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玉木宏にコメディアンという新たな役幅の可能性 『極主夫道』笑いと涙に溢れる終幕

リアルサウンド

20/12/14(月) 13:08

 『極主夫道』(読売テレビ・日本テレビ系)がついに最終回を迎えた。作品を彩ってきたキャストが大集合、『極主夫道』らしさのある小ネタ満載の笑いと涙に溢れる終幕となった。

 龍(玉木宏)は、誘拐されてしまった向日葵(白鳥玉季)を追って、犯人の指定する山小屋へと向かうが、待っていたのは向日葵と江口菊次郎(竹中直人)&雲雀(稲森いずみ)夫婦だった。偽装誘拐を仕掛けていた美久(川口春奈)をも騙した、さらなる偽装誘拐。それがきっかけで龍と向日葵が初めて腹を割って話すことができ、龍が本当に大切に思っていることが向日葵に伝わった。

 後日、体調を崩してしまった龍は病院でCT検査を受ける。その場にちょうど居合わせていた和子(MEGUMI)が、龍が出てきた診察室での会話を聞き、龍が余命3カ月であると早とちりしてしまう。その噂は美久をはじめ、火竜町の様々な人に広まっていった。

 美久は余命3カ月である龍にやりたいことを聞く。すると「キャンプ」「喫茶店の経営」「温泉」「サンタクロース」が候補として挙がり、一つずつそれらをみんなで実現していくことに。まさに、龍に対してのみんなからの恩返しが始まる。

 全てのイベントに龍を囲む登場人物たちが次々と現れ、龍への最後のお別れを伝えていく。そして、最後は最も大切な家族の時間。クリスマスプレゼントが美久と向日葵から送られた。大切な人との終わりを意識するからこそ、今までを思い返しては寂しさや感謝などのいろんな思いがこみ上がっていく。しかし、視聴者も薄々気づいていたであろうが、龍が余命3カ月であることももちろん勘違い。手土産として持って行ったようかんの賞味期限の話であったのだ。

 勘違いから生まれた物語に、とても幸せな空間が広がり、人と人との理想的な関係が広がっていった。特に龍と美久は理想の夫婦であるとネットでも盛り上がった。

 ユニークなキャラクターとシュールなかけ合いで繰り広げられていった『極主夫道』。それぞれの特徴を捉えた役者の演技もあり、独特な世界観がしっかりと形になっていった。

 その物語を牽引してきたのが、主人公である龍を演じた玉木宏だろう。これまでも正統派の役から風変わりな役、そして強面な役まで様々な役柄をこなしてきた。本作では、強面でありながら優しくかわいらしい一面をも持つギャップと振り切ったコメディ性を持つ役柄で、彼にとっても今までには見せてこなかった新境地の演技だったのではないだろうか。


 年齢を重ねて渋みが増す中でも、コメディアンという新たな役幅の可能性を感じる彼の代表作ともなっただろう。今までの物語の集大成として、龍がみんなへ与えた優しさがそのまま返ってきて、龍の人柄のよさやみんなに愛されていることが強く感じられた。

 『極主夫道』は、コメディだけに収まらないユーモラスで理想的な人間関係の紡がれ方から、他者との関わりにおいて大切なことまでが丁寧に描かれた。それらだけでなく、「人を見た目で判断しないこと」や「主夫(婦)の仕事の大変さや奥深さ、そして尊さ」をも示唆されていったドラマだった。

■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。TwitterInstagram

■放送情報
『極主夫道』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30~23:25放送
出演:玉木宏、川口春奈、志尊淳、古川雄大、玉城ティナ、MEGUMI、安井順平、田中道子、白鳥玉季、中川大輔、片岡久迪、水橋研二、本多力、新津ちせ、橋本じゅん、滝藤賢一、稲森いずみ、竹中直人
原作:おおのこうすけ『極主夫道』(新潮社『くらげバンチ』連載中)
脚本:宇田学ほか
監督:瑠東東一郎ほか
チーフプロデューサー:前西和成
プロデューサー:中山喬詞、小島祥子、清家優輝(ファインエンターテイメント)
共同プロデューサー:池田健司(日本テレビ)
制作協力:ファインエンターテイメント
制作著作:読売テレビ
(c)読売テレビ
公式サイト:https://www.ytv.co.jp/gokushufudo/
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