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石井裕也が「アジアの天使」制作秘話明かす「映画の面白さ、自由さを学びました」

ナタリー

「アジアの天使」撮影現場にて、石井裕也(右)。

「アジアの天使」の監督・石井裕也とプロデューサーのパク・ジョンボムよりコメントが到着した。

石井がオール韓国ロケに挑んだ本作。それぞれ心に傷を持つ日本人と韓国人の家族がソウルで出会い、旅路をともにするさまが描かれる。妻を病気で亡くしたシングルファーザー・青木剛を池松壮亮、元アイドルで売れない歌手ソルを「金子文子と朴烈」のチェ・ヒソ、ソウルでその日暮らしの生活を送る剛の兄・透をオダギリジョーが演じた。

本作の始まりは、石井と「ムサン日記~白い犬」の監督としても知られるパクの出会いにさかのぼる。2014年の釜山国際映画祭で審査員を務めた2人は意気投合。友情を深めていく中で、石井は身近に感じるようになった韓国で映画を撮りたいと考える。剛とソルが言葉を超えて関係を深めていく過程も、石井とパクの長年の交流から生まれたものだった。石井は「我々も語学が達者ではないので片言の英語で話すんですけど、そうすると余計なことをしゃべらない。本当に必要最小限のことだけ言葉にするんですよ。無駄に『言葉』を重ねないほうが、心と心の交流においては誤解がないのかもしれないですよね」と説明する。

当初は2019年秋に撮影開始の予定だったが、当時の韓国サイドのプロデューサーの降板や日韓関係の悪化の影響など不測の事態が重なり延期に。パクが本作のプロデューサーを引き受け、企画は一気に動き出した。脚本を韓国語に翻訳する作業でも多くの助言をしたというパクは「石井裕也監督はいつでも私を奮い立たせてくれる存在です。絶えず新しい作品に取り組み、新しい方法や意味を探していく姿はまさに探検家みたいですよね。この作品は自由で、新しい試みにあふれています。観た人を楽しませると同時に、考えさせてくれるものになると思います」と伝えている。

池松も石井の紹介で2016年にパクと出会い、彼が日本に遊びにきたときは3人で岩盤浴やキャッチボールをする仲になったそうだ。新型コロナウイルスが猛威を振るい出した中でクランクアップを迎えた本作について、石井は「この時期に撮り切れたことだけでも奇跡。韓国での映画作りでは映画の面白さ、自由さを学びました。コロナの裏で撮り切ったということもあり、忘れたくても忘れられない作品になりました」と語った。

「アジアの天使」は7月2日より東京・テアトル新宿ほか全国でロードショー。

(c) 2021 The Asian Angel Film Partners

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