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中国映画「在りし日の歌」を山田洋次や行定勲が絶賛「これだから映画は素晴しい」

ナタリー

20/3/17(火) 12:00

「在りし日の歌」

「北京の自転車」「我らが愛にゆれる時」のワン・シャオシュアイ監督作「在りし日の歌」に、山田洋次や行定勲ら著名人からコメントが寄せられた。

1980年代から2000年代の中国を舞台とする本作。一人息子シンシンを亡くした夫婦ヤオジュンとリーユン、そして彼らを取り巻く人々との絆が約3時間にわたって描かれる。夫ヤオジュンを「薄氷の殺人」のワン・ジンチュン、妻リーユンを「黒衣の刺客」のヨン・メイが演じ、第69回ベルリン国際映画祭で最優秀男優賞と最優秀女優賞を受賞した。

山田は「あの広い中国の遥か彼方に住む家族の出来事に、ぼくたちは身につまされて涙を拭う。これだから映画は素晴しい」と絶賛。行定勲も「善悪では片づけられない切実な人生に小さな喜びが訪れるラストシーンに私は涙を禁じ得なかった。本年度、最高の感動作であることは間違いない」とつづっている。さらに奥田瑛二や風吹ジュンからもコメントが到着。全員分のコメントは以下に記載した。

「在りし日の歌」は4月3日より東京・角川シネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマほか全国で順次ロードショー。

山田洋次(映画監督)コメント

あの広い中国の遥か彼方に住む家族の出来事に、ぼくたちは身につまされて涙を拭う。
これだから映画は素晴しい。

奥田瑛二(俳優・映画監督)コメント

「あなたを失ったら、、、、わたしは生きていける?」
妻のこの言葉が胸に突き刺さり夫婦とは人生とは、、、
観る側も最後まで彼らと生きていく珠玉の作品である。

風吹ジュン(女優)コメント

映像の力に見事に巻き込まれました。
二家族と人生を共に分かち合った気にすら成る……
監督の祈りの様なものが伝わってきた! 

行定勲(映画監督)コメント

人生には大きな悲しみがあっても、小さな喜びが積み重なってその悲しみを癒してくれることがあるかもしれない。
そんな祈りのようなものがこの映画から感じられた。
善悪では片づけられない切実な人生に小さな喜びが訪れるラストシーンに私は涙を禁じ得なかった。
本年度、最高の感動作であることは間違いない。

向井康介(脚本家)コメント

何よりも主演のワン・ジンチュンとヨン・メイに拍手を送りたい。
半生を演じた彼らの表情と佇まいはまさに大陸を生き抜いた市井の人そのものだ。
大きな喪失を抱えた夫婦は過ぎる時の中をただたゆたうしかないが、これは悲劇ではない。
かかる暮らしの小さな積み重ねが強い希望を引き寄せる。生活讃歌と呼ぶにふさわしい映画だ。

八代亜紀(歌手)コメント

大きく変貌していく中国社会で様々な想いを背負いながら生きていく
人間の強さ、友情そして愛情を感じることが出来る作品でした。

鎌田實(医師・作家)コメント

喪失、絶望、切ない裏切り、国家の介入、次々に襲ってくる哀しみの中で、
消えない人間の尊厳と友情と愛情。この映画すごい!

中江有里(女優・作家)コメント

ある時代に翻弄され、一時の正義に傷つけられる。
どこまでも受け身の運命の中でも、人がよく生きようとする祈りはやまない。

ウー・ウェン(料理研究家)コメント

大きな蒸しパン、喧嘩した日のこん飩(ワンタン)、年越しの水餃子、
昔、北京で家族と過ごした日々が思わず蘇りました。
どんな時も家族で食卓を囲むことを大切にしたいと再認識させられた映画です。

※こん飩のこんは食へんに昆が正式表記。

青野賢一(ビームス創造研究所クリエイティブディレクター、文筆家)コメント

中国の現代史というローカルな固有性と、友情や愛情をもって
その時代を生きた人々の普遍的な姿が高次で融合した傑作長編作。
穏やかな喜びに溢れたラストシーンが心を打つ。

月永理絵(映画ライター)コメント

誰もが皆「自分の子」という亡霊から逃れられない。そのあまりに密度の濃い家族のあり方にめまいがした。
一方で、濃密な家族劇を映す静かな視線がある。
遠くからゆっくりと近づくカメラが彼らの顔を捉えたとき、言い知れぬ感動が押し寄せた。

(c)Dongchun Films Production

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