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左から中村隼人、市川猿之助。

博多座・南座公演に向け“凝縮”「新版 オグリ」に猿之助&隼人が意気込み

ナタリー

19/11/22(金) 23:38

「スーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』」の福岡・博多座公演、京都・南座公演に向けた取材会が本日11月22日に東京都内で実施され、市川猿之助と中村隼人が出席した。

「スーパー歌舞伎II『新版 オグリ』」は、1991年に三代目市川猿之助(現・市川猿翁)の手によって初演された「スーパー歌舞伎『オグリ』」を、横内謙介の脚本、四代目猿之助と杉原邦生の演出により、一新した作品。スーパーバイザーを猿翁が担い、猿之助と隼人が小栗判官役、遊行上人役で交互出演する。なお東京公演は、去る10月6日に新橋演舞場にて開幕し、11月25日に千秋楽を迎える。

猿之助は来年2月の博多座公演、3月の南座公演では作品を“凝縮”すると言い、「博多座には九州の各県から、南座には大阪周辺からお客様がいらっしゃると思う。遠くから来る方のために、時間短縮を第一に(笑)」と冗談めかしつつ、「東京で2カ月上演し、削りたいところや増やしたいところが見えてきた」とブラッシュアップに意欲を示す。また新橋演舞場公演では、馬に乗っての“客席左右同時両宙乗り”が見どころとなっていたが、猿之助は「南座では劇場の制約で、馬が1頭しか飛びません。2頭飛んだら天井が抜けます。どうするかは……今から考えます!」と話し、記者たちの笑いを誘った。

互いの演技の魅力を尋ねられると猿之助は、隼人演じる小栗判官の魅力を「等身大の、飛ぶ鳥を落とす勢いのある若さ」と紹介。隼人は小栗判官としての猿之助の演技を「オグリはリーダーシップをとり、人々の心を煽り立て付いて来させる“兄貴”のような人。猿之助さんのオグリにはそういう面が強く出ていると思う。僕にはまだまだ及ばないところです」と称賛した。

本作では、束縛されることを嫌って心のままに生きるオグリが、地獄に落ちたり現世に送り返されたりする中で成長していく様子が描かれる。猿之助はこの作品を通して「幸せとは何かを問いたい」と言い、「人を傷付けることを“幸せ”と感じる人もいるかもしれません。でも、そういうことが本当に幸せなのか? 本当に今の生き方でいいのか?と問いたい」と言葉に力を込める。また隼人は本作にスマートフォンが登場することに触れ、「相手を思いやらず誹謗中傷する、ネット社会を描いているのかなと思いました。劇中では疑心暗鬼になったフグ婆が放火をしてしまいますが、そのきっかけを作った人たちに悪気はありません。僕たちは、自分が直接手を下さなくても人に影響を与えてしまう、スマホのようなツールを持っているということに、何かを感じてもらえたら」と思いを口にした。

さらに取材会では、2人がスーパー歌舞伎を上演することへの思いを語る場面も。猿之助は「こういった演目を頻繁にやることで、逆に『古典歌舞伎のほうが新しいじゃん』と思ってもらえたらうれしい」と期待を寄せる。隼人は「『新版 オグリ』を観て、古典も観てみたいと言ってくれるお客様が増えた」と話し、「皆さんが古典に興味を持ち始めてくださっているのを感じています。僕らがやっていることは古典へのリスペクトでもありますし、古典の認知度を上げるためにもいい方向に向かうことができているのでは」と手応えを語った。

本作の東京公演は11月25日まで。その後、博多座公演は2020年2月4日から25日まで、南座公演は3月4日から26日まで行われる。

「スーパー歌舞伎II(セカンド)『新版 オグリ』」

2019年10月6日(日)~11月25日(月)
東京都 新橋演舞場

2020年2月4日(火)~25日(火)
福岡県 博多座

2020年3月4日(水)~26日(木)
京都府 南座

原作:梅原猛
脚本:横内謙介
演出:市川猿之助、杉原邦生
スーパーバイザー:市川猿翁

出演

藤原正清後に小栗判官、遊行上人:市川猿之助 / 中村隼人(交互出演)

坂東新悟、中村鷹之資、市川男寅、市川笑也、中村福之助、市川猿弥、中村玉太郎、市川弘太郎、市川寿猿、市川笑三郎、市川男女蔵、大谷桂三、市川門之助 / 石橋正次、下村青、石黒英雄、高橋洋、嘉島典俊、浅野和之 ほか

※高橋洋の「高」ははしご高が正式表記。

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