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FUKI、“初恋の日”に贈る楽曲「FIRSTLOVE」で描いた“最初で最後の恋”

リアルサウンド

19/10/30(水) 21:00

 恋愛にまつわる記念日を毎月ピックアップし、そこに寄り添ったラブソングを12カ月連続で配信リリースしていくという、女性アーティスト初となるプロジェクト「12 Sweet Stories」を展開中のFUKI。第6弾となる「FIRSTLOVE」は、“初恋の日”にインスパイアを受けて制作した楽曲で、10月25日に配信リリースされた。今回のインタビューでは、本プロジェクトだからこそ生まれた楽曲へのこだわりや、“初恋の日”のイメージが盛り込まれた歌詞について語ってもらった。(編集部)

“最後の初恋”をイメージした 

ーー5月からスタートした「12 Sweet Stories」がちょうど半分まで来ました。今回は10月30日の“初恋の日”にインスパイアを受けて作られた「FIRSTLOVE」です。

FUKI:はい。1896年のこの日に作家の島崎藤村が初恋の詩を発表したことから生まれた記念日らしく。この時期はハロウィンが注目されがちですけど、実はこんな素敵な日があるんですよね。私も今回、初めて知りました。

ーー“初恋”というワードには、どこか胸がキュンとする響きがありますよね。

FUKI:自分のリアルな初恋のことを思い出しちゃいますよね。「近所に住んでいた幼馴染のケンちゃん、今どうしてるかな?」みたいな(笑)。初恋は誰しもが経験するものだと思うし、なんだかんだずっと忘れることのない、いい思い出になっていることが多いような気がします。

ーーでも、「FIRSTLOVE」の歌詞は単純な初恋を描いたものにはなっていない印象もあって。もっと深くて強い愛がテーマになっているような。

FUKI:そうですね。前作「オリオン」への反響が大きかったので、今回もそこに続くようなせつなさを味わえる内容の曲がいいなと思ったんです。そこでいろいろ考えた結果、本当の意味での初恋ではなく、“最初で最後の恋”を書こうかなと。ちょっと言葉にするのが難しいんですけど……いろいろな経験をした上で出会えた、初恋のような気持で向き合えるピュアな恋愛っていうのかな。“最後の初恋”みたいな感じで。

ーー生まれて初めて誰かを好きになることが“初恋”なわけですけど、この曲で描かれているのは生まれて初めて出会った“これが最後だと思える恋”ってことですかね。それが歌詞の中では〈最初で最後のLOVE…〉というフレーズで表現されているという。

FUKI:大人になると恋愛に対していろいろ考えてしまうことが増えていったりするじゃないですか。経済面とかだったり(笑)。でも、この歌詞で描いたのは、ただ好きという感情だけですべてが見えなくなってしまうような、自分の周りの世界がすべて変わってしまうような恋愛なんですよね。そのピュアな感情を“初恋”という言葉に落とし込んだ感じなんだと思います。

ーー作詞はスムーズに進みましたか?

FUKI:そうですね。「12 Sweet Stories」の曲としては初めて歌詞を先に書いたんですよ。なんとなく自然な流れで今回はいつもとは違ったやり方になりましたね。メロディをつける段階で、言葉のハマりを考えてちょこちょこ手直ししたところはあったけど、全体的にはスムーズに書けたと思います。

ーーAメロには言葉がグッと詰め込まれていますよね。そのあたりは最近のFUKIさんのモードなのかなと。

FUKI:うん。言葉数の多いパートを、ラップまでいかないけどちょっとそれっぽく歌うことを最近はけっこうやってきているので、そこは今回も外さないようにしようと。聴いてくださる方に、そういった部分もFUKIの曲のカラーなんだよって擦り込ませていただく意図として(笑)。

ーーBメロにはこの曲のテーマである〈最初で最後のLOVE…〉というフレーズが。せつなさがグッと出ているパートですよね。

FUKI:そうだ! 歌詞はスムーズに書けたって言いましたけど、〈最初で最後のLOVE…〉というフレーズだけは全然決まらなかったんですよ。“初恋”というワードを使ってみたりもしたんだけど、なんかしっくりこなかったから、何度も何度も書き直したりして。最後の最後にこのフレーズが出たときは、「これだ!」って思えました。ほんとにこの曲のキモになっているところだと思います。

ーー〈何かを得るため何かを失う〉とか〈遠すぎた季節に切なさ重ねて〉とか、“最後の初恋”にたどり着くまでの思いがちゃんと描かれているのも素敵だなと。

FUKI:そうそう。それがあった上で、どれだけ相手を思っているのかをしっかり伝えたかったんです。サウンドも含めて、Bメロでは気持ちに勢いをつけてサビに向かっていく感じになっていますね。で、サビではとにかくわかりやすい言葉、表現を使うことで、聴きやすさを意識して書いていきました。

ーーサビには〈星空〉というワードが出てくるので、前作の「オリオン」をはじめ、これまでの「12 Sweet Stories」の楽曲とリンクさせて聴くこともできそうですよね。

FUKI:確かに私の曲にはだいたい星空が入ってますからね。実際、星を見るのが好きだから、無意識に使ってしまうワードなのかも。つい星を見上げがちっていう(笑)。このプロジェクトの第1弾だった「KISS.」と並べて聴いてもらったりしても、おもしろいかもしれないですね。

最後に相手への思いが確信に変わる歌詞 

ーーサウンドに関しては、今までになかった新鮮なアレンジになっています。先ほどFUKIさんもおっしゃいましたが、Bメロまでで感情がグッと高まっていく感じがある。普通に考えればサビでさらにドカンと盛り上がるところですけど、この曲はそこでスッと音を抜いているんですよね。でも、決して曲自体が盛り下がっているかと言えばそうじゃなくて。必要最低限の音と、そこに乗るFUKIさんのボーカルによって、しっかりエモーショナルに聴かせているから見事ですよね。

FUKI:「オリオン」もそうでしたけど、サビが2部構成になっていて、そこで歌い方にも変化をつけてますしね。サビの後半や曲のところどころにビートが入ってくるんですけど、その入れどころに関してはけっこうみんなで話し合ったりもして。私の曲としては珍しいタイプだし、いい意味で変なアレンジ(笑)。でも、すごく印象に残るから、間奏やアウトロ、エンディングも含め、私はめっちゃ気に入ってます。ピアノだけのデモからガラッと変わったので、「わ、こんなふうになるんだ!」って興奮したのを覚えてます。

ーーアレンジが固まるまでには何度かプロセスを踏んでいるんですか?

FUKI:2回くらいやり取りしたかな。基本はEIGOさんを信頼しているのでおまかせではあるんですけど、最初に聴かせてもらったときの私の表情を見て手直ししてくれたりはしましたね。

ーーFUKIさん的に直してもらいたいところがあったと。

FUKI:言葉ではうまく言えないんですけど、なんとなく違和感みたいなものを感じたんですよね。なので、それだけを伝えさせていただきました。あとは私の表情から読み取ってくれたんだと思います。「納得いってねぇな、こいつ」みたいな(笑)。とは言え、アレンジの方向性は最初から固まっていたし、そんなに大きな手直しではなかったかな。より良い仕上がりになったのでうれしかったですね。

ーー歌入れはデモで行われたんですか?

FUKI:そうです。ほんとにピアノのシンプルなトラックで。曲の切なさを表現するにはそのほうが良かったんだと思うんですよ。完成したトラックで歌っていたら、ここまでシンプルに感情に集中して歌えなかったかもしれないなって。きっともっと気張って歌っちゃってたと思う。細かいニュアンスに関しては、EIGOさんがディレクションしてくれるから安心ですし。

ーーEIGOさんの中にはアレンジの完成形のイメージがすでにできあがっていたんでしょうね。だからこそ正しい方向へ導いてくれると。

FUKI:2部構成のサビの部分に関しても、「同じ歌い方になったらつまらないよね」って言われたりして。私もその通りだと思ったから、前半と後半でニュアンスを変えてみたりしました。いつもはけっこう歌い方で苦戦して、時間がかかってしまうことが多いんだけど、今回は比較的おだやかに進んだ気がしますね。いつもと違う外スタジオでのレコーディングだったから、みんな気を使って早く終わったのかな(笑)?

ーー今回は違った環境で歌録りをしたんですか?

FUKI:そうなんですよ。同じ環境ばかりだとマンネリしちゃうから、ちょっと新しい風を吹かせてみようかっていう狙いで。しかも、デビュー前にご一緒していたエンジニアの方に何年かぶりで録っていただいたりもできて。そういう環境の違いによって、あらためて気合いが入ったところもあったんですよね。結果、それがいい方向に作用してサクサク進んだのかもしれない。

ーー久しぶりにお仕事したエンジニアの方は、FUKIさんの歌に関して何かおっしゃってました?

FUKI:「昔とは声が全然違うね!」って言ってくれました。デビュー当時の歌と比べると、その違いは自分でも感じているところではあるから、そこに気づいてもらえたのはすごくうれしかったです。懐かしい思い出話もできたので、楽しいレコーディングでもありました。

ーーAメロのラップっぽい歌唱も1曲の展開としていいアクセントになっていますよね。

FUKI:当初は、こんなにボソボソ歌ってて大丈夫かなっていう不安が若干あったんですよ。でも、続けていくうちに自信がついてきた感覚はあって。私は夜に1人で音楽を聴くことが多いんですけど、そういうときにガーッと感情的な歌を聴くのはちょっと疲れちゃうんです。でも、“ボソボソ歌い”ならすごくしっくりくるし、心地良く聴けるなって。なのでみんなにもそうやって楽しんでもらえたらいいなっていう思いも込めて、“ボソボソ歌い”は続けていこうと思ってますね。

ーー“ボソボソ歌い”っていうネーミングがアレですけど(笑)。

FUKI:あははは。確かに。でも実際ボソボソ歌っているのでね(笑)。

ーーサビでずっと〈そばにいてね〉と歌われてたのに、最後だけ〈そばにいるよ〉になっているところもいいですよね。求めるだけではなく、与えることもいとわない。“最後の恋”への強い決意がにじんでいる気がします。

FUKI:〈そばにいるよ〉っていうのはこちらの勝手な意志ではあるけど、それを言うことで相手はきっと安心してくれるだろうなって。そんなニュアンスを込めた部分ですね。求めるばかりの恋愛を経て、他のものはすべて失ってもいいと思えるような人に出会えたときにこそ言える意志でもあると思うので。さらに言えば、〈キスをしよう/星空の下〉と歌ってた部分が最後だけ〈キスをしよう/真実の下〉になってるところもポイントですね。ここで相手への思いが確信に変わったんだと思うので、かなりエモいフレーズになったなと自分では思っております(笑)。

ーーサウンドにはベルの音が使われていたりもするし、本作は冬の始まりをせつなく彩ってくれる1曲だと思います。

FUKI:10月も後半になって急に寒くなってきましたからね。そんな空気を感じさせる要素もさりげなく盛り込んだこの曲をきっかけに、クリスマスとか大事なイベントが待っている冬に向けて盛り上げていけたらいいなと思ってます。

ーー次回は、11月11日「お揃いの日」とのコラボです。「LOVE and CRY」というタイトルが発表されていますが、どんな曲になるのか軽く予告をお願いします。

FUKI:この曲を作るにあたって現役の女子高校生の子たちとお話をさせてもらう機会があって。そのときに、冬に聴きたくなるのはやっぱりハッピーな曲ではなく切ない曲なんだってことをあらためて教えてもらえたんですよ。私自身もそういう曲が好きなので、この曲ではそこをしっかり盛り込んで書いていきました。記念日って基本的にハッピーなイメージだから、どうやって切なさを盛り込んでいくのかがけっこう大変ではあるんですけど(笑)、いい曲になっていると思うので楽しみにしていてください!

(取材・文=もりひでゆき/写真=竹内洋平)

「12 Sweet Stories」インタビュー 

・第1弾「KISS.」
FUKIが語る「KISS.」への思いと12カ月連続リリースへの挑戦「大切なのはやっぱり“今”」
・第2弾「Our Love Story」
FUKIが語る、「Our Love Story」で得たものと「12 Sweet Stories」の充実
・第3弾「Long Distance」
FUKI、“遠距離恋愛”テーマの「Long Distance」で挑戦したこと「頑張る勇気を持ってもらえたら」
・第4弾『COVER FOR LOVERS VOL.1』
FUKI×TEE「12 Sweet Stories」特別対談 二人が語る「ベイビー・アイラブユー 」とラブソング観
・第5弾「オリオン」
FUKIが新曲「オリオン」を通して見つけた、“自分らしい歌”

■リリース情報
「FIRSTLOVE」
発売:2019年10月25日(金)
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