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海外映画取材といえばこの人! 渡辺麻紀が見た聞いた! ハリウッド アノ人のホントの顔

ピーター・ジャクソン

連載

第23回

── 今回はピーター・ジャクソン(以下PJ)ですね。彼が監督したドキュメンタリー『彼らは生きていた』が1月31日に公開されます。

『彼らは生きていた』

渡辺 Amazonプライムでもお金を払えば観られるようですが、大画面で観たいという人のために公開すると聞いています。第一次世界大戦の英国軍兵士たちを捉えたドキュメンタリー映像とそれをカラーライズしたもの、軍人たちの保存されていた音声を組み合わせて作った作品のようです。

彼らの声がナレーションの役目を果たしているんですが、その言葉もリアルなら映像もこれまでほぼ観たことのないもの。驚くほど激しくて残酷です。スプラッタ映画も裸足で逃げ出すくらい(笑)。グチャグチャになった死体がその辺に転がっている状況が、彼らに取っては普通ということが伝わってくる。

── それは凄いですね。

渡辺 そもそもPJは『バッド・テイスト』(87)や『ブレインデッド』(92)など、スプラッタ映画からキャリアを始めた人なので、そういうのは大好き。だから、こういう新しい切り口になったんだと思います。それにPJって複葉機が好きだったりするので、戦争も第二次大戦より第一次なんでしょうね。その辺の趣味は宮崎駿と似ているかもしれない(笑)。

彼の趣味と見事に一致したドキュメンタリーになっている。自分でリメイクした『キング・コング』(05)のときも、複葉機のパイロット役でカメオ出演してますからね。

ロンドン映画祭で行われた『彼らは生きていた』プレミア上映で、英国のウィリアム王子と並んで本編を観るPJ。

── 麻紀さんはPJの大ファンなんですよね?

渡辺 そうです。大好きです。『ブレイン・デッド』に驚き、次に観た『乙女の祈り』(94)で、その引き出しの多さに感心し『ロード・オブ・ザ・リング』(以下『LOTR』)シリーズ(01~03)で夢中になったクチです。しかも、そのあとが『キング・コング』のリメイクですからね。あまりに趣味が合うんでどうしようかと(笑)。

── 何度くらいインタビューしているんですか?

渡辺 あらためて確認したことはないけど、ふた桁いくくらいはやっていると思う。初めては『LOTR』の1作目で、やってないのは『ホビット 決戦のゆくえ』(14)と今回の『彼らは生きていた』だけかな。あとは1作品につき複数回やっている場合が多かったので、回数だけだとかなり多くなる。

最初は『LOTR』のニュージーランドのセットビジットでしたね。サインを頼んだら「Hi Maki!」って書いてくれた。かわいいいなーって(笑)。その後も何度もセットビジットさせてもらっているんですが、たとえ寒くても短パン、破れたところにガムテープを貼ったダウンジャケット。その下はいつも半袖のポロシャツだったので、「何枚ポロシャツ持ってるの?」って聞いたことがあるくらい。

── 答えは?

渡辺 「数えたことないけど、色違いでたくさん持っている」って。さすがに現場ではエンジニアブーツみたいなのを履いてましたが、ホテルや部屋でのインタビューのときは裸足。モジャモジャ髪&髭のぽっちゃりおじさんだったから、そのルックスはまさにドワーフでした。本人は「私に一番近いのはホビット」と言っていましたけどね。

まさに、裸足でモジャモジャ髪&髭のぽっちゃりおじさん、な『LOTR』時代のPJ。

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