サーホー
20/3/23(月)
『サーホー』
『バーフバリ』の“バーフバリ”ことプラバース主演のクライムアクション大作。インド映画のクオリティはすでに周知のことだと思うが、ぶっちゃけ本作は、近年日本で公開されているインド映画基準ではとりたてて優れているとは思わない。インド映画らしい貪欲で過剰なサービス精神は浴びるほどに感じ取れるし、プラバースは超絶カッコいいし、目を見張るような奇抜なアイデアが目白押しだが、とにかく破綻上等、やりたい放題が過ぎるのである。
ネタバレは避けるが、基本的にはシリアスなトーンで警察、犯罪組織、謎の盗賊団の混戦バトルが進んでいく。しかし突然SFアイテムがブッ込まれたり、『マッドマックス』みたいな世界観が紛れ込んできたり、観客を振り落とそうとしているかのような暴走っぷりが凄まじいのだ。
いや、しかし、だ。こういう得体の知れないエネルギーこそ、そもそもインド映画に期待していたものではなかったか。昨今の洗練されてきたインド映画もいいが、ムチャクチャなものを観たいという悦びを満たしてくれる奇作である。
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