Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

押井守の あの映画のアレ、なんだっけ?

最近の過去の発言が掘り起こされる風潮について、どう思いますか?

月2回連載

第56回

Q.
最近、過去の発言などが掘り起こされて問題になるような事例が増えています。発言の内容や程度にもよりますが、このような風潮をどうお考えですか?

── 今回は、いわば“過去が追いかけてくる”というお題です。オリンピックのときも数人の関係者やクリエーターが昔の発言を掘り起こされ、降板するハメになったり叩かれたりしていました。ハリウッドでもかつてSNSで発信した文言が叩かれるという事件が頻繁に起こっています。

押井 昔のことを掘り起こされたら、ほとんどの人がアウトだと思うよ。私だって結構、酷いことをやっているし、『ぶらどらぶ』もそういう視点で見れば問題だらけだよ、おそらく。

ただ私は、いつも言っているように、法に触れるようなこと、殺人とか誘拐とかレイプとか、そういうことじゃない限り問題ナシだと思っている。さすがに殺人を犯した人間が出所して普通にTVに出ていたら、決定的に不快感があるだろうけど、ドラッグや銃刀法違反は目くじら立てることでもないのでは? と思っているんですよ。

不倫などのスキャンダルになると、別に法を犯しているわけじゃないので、もっとどうでもいい。芸人の場合は尚更ですよ。そういうことさえ肥やしにするのが芸人なんだから、そこを怒ってどうすると言いたい。

この質問者が言っているのは、オリンピックの開会式で音楽を担当する予定だったミュージシャンなどのことでしょ? 学生の頃に同級生をいじめたのが掘り起こされて、降板するしかなかったんだよね?

もちろん、酷い話だと思うけど、それと才能は関係ないじゃないの? 彼に何を求めているのか? いい音楽を創る才能なのか、それとも人間性なのか? こういう場合は、やはりいい音楽を創る才能の方だと思う。真に評価できるような仕事をする人であるなら、別に彼でいいと、私は思うけどね。表現したものは、作った当人の人格から離れたところで存在するから。

※続きはアプリでお読みください

質問はこちらのフォームからお寄せください!

アプリで読む