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布袋寅泰、アーティスト活動40周年記念ライブが今週末に開催!

ぴあ

21/1/27(水) 7:00

布袋寅泰の40年を凝縮した2夜
日本ロックシーンの進化を目撃する

布袋寅泰のアーティスト活動40周年を記念した「HOTEI 40th ANNIVERSARY Live "Message from Budokan"」がいよいよ今週末、開催される。キャリアとレパートリーを2夜に大別して日本の音楽シーンを牽引してきた布袋のキャリアを凝縮し、同時にアニバーサリーイヤーの口火を切るライブだ。

Memories――思い出・記憶とサブタイトルの付いた初日は、BOØWY、COMPLEXという音楽家としての地歩を固めた“原点”であり、パンク/ニューウェイブの初期衝動を基軸に日本のロックシーンに地殻変動をもたらした楽曲中心に披露。Adventures――冒険・探求と冠された2日めは、ソロワークの幕開けを告げる作品であり、クリエイティブの源泉と言うべき『GUITARHYTHM』から今日までの集大成となる模様。その2夜に通底するのは「とどけ。」というメインテーマだ。

新型コロナウイルス感染状況を鑑み、無観客での生配信ならびに映画館でのライブビューイングという形態での開催とあいなったが、生活様式の変容を余儀なくされ、言い知れぬ閉塞感に覆われた日常を踏まえ、熟慮と覚悟のうえで響かせる 「とどけ。」というテーマこそ、布袋のロックンロールスピリットを正しく体現するものだと思える。

【Memories】

筆者が布袋寅泰という音楽家を初めて目にしたのは、新宿の老舗ライブハウスだった。80年代初頭、現在とはおなじ街の少し離れた場所にあったその店のステージから、熱気を切り裂くように聴こえてきたギターのカッティング。パンク/ニューウェイブ由来のどこか不穏な空気をまとった演奏と、ふっと顔をのぞかせる皮肉で洒脱なセンスが圧倒的な存在感を伴って、今も折に触れて思い返す。

その後、幾度か取材を重ねる機会に恵まれたが、20世紀も残すところ10年となった頃に実現したアーティストによる責任編集シリーズはなかでも印象深い。“20世紀に残したい名盤100枚”を名だたるアーティストに選んでもらうという企画は大変に時間と手間のかかるもので、100枚なんて多すぎる、いや100枚なんて絞れない、とずいぶんとお叱りを頂戴したが、100枚というボリュームゆえか、選者の音楽的な原点やそれが流れていた時代、往時の心象風景までをもビビッドに照射する学び多き結実を得たと自負している。

布袋の100枚もその例にもれず、楽しい仕事だった。パブリックイメージから辿りやすいパンク/ニューウェイブの的確な選盤眼にうなりつつ、女性ボーカル、エレクトロミュージック、映画音楽、ジャズ、クラシックといった多彩なチョイスに舌を巻いた。この特集は、のちにNHK FMの番組『ミュージック・スクエア』と連動する形で名盤を500枚ほどに増量し、選曲リストを全掲載し、ロンドンで撮影を行い、書籍『布袋寅泰のRadio Pleasure Box』(小社刊)となった。

今思えば、その後30年余にわたる“GUITARHYTHM”シリーズが世に問うたアート性の高い表現や現在のロンドン生活といった人生のピースがすでにひとつ、またひとつと置かれていたのだった。

GUITAR+RHYTHM=GUITARHYTHM
アートとして昇華するロックンロール

【Adventures】

もっと言えば、その軌跡は1988年から刻まれていたのだ。怒涛の1年。春、東京ドームでの「LAST GIGS」でバンド活動に終止符を打ち、“伝説”を喧伝する世間を尻目に6月第2週に渡英。10月、件の『GUITARHYTHM』が発表された。

コンセプトを余すところなく表現したGUITARHYTHMというフレーズの斬新さはもとより、当時のデジタルテクノロジーを駆使したサウンドアプローチ、英語詞による近未来感あふえる世界観、自身によるボーカル、世界のロックシーンに勇躍、挑戦する志……今や有名になった“GUITARHYTHM宣言”が高らかに謳ったように、90年代のロックンロールの幕は切って落とされた。アルバムを締めくくるオーケストレーションに寄せて、「布袋寅泰自身のサウンドトラックのごとき」と評したことを覚えている。“宣言”を少しだけ抜粋しておく。

ロックという言葉の持つ意味が個人の解釈に委ねられた今、逆にインパクトを持ち、国内のみならず海外にもアピールしうるロックンロールがこれから作っていく≧GUITARHYTHM≦の基本になっていく

テーマは〔スピード〕〔リフレイン〕〔メロディ〕〔コンピュータ〕〔パンク〕の5つに集約されている。 わかりやすく言うとセックス・ピストルズのギタリストとジグ・ジグ・スパトニックのリズム隊をバックに、エディ・コクランがビートルズの歌を赤いスーツを着て歌うということだ

今なお色あせることのない至言である。

ストイックな様式美に貫かれたGUITARHYTHMシリーズは、その内に音楽の冒険心・探求心を秘めている。それに導かれて、サブスクやYouTubeで音楽を楽しむことが一般化した現在では当たり前の要素が、当時はクリエイティブの度重なる試行錯誤を経て存在していたとも言える。たとえば、短編映画のような映像表現、アートワークやファッション、ライブにおける照明や音響、ジャンルや国境を超えたアーティスト同士のコラボレーション。6作を数えるGUITARHYTHMシリーズの提示する冒険はつねに刺激的で、ヒットメーカー、ロックスターの華やぎもあって日本の音楽シーンに大いなる影響を与えた。

同時に、アトランタオリンピック閉会イべントで、盟友マイケル・ケイメンが指揮する120名編成のオーケストラとともに、「Wings Of Victory」を披露。『新・仁義なき戦い』(阪本順治監督)の音楽監督として作曲したテーマ曲「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」に惚れ込んだクエンティン・タランティーノ監督が『キル・ビル』の挿入曲として起用。と、もとより意識していた世界視野での活動が大舞台で開花していった。

その 「GUITARHYTHMという人生」は、ぴあアプリ連載にて詳しく語っているので、改めて読んでいただければと思う。

世界的な感染症の蔓延で、未曽有の日常を余儀なくされ、エンタテインメント、とりわけライブエンタテインメントが危機的状況に陥っている。英国に居を構え、さまざまな国で活動を続けてきた布袋ならば、思うところはさぞ大きかろうと胸が痛むが、SNS等を通してライブやトークを発信するなど、コロナ禍のコミュニケーションにも配慮しているのはさすがだ。豪華な顔ぶれの参加で話題を呼んだコラボレーションアルバム『Soul to Soul』も、そうしたオンラインセッションと通底する試みと言えなくもない。

布袋寅泰の40年にわたる音楽の旅の現在地を目撃できるのはいよいよ今週末である。

ぴあでは、2/7(日)18:00まで武道館ライブのメモリアルフォトカードが抽選で50名のファンに当たるプレゼントキャンペーンを実施中。チケットぴあのTwitterアカウントのフォロー&リツイートでご応募ください。
https://twitter.com/news_pia/status/1351726140575031296

◎公演情報
「HOTEI 40th ANNIVERSARY Live”Message from Budokan”~とどけ。Day 1 (Memories)~」
1月30日(土)17:00~ 配信開始予定 ※2月6日(土) 23:59 までアーカイブ配信あり
「HOTEI 40th ANNIVERSARY Live”Message from Budokan”~とどけ。Day 2(Adventures)~」
1月31日(日)17:00~ 配信開始予定 ※2月7日(日) 23:59 までアーカイブ配信あり

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