昨年、お笑いナタリーで展開した連載「自粛タイムを笑って過ごす、芸人おすすめネタ動画」がこのたびリニューアル。とは言っても、芸人が厳選した芸人のネタ動画を紹介するという内容は変えずに、なぜそのネタが好きなのか、どんな影響を受けたのか、3本のセレクト動画にレビューを添えて掲載していく。通勤中の電車で、ランチから戻ったデスクで、はたまたお風呂から上がって飛び込んだベッドで、彼らが純粋に「面白い！」と勧めるネタ動画を観て楽しんでほしい。

第1回を飾ってくれるのは、10人組の劇団でありつつ精力的にコントライブを開催し、編成を変えながらお笑いライブにも出演しているダウ90000の主宰・蓮見翔。子供の頃から芸人に憧れていたという彼が選んだ3本とは。

ラーメンズ「不透明な会話」

YouTube上に好きなコントが上がりまくっている時代に3本だけ選ぶのが難しすぎたので、部門別で1本ずつ選んでみました。ラーメンズのこのコントは僕が今までで一番多く見ているコントです。中学生の時に塾の先生に教えてもらったラーメンズにのめり込んでコントを書き始めました。その中でもこの「不透明な会話」は2人がほぼ座ったままで会話だけで展開していくのがすごすぎて、今でも月一くらいで見てます。透明人間がいるかいないかというベタなテーマでコンビの色をここまで出しているコントを自分も書けるようになりたいなぁと思います。

ゾフィー「世の中に必要のない人」

このコントはタイトルが一番好きなコントです。初めてYouTubeでこの動画を見つけた時に、絶対面白いじゃんこれ・・・！と思って見てみたら自分の思ってたのと違う角度でめちゃくちゃ面白くて3回続けて見たのを覚えています。本当にいる人なんじゃないかと思わせる演技力と言葉選びがすごすぎてコントそのもののシンプルな構成が最大限伝わってきて本当にすごいコントだと思います。毎回話が終わるたびに言う一言が面白すぎて、日常でみんなが普通に使っている言葉をオチの言葉にできる構成に痺れます。こういうコントをできるようになりたいです。お客さん役を9人用意できるので。

そうじゃねえだろ「衝動コント／コンビニ」

このコントは僕が覚えている限りで一番はじめにYouTubeで見た公式のコントです。確か高校生の時だったんですけど、当時お笑いライブにあまり行ったことのなかった僕はこの動画を見て東京のライブ会場の奥の方には宝物みたいな空間が広がっているんだなと思いました。当時ライブの様子を撮影した映像をあまり見たことがなかったので、お客さんの一体感が動画から伝わってきてこの空間に強く憧れを抱いたのを覚えています。愛のバクダンコントとファイブボンバーも面白すぎます。本当に失礼な話だし今はほんとにまったくそんなこと思ってないんですけど、「テレビに出れない面白い人の存在」を知ってしまった気になっていました。

蓮見翔（ハスミショウ）

1997年4月8日生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部在籍時に演劇サークルを立ち上げ、2020年より現メンバーでダウ90000として活動している。長編演劇を上演する本公演とコントライブ「あの子の自転車」の開催が主。2021年7月末に玉田企画の玉田真也、テニスコートの神谷圭介による企画で開催されたユニットコントライブ「夜衝」では作、演出を手がけ、メンバーの忽那文香（クツナアヤカ）、中島百依子（ナカシマモエコ）と共に出演した。同公演は8月22日（日）までアーカイブ配信中。

お知らせ

ダウ90000YouTubeチャンネル「いつかパンダとコントを」
コントやラジオ、企画動画を配信。

ダウ90000第二回本公演「旅館じゃないんだからさ」
日程：2021年9月24日（金）～9月27日（日）
会場：東京・ユーロライブ