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高杉真宙『映画 賭ケグルイ』は「自分に“たくさんの変化”を与えてくれた」

ぴあ

高杉真宙 撮影:小嶋文子

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『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』が、6月1日(火)より公開。
2018年1月期放送のTVドラマ『賭ケグルイ』から始まり、約4年間で5作品を世に送り出した人気シリーズの最新作。今作では浜辺美波が演じる、主人公・蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)を筆頭にレギュラーキャラクターが勢ぞろいする中、視鬼神真玄(しきがみ・まくろ/演:藤井流星[ジャニーズWEST])という“最凶最悪の侵略者”が敵役として登場。予測不能なギャンブルバトルが繰り広げられる。
そんな中、シリーズ1作目から“モブ”扱いされる頼りない存在の鈴井涼太が、今作では“モブ”とは言わせない活躍も。演じる高杉真宙も「鈴井くんの成長が見られてうれしい」と笑顔を見せる。
高杉自身、これほどの期間、同じキャラクターを演じることは初めてという鈴井への思いや、撮影現場で感じていたこと、また4月より新しい環境での活動をスタートした今の気持ちなど、話してもらった。

約4年間に渡って、同じキャラクターを演じた想い

――2018年1月期放送の『賭ケグルイ(season1)』から始まって、2019年4月期の『賭ケグルイ season2』、実写映画第1作の『映画 賭ケグルイ』(2019年5月公開)、配信ドラマ『賭ケグルイ双』(2021年3月~)、そして映画第2作となる『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』まで、約4年間に渡って、5作で同じ“鈴井涼太”というキャラクターを演じています。

最初はこんなに長く演じるとは思ってなかったですね(笑)。

――鈴井に対する印象は変わりましたか?

根本的にビビりで、オーバーリアクションで、周りの人たちが危険なギャンブルをしようとするのを止める役というのは変わってないですけど、ここ最近の鈴井くんは率先して頑張るようになった、というか。
今の状況を守るために自分もギャンブルに参加するとか、前よりは勇気を出して、男らしいところも出てきている感じがして、僕個人としては、そんな鈴井くんの成長が見られてうれしく思っています。

『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX ©2021 「映画 賭ケグルイ2」製作委員会

――今作では鈴井が蛇喰夢子(浜辺美波)や早乙女芽亜里(森川葵)の気持ちを動かすような場面もありました。

やっと暴れてるだけではなくなりました(笑)。これまで(の作品で)も鈴井くんの役割はありましたけど、その中にもう一つ、他のキャラクターの心情を左右させるというのが生まれて。この先、彼がどうなっていくのか、より楽しみになりました。

――先日、インスタライブで、高杉さんは鈴井のことを大切なキャラクターとおっしゃっていましたね。

4年という月日と、5作品って、僕自身を変えるくらいのものだと思っていて。最初に鈴井くんとして現場を過ごしたときに、「いじられ役もおもしろいな」と思い始めて。
現場にいると楽しいし、その魅力に気づいて、自分からもっといじられるように仕掛けるとか、そういうアプローチもするようになりました。 それまで、こんなにいじられる役をやったことがなかったので、僕自身の印象が変わることにも役立ちましたし、鈴井くんは高杉真宙にたくさんの変化を与えてくれた役だと思います。

「もっとこういう表現をしたい」と思ったことは?

――前作の映画第1作から物語の中の月日は数か月しか経過していませんが、実際には2年近くが経ちました。それだけに、もっとこういう表現もしたい、というような欲が出ることはなかったですか?

もともと僕は、台本を読んで、自分なりにいろいろやりたいことを考えて、それを現場で作っていく作業が好きなんです。ただその内容は現場によっても変わりますし、『賭ケグルイ』の場合は、さらに反射神経も必要だったりするんですけど。
そんな中で今回特に思ったのが、みなさんがやりやすい間やテンポを作るのが、鈴井くんの役目の一つだな、と。
僕がエンジンをかけて全体をテンポアップさせたり、逆にダウンさせたり、間を詰めたり。今まで以上にそういう役割を担っていきたいな、と思うようになりました。

――なぜそのように思ったのですか?

鈴井くんはもともと全体のエンジンをかける、ギアを上げる役割で。人のテンポに合わせて、そこから徐々に上げていくという作業をしていたんですけど、その役割をもっと広げられたら、と思っていたんです。
4年間をかけて見えてきたこともありますし、今回は僕が作ったテンポで進んでいるな、と感じることが多かったです。

――その加減については、監督と相談をすることも?

もちろんしました。監督に「今、僕のテンポで進んでますけど大丈夫ですか?」って聞いたり。ただ今回は僕の中で、「『賭ケグルイ』はこうだよね」という思い込みのようなものが出過ぎていたかも、とも。
編集した映像を見たら、現場のテンポよりも早くなっていたりもして、もう少しテンポやリズムを意識しながらやっていかなきゃと思います。

――今作に限らず、お芝居のテンポは大事にしているのですか?

大事にします。リズムが悪いと気持ち悪いな、と感じます。実生活での普段の会話であれば、テンポとかリズムって意識をしなくてもある程度できていると思うんです。
でも、僕らが話しているのはセリフなので、ときどきテンポが気持ち悪いな、とか、なんでそのテンポでセリフを返したんだろう、とか、感じることがあって。
いろんな場面で、いろんなテンポがあるんですけど、それがちゃんと生まれることが必要だと思うんです。
『賭ケグルイ』に関しては、少し特殊なところもありますけど、今回、自分でテンポを作ってみて、反省するところがあったからこそ、(テンポを大事にすることは)必要なんだと思いました。

中川大志の登場は「僕らもびっくり」

――4年間で5作をともにしてきた共演者の方々には、どんな想いがありますか?

他の作品の共演者の方とはまたちょっと違う特別な感覚があります。戦友ってやつですね。久々に会ってもあんまり離れていた感じがしないというか、同級生とかに近いかも。
だから他の現場でご一緒すると、不思議な感覚もあって。それぞれ現場ごとに居方が違ったりもするので。

――前作から2年開いての撮影でしたが、そのときはどんな感じでしたか?

あの制服を着て現場に入ると、“戻ってきた感”はあるんですけど、みなさんに対して「久しぶり!」みたいな感覚はあんまりないんですよね。
慣れるのに時間がかかる、とかもなくて、自然と入っていけます。
あとは今回、映画と同時に、Amazon Prime Videoで配信されている(ドラマ)『賭ケグルイ双』の撮影をやっていたので、(ドラマ版のメインキャストの)森川さんのエンジンのかかり方が尋常じゃなくて(笑)。完全にエンジンがかかった状態で映画に入っていて、すごかったです。

『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』 © 河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX © 2021 「映画 賭ケグルイ2」製作委員会

――個人的には豆生田楓を演じていた中川大志さんが、討嶋という新たなキャラクターになって帰ってきたことがうれしかったです。

僕らもびっくりしました。あのキャラクターは中川くんだからできたと思うんです。
もともとあんなキャラクターじゃなかったんですよ。ずっとアドリブでやっている感じでした。だから、もし今後、鈴井くんが出ないことがあったら、自分もあんなふうに何かしなくちゃいけないかも、と思うとプレッシャーです(笑)。

――でも『賭ケグルイ』ファンにとっては、あのような形でもメンバーを集めてくれるのはうれしいと思いますよ。

『賭ケグルイ』は特に、作品自体のファンという方が多いですよね。
僕もよく「『賭ケグルイ』を観てます」と言われます。それにはこの現場にあるこういう遊び心も大きいと思うし、そこが素敵なところだとも思うので、この先もずっと今の感覚でやっていけたらいいですね。

個人事務所での活動を始めて、今後やっていきたいこと

――今作で印象に残ったシーンはどこですか?

生徒会長の交代式は印象的でしたね。クライマックスに向けて、登場人物たちが一堂に会する感じが、「来る!来る!」みたいな(笑)。「会長(桃喰綺羅莉/池田エライザ)があんなことするの!」とか、一つひとつの場面をしっかりと盛り上げていたので。

――脚本を読んでいて展開を知っていてもワクワクするのですか?

ワクワクしますね。台本で読んでいた時点でもテンションが上がってましたけど、やっぱり実際にキャストのみなさんが演じているところを目の当たりにすると、華やかですし、テンションは上がります。

――『賭ケグルイ』シリーズはまだまだ続きそうな予感がしますが、高杉さんにとって、今後、鈴井はどんな存在となりそうですか?

僕にとってはずっとそばにいる近い存在です。シリーズが続けば、僕が予想できない成長もしていくと思います。
台本をもらったとき、次はどうなっているんだろう!って、楽しみになるキャラクターであり続けると思います。

――今作の見どころを教えてください。

“最凶最悪のラスボス”と言われる視鬼神役に、流星さんの演技がハマっています。そんな視鬼神さんも含めて、ボスキャラたちが大戦争を始めるような(笑)、圧巻のギャンブルをぜひ楽しんでいただけたらと思います。
それから、相変わらず鈴井くんも夢子さんもそうですし、みんながテンションを上げて叫びまくってます(笑)。ジェットコースターに乗るような気分で、観てもらえるとうれしいです。

――2021年4月から、高杉さんは個人事務所での活動を始めて、新たなスタートを切りましたが、今後、やってみたいことはありますか?

やってみたいこと……坊主頭ですかね(笑)。これはずっと言い続けていることですけど、言い続けないと坊主役が来ないので。あとは何だろうな……。

――クリエイティブなことをやってみたい、とかは?

やってみたいんですけど、僕、クリエイティブ脳じゃないんですよ(苦笑)。0から1にすることができない人なので。

――では、1から100を目指して。

100は大き過ぎるので30くらいで(笑)。企画や脚本があれば、そこから作り上げる作業とかはしてみたいです。だから、映像制作とか、芝居に関わるいろんなところを広い目で見られるようになりたいです。
これまで以上におもしろいことができるんじゃないか、という想いで独り立ちさせていただいたので、自分がおもしろいと感じることを、どんどんやっていきたいと思います。



“俳優・高杉真宙”にも大きな影響を与えたという“鈴井涼太”というキャラクター。今作では“モブキャラ(その他大勢)”と言われてきた鈴井が、“モブ”ではない活躍をするのも一つの見どころ。鈴井を通して見える高杉真宙の成長と、高杉真宙を通して見える鈴井の成長をこの映画から感じてほしいです。



メイク:堤紗也香 スタイリスト:荒木大輔 取材・文:瀧本 幸恵 撮影:小嶋文子

作品紹介
『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』
6月1日(火)全国ロードショー

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