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激動のカンボジア描いたアニメ映画「FUNAN」に黒柳徹子、深田晃司らコメント

ナタリー

20/12/4(金) 15:00

「FUNAN フナン」新場面カット

第42回アヌシー国際アニメーション映画祭のグランプリ作品「FUNAN フナン」の公開を前に、黒柳徹子や深田晃司ら著名人からコメントが到着した。

本作では、クメール・ルージュに支配された1975年以降のカンボジアを舞台に、息子と離ればなれになった母親チョウの激動の日々が描かれる。Netflixとの提携も発表されたアニメーションスクール“ゴブラン・レコール・ド・リマージュ”卒業生の監督ドゥニ・ドーが、自身の母親の体験をもとに制作。チョウを「アーティスト」のベレニス・ベジョ、夫のクンを「グッバイ・ゴダール!」のルイ・ガレルが演じた。

ユニセフ親善大使である黒柳は、視察で訪れたカンボジアの光景を振り返りながら「この『FUNAN フナン』は、なぜそんなことになったかアニメーションで教えてくれる。人間の愛も。心ゆさぶられる映画」と紹介。深田は「素晴らしかった。線のひとつひとつに生と死が吹き込まれていた」と絶賛した。そのほか女優の渡辺えりやサヘル・ローズ、アニメーション美術監督の東地和生らが感想を寄せている。

新たな場面カットも解禁に。カンボジアの自然や美しい夕焼け、不穏な表情の男の姿などが捉えられた。本作のアートディレクターを務めたミッシェル・クルーザは「制作がスタートする前に2回カンボジアに向かい、写真や逸話、証言など、できるだけ多くの記録を集めました。その結果、現地で見た風景の美しさを映画にする必要があると感じました。空の広さや日当たりのよさは、とても思い出深いです」と語る。監督のドーは「自然の前では人間が無力、または孤独であると感じます。ズームインやズームアウト、フレームの切り替えが自由なアニメーションならではの風景の雄弁さが映っていると思います」と伝えた。

「FUNAN フナン」は12月25日に東京のYEBISU GARDEN CINEMA、シネ・リーブル池袋ほかで公開。

黒柳徹子(女優・ユニセフ親善大使)コメント

ユニセフの視察でカンボジアのプノンペンに行った。
おびただしい頭蓋骨や人骨が、村々にあった。
おびえて暮らした助産婦さんの顔は恐怖のしわで、おおわれていた。
この「FUNAN フナン」は、なぜそんなことになったかアニメーションで教えてくれる。人間の愛も。心ゆさぶられる映画。

渡辺えり(劇作家・演出家・女優)コメント

私が演劇に明け暮れ、アルバイトがきついと愚痴をこぼしていた二十歳の頃、役者も演出家もみんな殺され、戯曲を読むことさえ禁じられた国があった。
演劇人を含む200万人が殺されたのはつい45年前のことだ。
人間がここまで惨酷になれることを私たちは歴史を通して学んできたが、美しいアニメーションが幾多のドキュメンタリーよりも更にリアルに臓物を掴んでゆすってくる。もう起きてはならないあってはならないストーリーだ。

深田晃司(映画監督)コメント

素晴らしかった。線のひとつひとつに生と死が吹き込まれていた。
あまりにも過酷だった時代の暴力を、残虐さのリスト化から距離を置いて眼差しの連鎖で普遍化させた監督の聡明さに胸を打たれる。
風が吹き抜けるたびにこの映画のことを思い出すだろう。

東地和生(アニメーション美術監督)コメント

雄大なカンボジアの原風景。
ただひたすら真摯に描かれた、地に足のついた世界観。
華美な物は一切なく、不必要に語る事もありません。
しかし、だからこそ、そこに生きる人間を鮮明に映し出し、まるで光の中に照らし出される影のように、心に迫ります。

サヘル・ローズ(女優)コメント

何度も泣いた。夕陽がこんなにも冷たかっただろうか。
神様はいるか? 悪とは? 善とは?
いろんな角度から「アナタならどうする?」と問いかけられてくる作品。
生きるためなら何を選ぶか? 家族か? 自分の命か? もしくは…。正解は個人によって違う。
でも、共通していえるのは「生きるためには、すがるしかない時も、人にはある」

葉田甲太(認定NPO法人あおぞら理事長)

生きるという事は、こんなに大変な事なのだろうか。
ご飯を食べられること、お風呂にはいれること、病気になれば病院に行けること、映画をみられること。
そんな当たり前の日々が、一番大切で、幸せで、噛みしめるべきものなのかもしれない。
そんな事を改めて、この映画から教えてもらった気がしました。

土居伸彰(新千歳空港国際アニメーション映画祭フェスティバルディレクター)コメント

本作においてアニメーションは、遠い世界の風が吹き込む窓となる。
かつてのカンボジアで、決定的な何かが起きたときに吹いたあの風。
それが体をかすめるのを、私たちは肌で感じる。それは私たちにも起こりえたことかもしれないと、体がそれを実感するのだ。
誰もが体感すべき、新たなアニメーションの傑作。

香川愛生(女流棋士)コメント

日常を奪われて、大切な家族と引き離されて、いくつもの絶望が永遠に続いてしまいそうで。
苦しいけど、わずかな希望に支えられながら見届けるべき作品です。
母の実体験を基に描いたという監督が、残酷な時代を懸命に生きた人々をいかに想っているのかが伝わってきました。

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