テクノロジーアートで大人も子供も楽しめる 『おさなごころを、きみに』開幕
20/7/20(月) 18:00
『おさなごころを、きみに』会場入口
毎年夏に親子で楽しめる展覧会を行なっている東京都現代美術館。今年は『おさなごころを、きみに』と題して7月18日(土)に開幕、9月27日(日)まで開催されている。
同展は子供だけでなく、かつて子供だった大人たちも、忘れてしまったクリエイティブな心を思い起こし、アートの可能性を探るというもの。
「触覚」「身体」「音と言葉」「忘却」「宇宙」などをテーマとした空間を巡りながら、インタラクティブ体験、身体表現、音や文字による作品資料や映像上映、東京都現代美術館のコレクション展示を体験することができる。
会場に足を踏み入れてすぐ登場するのは名和晃平の《PixCell-Bambi》。たくさんの透明ビーズで覆われているバンビや、角度により見えたり見えなかったりするバンビがいる透明の箱といった、幻想的な世界に引き込まれる。
また、不思議な結晶におおわれた吉岡徳仁の《ROSE》や、流れる水を凍らせたようなガラスのいす《Water Block》は、光の反射でキラキラと輝く姿に魅了されるはず。
続く壁面には、信じられないほどの細部まで見ることができる8Kテクノロジーを使って表現された作品《8K Works Screening》が映し出される。展覧会のイントロダクションに当たるここまでで、純粋に「見る」という行為の楽しさ・喜びにどっぷりと浸かることができるのだ。
「おととことば」では、複数のアーティストたちがさまざまな表現で埋め尽くした、巨大な高精細プリントの本《『silence』project》や、AIによる振り付けや映像を駆使したRhizomatiksによるコンサート映像、さらにカメラの前でポーズをとると、誰でもヒーロー・ヒロインになれたりする《HERO HEROINE》など、テクノロジーアートの多彩な表現を楽しめる。
「ぼうきゃく」では、歩き回る大勢の人の中に、コントローラーで操作することができる自分の分身を見つける《P055E5510N》、漢字やアルファベットをランダムに組み合わせて作り出した文字列を記した《非語辞典》や、そこから新たな名前を作り出す《非後辞典・人名編》など、膨大な情報の広がりを実感しながら、そこから生まれるものも感じ取ることができる。
ラストとなる「ぎんが」では、地球上の水の様子を宇宙から観測した動画映像や、円盤に焼き付けられた映像がゆっくり消えていく《時/ハナ》、壁いっぱいに絵とことばで解説された《宇宙図》が展示され、無限の宇宙に思いをはせることができる。
「子供のための現代美術展」であると同時に、「大人が子供の心を思い出すための現代美術展」でもある同展。メディアテクノロジーによる作品や映像を通して、純粋に楽しんでみてほしい。
【開催情報】
『おさなごころを、きみに』
7月18日(土)〜9月27日(日)まで東京都現代美術館にて開催
【関連リンク】
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