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『エール』二階堂ふみ、涙の決意の手紙 次週は小山田耕三役の志村けんさんも登場

リアルサウンド

20/4/24(金) 12:10

 連続テレビ小説『エール』(NHK総合)第4週タイトル「君はるか」は、裕一(窪田正孝)のモデルになった作曲家の古関裕而とその妻・金子が交わした文通のやりとりを基に、長男の古関正裕が執筆した恋愛小説のタイトル『君はるか 古関裕而と金子の恋』(集英社)と一致している。音(二階堂ふみ)が裕一に送った「君を思へば遥かなり」から始まる詩は、遠く離れた二人が互いに恋い焦がれ、二人を繋ぐ手紙を心待ちにしている様子を見事に表していた。

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 そんな詩にメロディをつけた裕一のもとに、青天霹靂の知らせが舞い降りる。裕一の留学を阻止すべく養子縁組の話を早々に進めようとしていた茂兵衛(風間杜夫)が、急に「5年だ。ものにならなかったら帰ってこい」と留学を認めたのだ。ただしその裏には、独学で音楽を学んだ裕一が一流になれるはずがない、留学先で得られる語学力と人脈があれば跡取りとして箔がつくだろうと睨んだ八重(三田和代)の策略があったのだが……。とはいえ、裕一にとって嬉しい出来事には変わりない。ロンドンでの生活に思いを馳せ、頭の中から音楽が溢れてやまない裕一の姿を見て、「国際作曲コンクール」の存在を知らせた鉄男(中村蒼)は誇らしげだ。

 裕一は“同志”の音にも留学が決定したことを知らせる。誰よりも彼の快挙を喜んでいた音だったが、手紙を読んだ彼女の表情は晴れない。音はロンドンの地で作曲家としての道を進む裕一と、豊橋で歌手を目指す一学生の自分とは住む世界が違うと確信し、思いを諦めるためにピタリと文通をやめてしまう。

 一方、そうとも知らない裕一は「あぁ~~! 嫌われたんだ! もう生きていけない!」と叫んでいた。ちなみに今週、裕一は作曲のスランプに陥った時、コンクールで自分の楽曲が入賞した時、茂兵衛から留学を許された時と今回、実に4回もこの叫びを見せている。志津(堀田真由)にフラれてから1年、感情を押し殺して仕事に励んでいた裕一に喜怒哀楽が戻ってきた証拠だ。その手助けをした川俣銀行の面々は、音から返事がこないのは親が手紙を取り上げているからだと考え、女なら警戒されない」と提案。裕一は“古山裕子”の名で、再び音に手紙を出した。

 手紙を受け取った光子(薬師丸ひろ子)は一枚上手で、裕一が追い詰められていることをすぐに察する。音に手渡された手紙には、「もう僕はあなたなしでは、音楽を作れなくなってしまったのかもしれません」という裕一の熱い想いが込められていた。心が揺れる音だったが、泣きながら別れの言葉を手紙にしたためる。それは、音なりに裕一を思いやって下した決断だった。

 今までの裕一なら嘆き、音への想いを諦めたままロンドンに向かったかもしれない。しかし、世界的なコンクールで入賞したことで自信がついた裕一は、音に直接会いに行くことを決意。「このままじゃダメなんです。僕は前に進めない。答えを探しに、会いに行きます!」と豊橋へと足を進めるのだった。

 裕一が音楽に触れるきっかけを父の三郎(唐沢寿明)がつくり、「得意なことにしがみつけ」と藤堂先生(森山直太朗)が背中を押した。そして、一度は音楽の道を諦めた裕一を川俣銀行の面々と鉄男が一丸となって鼓舞。そんな作曲家の古山裕一を作り上げるためのバトンを、今週はようやく未来の妻である音が受け取った。彼女からの一通のファンレターが裕一の心を支えたのだ。

 第5週「愛の狂騒曲」では、裕一が音に会うために豊橋の関内家を訪れる。そこにはなぜか、関係ないはずの三郎の姿も。予告で見せた、裕一の「僕の音楽にはあなたが必要なんです」という告白は音に届くのだろうか。そして次週は、3月29日に新型コロナウイルスによる肺炎で急逝した志村けんさんが出演する。彼が演じる昭和の作曲家・小山田耕三にも注目したい。(苫とり子)

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