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『天気の子』、2位再浮上で100億突破目前 いよいよ本格的に始まる世界興行の行方は?

リアルサウンド

19/8/21(水) 14:00

 前回の記事で示唆したように、『ONE PIECE STAMPEDE』の後塵を拝して公開週は2位での初登場となった『ライオン・キング』が勢いを維持して先週末は1位にランクアップ。土日2日間の動員は42万4000人、興収は6億2800万円。8月18日(日)までの動員は236万2000人、興収は33億5500万を記録。累計でも、2週目にして早くも同日公開の『ONE PIECE STAMPEDE』を上回った。

参考:『ライオン・キング』上々の滑り出しで、この夏の「ディズニー3本の矢」はすべて命中

 2週目に入って減速した『ONE PIECE STAMPEDE』に押し上げられるかたちで2位に再浮上したのが、先週末の土日2日間で動員38万4000人、興収5億3300万円をあげた『天気の子』。公開からちょうど1ヶ月(31日間)が経過した8月18日(日)までの累計で動員は717万9300人、興収96億4900万円と、今週の前半にも興収100億円を突破する状況だ。

 国内ではこのままロングランを続け、最終興収は150億円あたりが上限となりそうな情勢の『天気の子』。社会現象化した『君の名は。』の最終興収250.3億円をふまえても、十分以上の結果を残したことになるわけだが、自分は『天気の子』の興行が本当に興味深い局面を迎えるのはこれからだと思っている。

 9月上旬にカナダ・トロントでおこなわれるトロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門にも出品される『天気の子』は、日本公開前の時点で既に140の国と地域に向けた配給が決定。日本映画やアニメーション映画を劇場で観る習慣がないことから『君の名は。』の公開が実現しなかった映画大国インドでも、ファンの署名運動の後押しもあって今回はムンバイ、デリーなど20都市で10月に公開される運びとなった。先日8月8日、社会情勢が混乱する中、日本国外では初めて劇場公開された香港でも初日から動員ランキング1位で、『君の名は。』を上回る勢いでヒットを記録中。今後も、インドネシア(8月21日)、オーストラリア(8月22日)、フィリピン(8月28日)、ベトナム(8月30日)、マレーシア(9月5日)、シンガポール(9月12日)、台湾(9月12日)、イタリア(10月14日)、ロシア(10月31日)、韓国(10月)、タイ(11月7日)など各国で順次公開される予定だ(北米や中国での公開は来年になる見込み)。

 ちなみに日本公開から8ヶ月が過ぎた2017年4月の時点での『君の名は。』の世界興収は3億5300万ドル、約376億円。今年7月の記事には海外興収だけで「150億円に達し」たとあるので、最終的には日本も含めて400億円以上の興収を稼いだことになる。つまり、『天気の子』が日本で100億円ほど『君の名は。』からショートしたとしても、海外でその分をカバーすれば世界興収で超えることもあり得るということだ。国外では『君の名は。』以前はほとんどなかった新海誠監督の知名度の上昇、『君の名は。』での経験をふまえた東宝の海外での配給戦略、そして何よりも作品自体の「直線的なストーリーのわかりやすさ」や「東京観光映画としての側面」や「テーマの持つグローバル性」(気候変動は今や世界で最もホットなテーマだ)において、『天気の子』の「世界興収での逆転」は十分にあるのではないだろうか。(宇野維正)

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