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ドリカムが毎朝届ける“ワクワク感” NHK連続テレビ小説『まんぷく』と主題歌の関係性

リアルサウンド

18/10/1(月) 8:30

 10月1日、NHK連続テレビ小説第99作目となる『まんぷく』が始まった。安藤サクラ演じるヒロイン・今井福子が、長谷川博己演じる夫・立花萬平と共に何度も失敗してはどん底から立ち上がり、やがて“インスタントラーメン”を生み出す世紀の大発明へとたどりつく模様を描く本作。福子の感情豊かな表情と前向きな明るさが、私たちの朝に清々しい光を照らしてくれる。

(関連:中島みゆき、ユーミン、ドリカム……NHK朝ドラ主題歌の歴史とその特徴とは?

 朝ドラと言えば、主人公の生涯を幼少期から描き、その成長を一緒に見守っていくのが醍醐味の一つではないだろうか。だが、本作『まんぷく』には子役シーンがない。物語は、福子が女学校を卒業した18歳から始まるため、幼少時代がない異例さで話題になっていた。さらに、連続テレビ小説史上初めて、DREAMS COME TRUE(以下、ドリカム)が2度目の主題歌(1度目は第48作目『ひらり』主題歌「晴れたらいいね」)を担当。今までの朝ドラとの違いに一体どんなドラマが生まれるのかと、放送前から期待に胸を膨らませていた視聴者は少なくないはずだ。

 いざ、蓋を開けてみるとそこには、泥臭い人間らしさとキラキラとした希望が詰め込まれていた。笑い、泣き、怒り、喜ぶ……豊かな感受性を持つ福子と共に、私たち視聴者の感情もめまぐるしく変化していく。さらにオープニングとして、ドリカムの主題歌「あなたとトゥラッタッタ♪」が流れ出すと、子役シーンはないものの、子どもの頃のワクワク感が目を覚ます。今よりも世界がずっと広く感じ、輝いていたあの頃。まだ出会ったことのない何かを信じて、ただ毎日に心踊らせていた。期待と希望を胸に、見えない何かを目指して“冒険”していく。それは、インスタントラーメン始め、様々な新しい商品を開発していく萬平の心情に近いのかもしれない。

 そしてそんな萬平に対する福子のスペシャルな“愛”を、マーチのリズムに乗せて綴ったという同楽曲。タイトルバックでは、海辺そして森の中へと、福子が木の棒を片手に楽しそうに散歩する姿が映し出される。〈もらい泣き もらい笑い もらい怒り もらいっ恥じ どんと来い!〉という歌詞は福子の愛らしさと強さをそのまま表現しているかのよう。また歌詞全体を通して、萬平がどんな状況にあってもまっすぐ愛し、そして生まれた感情を一つひとつ大切にしていくという福子の愛情の深さが感じられる。そもそも、「あなたとトゥラッタッタ♪」というタイトルからしてもう楽しい。愛情いっぱいに育った福子らしさが詰まっている。加えて、軽快なマーチのリズム。心が弾まずにはいられない。思わずテレビの前で鼻歌を歌いながら、スキップしてしまいそうだ。

 制作統括を務める真鍋斎氏は、ドリカムに主題歌を依頼した理由について「このドラマが、“ドリカム”さんの楽曲のように、いつまでも皆さんの心に残りますように。そんな願いをこめて、2度目の依頼をしました」(引用:朝ドラ『まんぷく』主題歌はドリカムに 安藤サクラ「この曲と一緒なら、絶対ぜったい大丈夫」)と説明。また同楽曲についても「いつものように、何度聴いても色あせない楽曲です」とコメントを寄せている。16年前に放送された『ひらり』とその主題歌「晴れたらいいね」が大ヒットし、今でも色あせずに心に残っている人も少なくないのではないだろうか。福子と萬平同様に、歴史ある朝ドラとして前代未聞なことに挑戦している『まんぷく』もまた、主題歌「あなたとトゥラッタッタ♪」と共に視聴者の心に鮮明に残り続ける名作になるかもしれない。

 きっと今日から毎朝テレビをつけるたびに、私たちに新鮮なワクワク感と活力をもたらしてくれることだろう。思わず「トゥラッタッタ♪」と口ずさみたくなるほどに。(文=戸塚安友奈)

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