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バンクシーのルーツを探る特別展示も 『バンクシー展 天才か反逆者か』東京・原宿にて開幕

ぴあ

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2018年からモスクワ、マドリード、香港、ニューヨーク、LA、そして日本各都市を巡回し、累計300万人以上を動員してきた展覧会『バンクシー展 天才か反逆者か』が、満を持して東京にて開幕。原宿駅前のWITH HARAJUKUにて2022年3月8日(火)まで開催されている。

国内では2020年、横浜を皮切りに大阪、名古屋、福岡の主要都市を巡回してきた『バンクシー展』。社会風刺を凝らしたグラフィティアートやストリートアートで強いメッセージを発信し続ける覆面アーティスト・バンクシーの貴重なオリジナル作品を含む、版画、立体オブジェなど70点以上をはじめ、映像やポスターなど計100点以上が紹介されている。

バンクシーのスタジオを再現したインスタレーション

同展では、作品を「消費」「政治」「抗議」「ラット(ネズミ)」「監視カメラ」などのテーマに分け、それぞれの作品の背景にある社会性やバンクシーの制作意図をあぶりだしていく。

《ラブ・イズ・イン・ジ・エア》

日本でも多くの人に知られるバンクシーの代表的モチーフ《ラブ・イズ・イン・ジ・エア》は、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区にあるベツレヘムの建物に描かれた作品。描かれた男性は火炎瓶ではなく花束を手にしており、平和的な抵抗を表現している。

《スロウアー》

同展ではさらに、《ラブ・イズ・イン・ジ・エア》の貴重な三部作版《スロウアー》も紹介。これは、2017年にバンクシーがイスラエルとパレスチナ地区を防壁の前に開業した「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」のロビーに展示されているもの。バンクシー曰く「世界一眺めが悪い」ホテルのプロジェクトについても紹介されている。

「ザ・ウォールド・オフ・ホテル」の紹介コーナー

今回、東京展から初お目見えとなるのが、バンクシー作品のルーツを探る「バンクシーと世界の芸術文化」というコーナーだ。こちらで紹介されているのは、バンクシーがアンディ・ウォーホルの代表作《マリリン・モンロー》を引用した《ケイト・モス》。当時、時代のアイコンだったスーパー・モデルを起用したこの作品を通して、バンクシーはウォーホルの時代から変わらずアート・マーケットが消費市場主義であるということを指摘している。会場では両者が合わせて展示されているほか、同じくウォーホルの《キャンベルのスープ缶》にインスピレーションを得た作品《スープ・カンズ》、さらにもうひとり、バンクシーが大きな影響を受けたというジャン=ミシェル・バスキアの作品《ジョウボーン・オブ・アン・アス》(1982~2004年)も展示されている。

(左)バンクシー《ケイト・モス》、(右)アンディ・ウォーホル《マリリン・モンロー》
左からアンディ・ウォーホル《キャンベルのスープ缶/トマト・スープ》、バンクシー《スープ・カンズ》、ジャン=ミシェル・バスキア《ジョウボーン・オブ・アン・アス》

ほかにも、社会的弱者をドブネズミに重ねた「ラット」シリーズを始め、ロンドンの湖水泳場に設置された標識の作品《ノー・スイミング》など、コレクター所有作を中心とした貴重な作品を多数紹介。展示の最後は希望を願う代表作《ガール・ウィズ・バルーン》で締めくくられる。

「ラット」シリーズ展示風景
《ノー・スイミング》
《ガール・ウィズ・バルーン》

世界中からその一挙一動が注目されるアーティスト、バンクシー。ゲリラ的な活動で世の中を騒がせているようにも見える彼が、それぞれの作品に込めた痛烈なメッセージを感じとってほしい。

【開催情報】
『バンクシー展 天才か反逆者か』
2021年12月12日(日)~2022年3月8日(火)、WITH HARAJUKUにて開催。
https://banksyexhibition.jp/

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