タイトルで油断したら、かつてのビデオショップの棚を猥雑な活力で占拠していた三池崇史のVシネ群を彷彿とさせる、やんちゃなバイオレンスとブラックジョークとナンセンスが炸裂する快作だった。三池監督への信頼感ゆえか、とにかく役者陣それぞれの機嫌よき演技のオンパレードが楽しい。内野聖陽、大森南朋、染谷将太、ベッキー、村上淳らのどきついワルどものこってり演技に対し、主演の窪田正孝、小西桜子のピュアで静かな演技の対置も印象的。よくよく考えるとシチュエーションも限定的で、製作費も決して潤沢そうには見えないのだが、そこを腕力と知恵で面白さのほうへねじ伏せていく三池監督の手腕が、あいかわらずの活気を生んでいる。それにしても〇〇〇を傷口になすりつけて、どんな惨状になっても「痛くねえ」と不敵にほほ笑む染谷将太には爆笑した。