは、ひとつには、自分自身がどこかの場所に思いを巡らせ続ける為の方法として捉え、撮影を続けています。

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